「Nyala 4」と「LEBo」を使った
当社ならではの空間演出を提案する。
印刷物やLED光源、LEDビジョンなどを組み合わせた多彩な空間演出を得意とする(株)インターコスモス。同社では人々の印象に残るおもしろい印刷物が作りたいと、2023年2月にswissQprintの「Nyala 4」を導入した。今回はその用途や製作事例などについて、制作部 課長の高那太一氏に話を伺った。
▲ インターコスモス本社(大阪市北区)で稼働中の「Nyala 4」。
アイキャッチなおもしろい印刷を求めて
———「Nyala 4」を導入した経緯を教えてください。
新型コロナウイルスが流行し、ポスターや展示会関連の仕事がピタリと止まってしまったんです。何か手を打たなければということで、印象に残るおもしろい印刷物ができないかと考えていたときに、swissQprintの「Nyala 4」と出会い、立体感を印刷のみで表現できる「droptix」が決め手となり導入しました。
———貴社はレンチキュラーを使った商材も扱われていますよね?
そうなんです。だからこそ「droptix」に感動しました。当社のレンチキュラー商品は、デザインを印刷した紙をレンズに貼り合わせて製作していたのですが、「droptix」という機能はレンズも印刷するので、レンチキュラーと比べて工程が少なく、手間がかかりません。材料の在庫を確保する必要もなく、在庫を気にせず、作りたいものを作りたいときに製作できるのは魅力的です。
———「droptix」を使った印刷物へのクライアントの評価はどうですか?
好印象ですよ。当社は“アイキャッチ”をテーマに仕事をしています。自己満足にならないよう、お客様に感動してもらえる作品づくりを心がけているので、「droptix」の良さをお客様にも実感していただけることは、とても嬉しいです。
ポスター・パネル・什器、
多様な用途で使えるエコ素材
———貴社のオリジナルエコ素材である「LEBo(レボ)」について教えてください。
SDGsという言葉が多く使われるようになり、お客様のエコ素材に対する関心が非常に高くなっています。そこで、後発ではありますが、当社でも紙製素材を取り扱うことにしました。
「Nyala 4」を使って「LEBo」に木目を印刷し、エッジの部分を紙モールやPPバンドなどで隠すと、本物の木材みたいになり、見分けがつかないほど綺麗に仕上がります。すでに、いろいろなところで採用されています。
“脱スチレンボード”に取り組む企業様はスチレンボードの代わりに「LEBo」を選んでくださる方が多いです。「LEBo」は厚みのバリエーションが豊富で、什器としても使えますし、ポスターやパネルとして使うこともできます。
エコ素材はすでに他社も扱っており、みなさん工夫を凝らして、さまざまなものを作られていると思います。
当社は後発ということもあり、日々勉強している中で、やはり独自のものを作る必要があると考えました。そこでLEDと「LEBo」を組み合わせた、光るパネルなどを作っています。
スピーディーなプリントと
少ない工程で短納期を実現
———「Nyala 4」の用途は、「droptix」や「LEBo」への印刷がメインですか?
あとは、アルミ複合板にダイレクトで印字することもあります。これまでPVCシートにラミネートを貼って、それをアルミ複合板に貼るという手順があったのですが、「Nyala 4」はダイレクトに印刷できるため、短納期が可能になりました。
———納期はどれぐらい短くなったのですか?
これまでは、インクジェット出力に1日、ラミネート加工に1日、貼って切る作業に1日を要していました。今は当日出荷も可能です。
当社のクライアントにはパチンコホールさんが多く、1,000店舗ぐらいからお仕事をいただいているのですが、パチンコ業界には“繁忙期”というのがあるんです。これは新台が解禁されるときなのですが、全国のパチンコホールさんが一斉に動き出すんです。どの店舗も新台解禁日に合わせて装飾を行うので、その前までに間に合わせてほしいと言われます。これについても今では、「Nyala 4」のスピーディーなプリントと少ない作業工程でお客様の要望に応えられています。
———「Nyala 4」を使った印刷物のクオリティはいかがでしょうか?
今は、どこのメーカーのプリンターも綺麗に印刷できますよね。ただ、印刷速度を上げると、少しクオリティが落ちるんです。しかし、「Nyala 4」は最高速度で印刷してもバンディングが入ることはほとんどなく、綺麗に仕上がります。我々の仕事はスピードを求められることが多いので、やはり「Nyala 4」がぴったりだったなと思います。
また、「Nyala 4」は色調整をほとんど必要とせず、微調整だけでお客様に納得いただけるクオリティを実現できています。
「Nyala 4」を使った具体的な事例としては、2023年に阪神タイガースがセ・リーグを制覇したとき、岡田監督と選手のパネルを阪神電鉄の主要駅に5体ずつ、合計15体作って設置しました。
この案件は、最初はラミネートをするという指定だったのですが、「Nyala 4」を使って印刷したことで、ラミネート加工の必要がなくなりました。ほとんど色調整もせず、一発OKをいただいたのを覚えています。パネルは優勝が決まった瞬間から2日間で作りました。「Nyala 4」と「LEBo」の組み合わせでなければ、受けることができない仕事でした。
———色調整はメディアを問わず、簡単に行えるのですか?
白インクを搭載しているので、メディアの色が気になるときは白インクを最初に印刷することで、どのメディアにも対応できます。白インクの印刷スピードもすごく速いので助かっています。
▲ インターコスモスの大阪ショールームにある「LEBo」コーナー。「LEBo」を使った製作物を実際に見ることができる。
▲ 阪神タイガースが2023年のリーグ優勝を決めた際に製作された、岡田監督と選手のパネル。 ©阪神タイガース
大型マシンでも動作音が静か、
洗練されたプリンター
———プリンターの使い心地はいかがですか?
メディアの位置合わせが、簡単にできることが魅力です。今までプリンターを触ったことがない人でも、半日ぐらいレクチャーを受ければ、作業できるようになります。位置合わせは今まで苦労していた部分なので、ありがたいです。データづくりもわかりやすく、オペレーターに優しい設計になっているなと感じます。
あと、見た目も好きです。スタイリッシュでかっこいい。大きな機械だと、音も大きくて、ちょっと恐怖を感じることがあると思うのですが、「Nyala 4」は静音で、洗練されている印象を受けます。高級車に乗っているような爽快感があって、大きな機械を動かしているという感覚があまりないです。
———今後、どのようなものづくりを目指していきたいですか?
「Nyala 4」を使えば、いろいろなことができると思います。当社ならではの、例えば「LEBo」とLEDビジョンを組み合わせた空間演出だったり、そういった独自の商品づくりを目指していきたいと思います。
【問い合わせ】
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