S&Dセレクション

〈2022.10.7〉RAMPO 幻影 〜須藤絢乃vs 森林堂の世界〜

着物・写真・エクステリア、
デジタルプリントで描く乱歩の世界。

リンテックサインシステムは、「RAMPO幻影〜須藤絢乃vs森林堂の世界〜」と題した展示会を、8月21日から28日、アートギャラリー「ii_crossing」(東京都千代田区)で開催。インクジェットプリンターによるデジタルプリントで、江戸川乱歩の作品の世界観を表現した。

 

▲ 「ii-Crossing」の窓を飾ったのは、「押絵と旅する男」に登場する凌雲閣(浅草十二階)をデザインしたガラスフィルム。 メディアはリンテックサインシステムの「GUV-5105」を使用している。

 

 

多様な手法で創り出された 「世界観を楽しむ」展示

 リンテックサインシステムと東洋美術印刷が共同で運営するアートギャラリー「ii-Crossing」において、京都の着物デザイン事務所・森林堂と写真家・須藤絢乃氏による江戸川乱歩作品をイメージした展示会が開かれた。同展では、須藤氏の写真のほか、デジタルプリントによる様々な作品を展示。印刷業界をはじめ、江戸川乱歩作品の読者やSNSを見た須藤氏のファンなど、一般の人々も来場した。

 

▲ 不織布のメディアにプリントされた、「押絵と旅する男」や「心理試験」をモチーフとしたデザイン


 

抜群の操作性を持つ エプソン「SC-T7750D」

 会場内に展示してある森林堂の着物のデザインは、全てインクジェットプリンターで印刷されている。森林堂の代表を務める森 真琴氏は、『着物業界でインクジェットプリンターが使用されたのは、他の業界よりも早かったです。成人式で着用される振袖の約半数以上が、インクジェットプリンターで製作されているように思います』と話す。森林堂では着物デザインのほか、壁紙のデザインやインクジェットプリンターによるテキスタイルプリントも行っている。
 会場の壁に貼られた乱歩作品に登場するシーンをモチーフにした壁紙は、不織布に糊がついたメディアにプリントされている。この他にもプリントされた和紙を使用した行燈など、全てデジタルプリントによるものだ。これらは会場に展示されたエプソンの「SC-T7750D」を使用して製作。同機はレッドインクによる鮮やかな赤色の再現を特徴としている。同機を使用した理由について、リンテックサインシステム事業企画マーケティング部の村岡崇明氏は、『使うと分かりますが、SC-T7750Dは操作性が非常に良いんです。メディアを選ばない上にセットも簡単ですし、発色も綺麗です』と話してくれた。

 

▲ 操作性が抜群だというエプソンの「SC-T7750D」。会場内においてデモンストレーション印刷も行っていた。

 

▲ 森林堂の着物はインクジェットプリンターを使用して製作されている。


 

プリンターと自社製メディアで表現の幅を拡大

 ガラス窓を装飾する「押絵と旅する男」や「心理試験」をモチーフにデザインされたガラスフィルムに使用されたのは、ミマキエンジニアリングの「UCJV300-160」。UV-LEDプリントとカット機能を併せもち、4層・5層といった多層プリント機能も搭載したハイスペックさが魅力だ。
 UCJV300-160でプリントを施したのは、リンテックサインシステム社製のハードコート付きメディア「GUV-5105」。超透明PET基材を使用したUVインク用のメディアとなっている。ハードコート付きのため、スキージーなどによる傷も付きにくく、施工性は抜群だ。ステンドグラスのような装飾も、プリンターとメディアの組み合わせで、簡単に再現できる。
 コストを抑えつつ、壁紙などの大判印刷や窓ガラスへの装飾など、世界観の実現に活躍するデジタルプリント。今回の展示会では、リンテックサインシステムの確かな技術力と、デジタルプリントによる表現方法の幅広さを実感することができた。

 

▲ 「心理試験」に登場する小野小町の屏風や松、百円札で装飾された撮影ブース。開催期間には須藤氏による撮影会も行われた。小道具として印刷された百円札は、実物と同じサイズ。オリジナルの百円札から縦長にデザインし直されている。

 

▲ 「心理試験」に登場するワードをモチーフにした壁紙。製作には、CANONのUVgelインク「Colorado1650」を使用。

 

▲ デジタルプリントを施した和紙を使った行燈。


 

 


【問い合わせ】
リンテックサインシステム(株)
Tel.03-5721-4911
http://www.sign-japan.com/

【問い合わせ】
(同)森林堂
Tel.050-3590-3599
https://shinrindo-kyoto.com/

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