自然と目的の場所まで足を運びたくなるような仕組み
2017年9月、セイコーエプソン(株)本店およびエプソン販売(株)本社のオフィスエントランスエリア(東京都新宿区)がリニューアル。360度プロジェクションマッピングにより、エレベーターホールとショールーム受付エントランスが映像に包み込まれた。
▲ 360°映像に囲まれたマッピング演出を実現するにあたり、エレベーターホール(写真)とショールーム受付という狭い空間、かつ空調設備や建物の梁などの干渉物が多いことが問題となっていた。これを解消するために、29台(エレベーターホール:17台、ショールーム:12台)のプロジェクターが使用された。
エントランスエリアの映像投影には「EB-L1300U」をはじめ、エプソン社製のプロジェクターを合計29台(エレベーターホール:17台、ショールーム:12台)使用。また、至近距離からは超短焦点ゼロオフセットレンズ「ELPLX01」(エプソン社製)を使用し映像を映し出している。
映像コンテンツの第一弾は、水・樹・土・風など地球を構成する様々なものを表現する「Nature(自然)」がテーマ。壁面には鮮やかな緑、天井部には雲の創造物が飾られ、インタラクティブ機能により映像が変化する演出を施した。例えば、来客がエレベーターを降りて通路に入ると、人感センサーが感知し映像がスタート、鳥たちが飛んできて出迎える。また、帰路へのエレベーターボタンを押そうとすると、ボタン近くに設置されたセンサーが感知し、これまで映されていた映像が変化するといった演出が見られる。
さらにエレベーターホールの床面には水が流れ、エプソンのコア技術がショールームへと流れていく。そしてそれを辿ってショールームに入ると、エプソンの製品が組み上がり、現れる。
今後は「Contemporary(現代・近未来・東京〜世界)」、「Art(アート)」と定期的にコンテンツのテーマを変えながら演出を行っていくという。企画・演出・施工は(株)タケナカが担当した。
エプソンでは、“Exceed Your Vision”と掲げ、ユーザーに“驚きや感動”を届けることを約束している。しかし、“それらをユーザーに直接伝えることのできる場が少ない” “会社の顔となるオフィスエントランスでエプソンの経営理念を体現したい”ということから、今回のオフィスエントランスのリニューアルは実現した。タケナカは、エプソンの要望を受け、エレベーターホールからショールームへと繋がった演出を施すことで、オフィスエントランスを訪れた人が、自然とショールームまで足を運びたくなるような仕組みを見事つくり出した。
▲ショールーム受付エントランス。ここにもインタラクティブ機能により映像が変化する演出が施されている。
こちらの情報は月刊サイン&ディスプレイ2018年1月号に掲載しております。
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