「マツ=市松模様」と「シマ=縞模様」、
会社の象徴でもある社章を天井に掲出。
MAZDAをはじめ、Mercedes-BenzやVolkswagen、AudiやBMWなどの正規ディーラーである(株)マツシマホールディングス。同社本社ビル(京都市右京区)のエントランスホールには、軽量で柔らかい膜素材を活用した「光天井」が設置されている。
メンテナンスも容易な膜素材の「光天井」採用
『本社ビルの玄関として、最初にお客様をお迎えする空間である事と同時に、“会社の表情”を表す非常に大切な空間となるので、光天井を採用しました』。そう話すのは、この空間の設計を行った(株)ノム建築設計室 設計部の出井 淳氏だ。当初は布に印刷したものを天井に貼ることも検討されたようだが、最終的には膜素材でLED内照式の「光天井」を採用。コストも想定より20%ほど抑えることができたという。
元々、不燃材料を使用することを前提に進められていた今回の空間演出だが、アクリル素材等だと材質が硬く、メンテナンス時などに巨大なフレームを取り外さなくてはならない。高所での作業は危険も伴うため、不燃で柔らかい膜素材が採用されたというわけだ。
なお、「光天井」は、本社ビル2階にも設置されている。こちらはマツシマホールディングスの社員でも簡単にめくれて、メンテナンスが容易にできるように、さらに柔らかい防炎材料を採用。使用面積が少ないので防炎材料でも問題なく、建築基準法にも準拠している。
▲ エントランスホールに導入された「光天井」(LED内照式)がマツシマホールディングスの社章を表現。「マツ=市松模様」と「シマ=縞模様」は正方形グリッドを基調に構成されており、そのグリッドのラインを壁に連続させることで、エントランスホールの空間として一体感をもたせている。
エントランスホールの空間として一体感をもたせた
マツシマホールディングス本社の「光天井」には、「マツ=市松模様」と「シマ=縞模様」とで構成された、同社の社章が表現されている。
また、エントランスホールの壁面には、ライン状のLED照明も施されているのだが、ここにも設計者のこだわりが窺える。出井氏は『「マツ=市松模様」と「シマ=縞模様」は正方形グリッドを基調に構成されており、そのグリッドのラインを壁に連続させることにより、エントランスホールの空間として一体感をもたせました。部材と部材との間で極力要素を少なくして、余分なものは見せないすっきりとした空間を目指しました』と話す。
膜素材の「光天井」は光源を見せることなく、空間を明るく演出できる。さらに柔らかいので安全性も高く、自由なグラフィック表現も可能なことから人が集まる場所にもってこいだろう。社章を表現した今回の事例のように、さり気なく気付いた人へのサプライズとしても有効だ。出井氏は『天井と壁を光膜で構成し、床にもライン照明を入れるなどの構成を試みたい』と新たな展開についても語ってくれた。
■ 設計
(株)ノム建築設計室
http://www.nom-ad.co.jp
■ 施工
(株)竹中工務店
https://www.takenaka.co.jp
■ 協力
(株)クレディサービス
http://credy-service.jp
■ 製品供給
(株)髙天
【「光天井」に関する問い合わせ】
(株)髙天
大阪府高槻市道鵜町6-6-1
Tel.072-660-5673 Fax.072-669-1114
http://www.tent5673.com