自動車ランプの品質基準で製造した
安全で信頼性の高い製品を提供。
1920年の創業以来、自動車のヘッドランプを中心とした照明器具や、殺菌効果のあるUV機器などの製造・販売を行っているスタンレー電気(株)。同社は、床面や壁面に光によるサインを表示可能な「LED描画ユニット」を開発、近日販売を開始する。今回は、同製品の特長や用途、今後の展開などについて訊いた。
小さなユニットで
床や壁に文言や図柄を投写
スタンレー電気では、自動車のランプをはじめ、景観照明や道路照明、高天井照明、珍しいものでは魚に緑色の光を当てて魚の育成を促進させるといったことまで、光に関するビジネスを幅広く展開している。そんな同社が今回開発したのが「LED描画ユニット」だ。同社電子営業統括部 東日本サテライト部 営業三課の中尾美涼氏は『人と機器、人同士のぶつかり事故を抑制する注意喚起、また人の誘導を目的に開発しました。小さなユニットから床や壁にお客様が強調したい文言や図柄を光で映し出すことができ、簡単に設置できるのも魅力です』と語る。
スタンレー電気は、同製品の納入先のひとつとして工場を想定。工場内には交差点が多くあり、事故も多いという。そこで同社では、例えば搬送車に「LED描画ユニット」を搭載し、自分が進む先に光のサインを表示させて注意喚起する、といった提案を進めている。このように様々な機器への組み込みが可能なので、用途の幅も広がる。S&D編集部では、美術館や水族館、オフィスや学校関係、展示会のブースなどでの使用もおすすめしたい。
ピントを合わせる必要がない
フォーカスフリー仕様
自動車のランプは車両運行の安全性のために、道路運送車両法の保安基準に適合するものでなければならない。つまり、非常に高い品質が求められるということだ。「LED描画ユニット」は、この自動車ランプの品質基準でつくられていることをまずはお伝えしておこう。ユニットのサイズは非常にコンパクト(H42×W42×L139mm、約350g ※オプションのステー除く)で、取材した筆者もその小ささに驚かされた。
ユニット内には、光源であるLEDとマスク(映し出したい図柄を彫ったプレート)が搭載されており、LEDの光により、スタンレー電気が設計した複数枚のレンズを通して図柄を投写する仕組みだ。そしてこのレンズがポイントであり、設置場所から投写面までの距離が遠くても近くてもピントが合うようになっている。ピントを合わせる必要がないフォーカスフリー仕様は「LED描画ユニット」の大きな特長と言える。
また、照明が点灯する室内においても明るくはっきりと見えるので、屋内であれば使える場所も多いだろう。加えて、点滅投写することで、視認性は一層向上する。
投写可能な図柄は、5種類(矢印、止まれ/STOP、セルフレジ等)のデザインから選択できるほか、要望に応じてオリジナルのデザインをオーダーすることも可能だ。
スタンレー電気の電子営業統括部 営業戦略企画課 係長である土谷 麻依子氏は『世の中には、中国製などでも似たような製品が出回っていると思いますが、「LED描画ユニット」は自動車のヘッドランプのメーカーがつくったものです。光学系と製造技術を含めて信頼性の高い製品になっています。自動車のヘッドランプは、対向車が眩しくないように、また歩行者が歩いている方向へより光がいくようにと緻密な設計がされています。車のヘッドランプの技術で培ったこの技術が「LED描画ユニット」に搭載されています』と自信を示す。
現在、すでに次期モデルも企画・検討中とのことで、その中には防水仕様のもの、高輝度のもの、さらに小型のものとバリエーション展開も考えているようだ。
【問い合わせ】
スタンレー電気(株)
電子営業統括部
Tel.045-910-6629
https://stanley-ledlighting.com/jp