ニュースリリース

〈2021.7.1〉建築家・隈研吾氏デザインの「鍋島松濤公園トイレ」完成。

 日本財団(所在地:東京都港区)は、誰もが快適に使用できる公共トイレを渋谷区内17カ所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を実施している。
 
 
 6月24日(木)には、「THE TOKYO TOILET」9カ所目となる、建築家の隈 研吾氏デザインの公共トイレが一般利用を開始。開始日には隈氏も登場し、トイレのタイトルやコンセプト、設計に対する思いを語った。
 
 
 

▲ 鍋島松濤公園トイレ前。左より日本財団の常務理事・笹川氏、建築家・隈氏。

 
 

鍋島松濤公園トイレについて

 
 


タイトル「森のコミチ」

 
 

 


コンセプト:

 

 緑豊かな松濤公園に、集落のような、トイレの村をデザインした。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は「森のコミチ」で結ばれて、森の中に消えていく。
 多様なニーズ(子育て、身だしなみ配慮、車いす等)にあわせて、村を構成するひとつずつのトイレの、プラン、備品、内装も異なる。そのいろいろな個室を分棟とすることで、ポストコロナの時代にふさわしい、公園に開かれた風通しの良い、通り抜けのできる「公衆トイレの村」ができあがった。トイレにも多様性の時代、森の時代がやってきたのである。
 
 

当日コメント

 
 

建築家・隈 研吾氏

 
 

 
 

 今回様々な候補地がありましたが、一番緑の深い鍋島松濤公園に設計することで、これまでの公共トイレのイメージを払拭できると思い、この場所を選びました。トイレだけでなく、動線となる道も含めて設計しています。建築物に加えて、その周辺の環境など、トータルな体験として捉えていただければと思います。
 また、従来の公共トイレは全て均一なデザインでしたが、今回はお子さんが利用できるトイレや、イベントの多い渋谷の街に合わせて着替えができるトイレなど、小さな5つのトイレを設計しています。これまでの公共トイレと異なり、様々な人に使用いただける点も大きな特徴です。

 


日本財団常務理事・笹川 順平氏

 
 

 
 

 「THE TOKYO TOILET」のプロジェクトは、今回の鍋島松濤公園トイレで9カ所目になります。今回、日本を代表する建築家である隈研吾先生にデザインをお願いいたしました。
 このプロジェクトは建築までが半分、適切に維持管理しながらご使用いただくことが残りの半分だと考えています。従来の公共トイレに持たれている「暗い、汚い、臭い、怖い」といったイメージを取り払うモデルケースになることを目指すべく、ご使用いただく皆さまにもご協力いただけますと幸いです。

 


THE TOKYO TOILET とは

 

 トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴。しかし、多くの公共トイレが暗い、汚い、臭い、怖いといった理由で利用者が限られている状態にあります。本プロジェクトでは、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを2021年秋までに区内17カ所に設置します。本プロジェクトは、昨年より始動し国内問わず大きな話題を呼びました。本年の取り組みでは、建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏などに参画いただき、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信していきます。
 加えて、訪れた人々に気持ちよく利用していただけるよう、従来に比べ清掃をはじめとしたトイレの維持管理を強化します。これにより、利用者自身が次の人のためを思う「おもてなし」の心の醸成も目指していきます。

 それぞれのコンセプトなど、詳細はTHE TOKYO TOILET 特設ウェブサイトをご参照ください。 なお、トイレの設計施工には大和ハウス工業株式会社、トイレの現状調査や設置機器・レイアウトの提案にはTOTO株式会社のご協力を頂ています。
 

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