〈2021.3.15〉Doleが食料不安に警笛。アメリカの各都市に衝撃的なOOHを展開

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　近年、さまざまな場所で見かける「SDGs」は、貧困や格差、気候変動などの問題解決を目指す「Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）」の略称である。17の目標から成り立つSDGsのうちのひとつが、2030年までに「飢餓をゼロにする」こと。今回、海外事例としてご紹介するのは、（同）Dole Packaged Foods（以下、DPF社）のOOHだ。近い将来に直面するであろうと囁かれている「食料不安」に対する、同社の警笛とも言えるOOHは、アメリカの各都市に掲出され、多くの国民に衝撃を与えた。

　掲出されたOOHは、アメリカ国民の誰しもが目にしたことのある栄養成分表示をもじったもの。パッケージされた食品すべてに表示義務がある栄養成分表示は、日本でも馴染みがあるだろう。英語圏では、栄養成分は「Nutrition Facts」と記載されているが、今回のOOHには「Malnutrition Facts」の文字。Malnutritionには、栄養失調や栄養不足という意味がある。今回DPF社は「アメリカ国民にとって馴染みのある表示を用いることで人目を引きつけ、食料不安の現実を伝えたかった」と話しており、食料不安から肥満問題、地産地消のススメなど、食料不安の仕組みを変えるための目標が掲出された。

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　同キャンペーンのキックオフとして、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、ボルチモアの3都市で「Malnutrition Facts」の巨大なプロジェクションマッピングが実施され、今後約5,400万人もの人が食料不安に直面する現実が映し出された。DPF社のグローバルCMO・Rupen Desai氏は「全世界のすべての人が平等に、良好な栄養状態を享受すべきだと思っています。そのために今回のようなOOHを掲出することで、より多くの人に食料不安に関する現実を実感してもらい、この食料問題の仕組みを変えていきたいと思っています」と話す。

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　今回、クリエイティブを手がけたのはDAVID社マドリード支社だ。アメリカのマイアミや、アルゼンチンのブエノスアイレス、ブラジルのサンパウロ、スペインのマドリードの各所にオフィスを構える広告エージェンシーである。同社マドリード支社のSaulo Rocha氏は「今回の広告を通して、多くの人に食料不安について考えてもらいたい」と話す。