S&Dセレクション

〈2021.10.12〉最新フラットベッドUV IJP「JFX600-2513」・「UJF-7151 plus II」

大判・小型フラットベッドのハイエンド機、
サインおよび工業用途向けに今冬発売。

 

▲ 生産性の高さが魅力の大判フラットベッドUVインクジェットプリンター「JFX600-2513」。

 

 


ヘッドは6個から16個へ、
フラットベッドUV IJPの高速機登場


 JFX600は2012年より販売している大判フラットベッドUVインクジェットプリンター「JFX500-2131」の後継機種だ。搭載ヘッド数を6個から16個へと、大幅に増やすことで高効率なプリントが可能になり、従来機種よりも最大速度で330%速くなっている。

 また、これまで大判フラットベッド機では、搭載インクの色は4色が多かったが、JFX600はCMYK、Lc、Lmの6色を搭載可能。インクのバリエーションが増えたことで、表現力も大きく向上している。ミマキエンジニアリング グローバルマーケティング部 リーダーの近藤大介氏は、JFX600について以下のように話す。

 『テーブルサイズは2,500mm×1,300mmで、看板製作によく利用される4×8版(1,220mm × 2,440mm)に対応。パッケージや建築資材などへの印刷にも使用できます。

 また、当社がこれまでに開発してきた、安定した印刷を可能にするための様々な技術を踏襲しています。例えば、自動でノズル抜けをチェック・復旧するノズルチェックユニットやノズルリカバリーシステムといった、プリンターのダウンタイムを軽減する機能なども継続して搭載しています。

 さらにJFX600は、外部からプリンターをコントロールできる「MDL(Mimaki Device Language)コマンド」に対応しており、お客様が求める自動化・省人化のニーズにもお応えします。コロナ禍で、イベントなどがギリギリまで開催するのかしないのかわからないという状況の中でも、生産性の高いJFX600であれば、短納期の仕事に対応できるので安心です。中量生産以上の案件にも十分対応できます』。

 JFX600を導入し、ワーク搬送などのプリント工程を無人化・省人化・自動化することで、前後工程も含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現にも貢献できるだろう。インクはLH-100、LUS-120、LUS-150の3種から用途に合わせて選択可能。プライマーやクリア、ホワイトインクにも対応し、様々な素材に印刷できるのも特長だ。

 加えて、厚み60mmまでの高さがある素材へダイレクトプリントが可能なほか、UVインクを何層にも重ねてプリントすることで表面に凹凸感を出す2.5Dプリントにも対応予定で、付加価値の高い印刷の提案も可能になる。近藤氏は『サイン関連ももちろんですが、建材など工業分野にもご提案していきたいと思っています』と語っている。JFX600の実機は、ミマキエンジニアリングの本社(長野県東御市)のほか、東京のデモセンターと大阪支店にも設置予定だ。

 

▲ 「JFX600-2513」の出力サンプル。

 

 


高画質と高生産性を両立する
フラットベッドUV IJPの新製品

 

 ミマキエンジニアリングでは、「UJF-7151 plusII」を小型フラットベッドプリンターのハイエンド機と位置付けている。外観は既存機種(UJF-7151 plus)の白ベースから黒ベースに変わったくらいで、大きな変化はない。しかし、中身は大幅に変更されているようだ。近藤氏は、以下のように語る。

 『これまで6個だったヘッドが8個に増えました。インクはライトシアンとライトマゼンタが搭載可能になり、6色になっています。また、新たにカラーグロス機能を開発、これによりクリアインクを使用しなくても光沢感を表現できます。CMYK・CMYKというように4色ダブルのインクセットも可能で、この場合、生産速度は約2倍(190%)になります。生産性を向上させたいお客様におすすめです。

 さらに画質向上を図るため、ドットの配置位置をコントロールする「MFD2(Mimaki Fine Diffusion 2)」処理に対応するとともに、解像度をこれまでの1,200dpiから1,800dpiに変更したことで、より粒状感や色ムラの少ない、高精細なクオリティーを実感できます。

 もうひとつ、「MFD2」処理に対応したことで、特に細い線の再現性が向上しています。線を出力する場合、線になる場所にインクの滴を落とすか落とさないかの判断をするのが、ハーフトーニング処理というものになるのですが、これまでは細い線になればなるほど、出力が難しい場合がありました。今回、これを追求し、より細い線も出力できるようにしました』。

 「UJF-7151 plusII」では、テーブルまわりの構造も大きく変更、耐荷重が10kgから30kgに増えている。これにより、金属製の治具を置いたり、重量のある素材に印刷したりすることが可能になった。これについて近藤氏は『これまで以上に着弾位置の精度が高くなり、より精度を求められる工業印刷に対応しました』と自信を示す。

 続けて近藤氏は、『スクリーン印刷やパッド印刷を行っている印刷会社様へのご提案として「UJF-7151 plusII」をご検討いただき、アナログからデジタルへ、DXを起こしてもらえればと思っています。また、既存機種を導入いただいているお客様の半分くらいは、ノベルティ製作に使用されていますので、そういったお客様にも導入いただければと考えています。そしてサイン製作会社様におかれましては、これまでインクジェットを使ってこられた経験を生かした、新たなビジネスをご検討されている企業様も多いかと思います。そういった中で、慣れ親しんだ当社製品であれば、スムーズに導入いただけるのではと思っています』と語る。

 

 

▲ ハイパフォーマンスフラットベッドUVインクジェットプリンター「UJF-7151 plusII」

 

 

 




パッド及びスクリーン印刷をデジタル化、
UVフラット機の工業用途拡大へ

 

 今回、サイン&ディスプレイ編集部が特に注目したのが、「UJF-7151 plusII」の新機能「カラーグロス」だ。カラーインクのみでグロス調に硬化し、従来のクリアインクでのグロス調とは違う風合いとディテールを実現できるというもの。UVプリントというと、マット調で、光が乱反射してしまうというイメージがあり、パッド印刷などを行う印刷会社からは、受け入れられないという声もあるかもしれない。しかし、この「カラーグロス」を使用することで、光沢感のあるプリントが可能になるので試してみてほしい。

 同機能が搭載されているのは、フラットベッドタイプのUVプリンターでは「UJF-7151 plusII」のみ(2021年9月30日現在)だという。

 ミマキエンジニアリングでは、同プリンターの発売とともに、パッド印刷やスクリーン印刷のデジタル化と、UVフラット機の工業用途の拡大を目指す。

 

 

【問い合わせ】
(株)ミマキエンジニアリング
長野県東御市滋野乙2182番地3
Tel.0268-64-2281(代) Fax.0268-64-2285
https://japan.mimaki.com

 

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