イベント需要が回復傾向にあり、
レンタル事業者も新規投資開始へ。
▲ 東京・池袋にあるレイヤードジャパンのショールームではレンタル用の透過型LEDも展示する。
▲ エルテックがレイヤード社製のLEDを使って試作した、屋外ビジョン用などの錯視(立体視)LED。
今年度はレンタル業界用の大型LEDの需要が高まる
大型LEDディスプレイの国内の市場はコロナ禍で縮小傾向だったが、コロナ禍が一服するにつれ、国内市場が再び拡大している。『国内ではイベント需要が回復傾向にあり、大型LEDディスプレイのレンタル事業者も新規投資を開始しつつあります』と話すのは、レイヤードジャパン(株)代表取締役の三浦 衛氏だ。今年の6月以降は、海外からの旅行客や有名アーティストなどの来日が期待されている。
『当社の有力顧客で、安室 奈美恵さんなどのライブツアーの大型映像演出を行ったことでも知られる業界大手のエルテック(株)も新規に当社製の大型LEDディスプレイを導入し、夏以降本格化が期待される大物アーティストのツアーで利用する計画です。そのほかにも多くのレンタル会社から受注や引き合いがあり、今年度はレンタル業界用大型LEDの需要が高まると思います。2020年春以降、コロナ禍で2年以上この業界での新規受注はほとんどなかっただけに、イベントの復活は当社にとっても追い風となっています』と三浦氏は話す。
中国のレイヤード社ではマイクロLEDを使った超高精細LEDの開発に注力している。現在は0.4mmピッチの製品を開発しており、今年中には市場投入の予定だ。来年には0.3mmピッチの製品の開発も視野に入っている。『これが実現すれば、画面の精細度においても液晶にかなり近づくものと期待しています。高精細化の技術を高めることにより、0.6mmや0.7mmなどすでに実用化されている製品のレベルも高まることが期待されます。企業の役員会議室や官公庁などの監視制御システムとしても需要が高まっています』と三浦氏はいう。
▲ 岩間氏とレイヤードジャパンショールームの大型LED。
今後も積極的に市場の拡大を目指す
北京五輪・パラリンピックでは、開会式・閉会式中心にレイヤード社製の大型LEDディスプレイが大活躍した。レイヤードジャパンでマーケティングを担当する岩間実結氏は以下のように語る。
『中国を代表する映像監督の張 芸謀(Zhang Yimou)氏が担当した演出に、今までにない壮大な映像演出とデジタル技術の創造性を示し、当社製の大型LEDが世界中の観客と選手を魅了しました。
フロア演出には、約11,500㎡ものLEDフロアディスプレイが使用され、14,880×7,248ピクセルの世界最大3次元LEDステージを8Kの4倍に近い解像度で実現。観客は肉眼で3D効果を体感することができました。会場の床面は全面LEDで、その他に高さ60mの氷瀑を模したLED、アイスキューブ型、スタンド両端のメインスクリーンを構築しました。
レイヤード社では、五輪などの会場で使用されたLEDディスプレイの約70%を提供しました。その他、会場の放送システム全体の設計、構築、運用を担当し、ソフトウェアの面からも世界最大のLEDパフォーマンスをリードしました』。
以上のように、北京五輪などでレイヤード社製の大型LEDが活躍したこともあり、国内での新規受注も増えている。『沖縄の那覇市のバスターミナル、ららぽーと福岡、小倉の老舗デパートの井筒屋などでも当社製LEDが採用されています。また、国内のXRスタジオの一部でも当社製LEDが利用されています。今後も積極的に市場の拡大を目指します』と三浦氏は意気込んだ。
【問い合わせ】
レイヤードジャパン(株)
東京都豊島区西池袋5-17-12 創業新幹線ビル6F
Tel.03-6915-2768
http://leyard.jp
▲ 北京五輪・パラリンピックではレイヤード社製の大型LEDが大活躍した。(写真提供:レイヤードジャパン)