S&Dセレクション

〈2025.1.9〉LED TOKYO 10年間の軌跡

導入面積シェア2年連続1位、
現状に満足せず、圧倒的No.1を目指す。

LEDビジョンの販売とレンタルを中心に、LED空間からなる総合撮影スタジオ「アソビル ASOBUILD」の運営、さらに映像制作まで手がけるLED TOKYO(株)。創業当時3人だった従業員数は今では90人、2025年には100人を超える見込みだ。今回は、常設案件担当の取締役 メディア事業本部長の佐藤 潤氏と、レンタル案件担当の取締役 営業本部長の有馬 学氏、そして代表取締役CEOの鈴木直樹氏に話を伺った。

▲ 「持続可能な新しい価値」を生み出し、次世代につなげる都市像を示すための東京都の取り組み「Sustainable High City Tech Tokyo=SusHi Tech Tokyo」を推進するイノベーションイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」。LED TOKYOは“2050年の東京”を体感可能な「ショーケースプログラム」で使用するすべてのLEDビジョンを提供した。



無料保証期間を3年に、付加価値で販売し続ける

 

 2024年11月に11期目を迎えたLED TOKYO。同社は(株)富士キメラ総研による2023年における「デジタルサイネージ市場調査2024」内で、常設サイネージ市場で導入面積シェア1位、販売額シェア3位を獲得。導入面積シェアは2022年度でも1位を獲得しており、2年連続での1位となった。

 LED TOKYOのLEDビジョンが選ばれる理由は決して“安さ”だけではない。製品の性能はさることながら、サービスが充実していることが最大の理由だろう。
 製品の価格はピクセル数だけで決まるものではないが、利用者が気にすることはやはり、LEDビジョンの鮮明さだ。高精細な製品になれば、当然価格も上がる。しかし、LED TOKYOでは品質保証やサポート体制、さらに映像制作も行っており、丸ごと依頼することができるため、顧客の負担が減り、またトータルコストも削減できる。

 昨今ではLEDビジョン事業に参入する企業も増え、価格競争がより一層激しくなっている。常設案件担当の佐藤氏は、これを一つの課題と捉えており、『販売とレンタルのどちらの部門でも価格競争が激しくなっています。できるだけ、お客様のご要望に合わせた価格でとは思っていますが、LEDビジョン単体の価格だけで“安さ”を決めてほしくない。特に常設の場合、LEDビジョンは長期間設置するものですから、メンテナンスはどうしても必要になってくる。そうなった時に、どちらが“安い”のか。そういうところをしっかりと伝えていくことが重要だと考えています』と語る。

 LED TOKYOは、これまでLEDビジョンの保証期間を1年としていたが、昨年から3年とした。5年や10年保証の要望があれば、それにも有償で対応している。また、他社の保証サービスを受けていても、その会社と連絡が取れなくなってしまったり、修理ができないというケースも多いようで、そういった場合にも製品を確認し可能な限り対応するという。このような姿勢が、同社への信用に繋がっているのかもしれない。佐藤氏はLEDビジョンの販売について、今後の展開を次のように語る。

 『弊社で取り扱っている製品は、決して安いものではありません。高い商品を買っていただくということを念頭に置き、営業方法やお客様への対応などでもっとこうしたら良いなと思うところがまだまだありますので、そういった部分を社員に定着させたいと考えています』。



▲ 2024年6月に千葉県・幕張メッセで開催された「デジタルサイネージ ジャパン2024」のLED TOKYOブース。通常のLEDビジョンのほかに、「透過型LEDビジョン」やモジュールが飛び出る「Waveビジョン」なども展示。同展で最も優れたブース演出に贈られる「Booth Award 2024 グランプリ」を受賞している。



営業も施工も行うレンタル部門の担当者たち

 

 LED TOKYOは、2018年にBUMP OF CHICKENの楽曲「シリウス」のミュージックビデオ(MV)で「床用LEDビジョン」を、2019年には欅坂46の楽曲「Nobody」のMVで「大型LEDビジョン」を納入したことがきっかけで注目されるようになり、レンタル事業も拡大していった。

 同社のレンタル部門は約20名で構成されており、基本的には全員が営業をしながら施工を行う。そうすることで、必要なことはその場で確認し、すぐに見積書を作成したり、作業に取り掛かることができるため、迅速な導入に繋がるのだという。レンタル案件担当の有馬氏はレンタル事業の最近の傾向について、次のように話してくれた。

 『昔は、こちらが頭を下げて案件を進めることが多かったのですが、最近はお客様からこういうことをやりたいと相談してくださることも増え、対等な関係になれてきたのかなと感じます』。



▲ 渋谷桜丘エリアにある複合施設「Shibuya Sakura Stage」の4階にあるイベントスペースに設置されたLEDビジョン。サイズはW11,520mm×H2,400mm、フレキシブル型で湾曲している。写真には映っていないが、65インチの液晶ディスプレイも16台設置されている。



企業成長に重要なのは人の繋がり

 

 BUMP OF CHICKENの「シリウス」にLEDビジョンを納入する前までは、なかなか事業が軌道に乗らず、会社を設立したばかりの頃は、六本木や歌舞伎町のキャバクラやホストクラブなどを中心に営業をしていたという。
 LED TOKYOが飛躍したきっかけはMVだが、ここまで成長できたのは“人との繋がり”が重要だと代表取締役CEOの鈴木氏は話す。

 同社の今年一番のトピックと言えば、「持続可能な新しい価値」を生み出し、次世代につなげる都市像を示すための東京都の取り組み「Sustainable High City Tech Tokyo=SusHi Tech Tokyo」を推進するイノベーションイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」に、LEDビジョンを提供したことだろう。このイベントも人との繋がりから始まったという。鈴木氏は『「SusHi Tech Tokyo 2024」は私のゴルフ友達から声をかけられたことをきっかけに始まりました。最初は半信半疑だったのですが、どんどん話が進んでいき、とても驚きました』と語る。

 さらに、LED TOKYOの今後については『LEDビジョンだけでなく、音響や照明も取り扱い、自分たちで舞台を組めるようになりたいです。例えばライブでは、アーティストやファンが、どういう気持ちで挑むのか、何を正解としているのか、そういうところから考えて、私たちが機材屋としてその正解を実現したいと思っています。現在、当社のLEDビジョン供給量は、「2年連続1位」となっていますが、ただのNo.1ではなく、圧倒的No.1を目指していますよ』と自信を示す。



【問い合わせ】
LED TOKYO(株)
東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル13階
Tel.03-6804-5393 E-mail:sales@led-tokyo.co.jp
https://led.led-tokyo.co.jp

 

 

 

 

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