会社の設立から広がる
5つの事業とそのポリシー。
2023年6月に実施された「デジタルサイネージ ジャパン2023(以下、DSJ2023)」。数々の華やかな展示が会場を賑わせるなか、一段と精巧な映像とスタイリッシュなディスプレイ、裸眼でかなう3D映像で周囲を湧かせる企業があった。(株)イノベーターワンだ。商品そのものに限らず、ブース全体のデザインにもこだわりを敷き詰めた結果、“デジタルサイネージのPRを、より効果的な演出、ブース構造で実施している”という点で「DSJ 2023 Booth Award」グランプリに輝いた。躍進を一手に支える同社代表の久保島 力氏に話を伺った。
「DSJ 2023 Booth Award」グランプリを授賞したイノベーターワンのブースと、喜びの表情を見せる久保島氏(右)。
「DSJ 2023」のイノベーターワンブースでは、裸眼3Dディスプレイや超高精細LEDビジョンなどが披露された。
イノベーターワンの5つの事業
2021年に設立されたイノベーターワンは、東京都港区に本社を構え、下記の5事業を基幹としている。
①LEDビジョン事業
②インタラクティブスマートボード事業
③3Dメタバース事業
④テレビ事業
⑤配信運営事業
広域に渡る事業ながら、各々の企画・開発・デザインは日本国内に集中させ、組み立て生産は世界最大手パネルメーカー「BOEテクノロジーグループ」などパートナー企業に委託。ハード・ソフトともに高品質を保ちながら、価格優位性を保ったプロダクトを生み出している。さらに2023年8月には、港区港南にショールームを新設オープン。広々とした空間に自社製品を多数展示し、同社の持つ高い技術力を直に感じられる空間となっている。
日本の独占販売総代理契約を
取り付けた意義
先述の5事業から、まず紹介したいと久保島氏が話したのは、LEDビジョン事業だ。同社は世界LCD最大手のBOEグループとMLED製品の日本独占販売総代理契約を締結。両社の戦略的パートナーシップで、開発、生産、販売、及びアフターサービスに取り組んでいる。目指すはMLEDの世界トップシェアだ。
世の中を見渡してみると、サイネージやxR/VPスタジオ(CAVE、ライブ、シネマ)などの分野が活発化している。そのような状況のなか、同社は企画・デザインからLEDの選定及び生産、映像システム提案に映像制作、そして設置・運営までを一気通貫で行える。久保島氏は『顧客の様々な要望に柔軟かつ迅速な対応が可能だ。なおかつ最高の品質、コストパフォーマンスを、安心安全に届けられる』と強調した。自社で全てを完結させられる事業体制は、同社の大きな強みとなっている。
双方向が叶う
インタラクティブスマートボード
もう一つの目玉として久保島氏が挙げたのは、インタラクティブスマートボードである。昨今、企業や教育の現場に取り入れられてきた電子黒板だが『活用は思うように進まず、市場自体が厳しくなっている』と久保島氏。ただ、マーケットを攻略するのが難しいからというだけでは、参入を諦める理由にはならない。『原因を取り除けばいいだけ』と、ハイエンドなインタラクティブボードを企画開発。従来の所謂“インタラクティブホワイトボード”よりも多機能かつユーザビリティに長けた“インタラクティブスマートボード”を商品化した。
ハード面ではAmlogic(米国)社高性能SoC、2.2GHz ARM Cortex-A73と2.0GHz Cortex-A53 CPUと高性能Mali G52*8 GPU、ROM 64G RAM 8G を搭載、高精細でスピーディーな操作性を重視した。これにより最大20人が同時に書き込める環境を担保し、何より“双方向”でのやり取りがスムーズに行える。また従来品と同様に、記述内容を手元のデバイスに取り込むことはもちろん、逆に手元の画面をスマートボードに投影する機能も備えた。スマートボード上に映し出された二次元コードをスマートフォンで読み取れば、手元には投票ボタンが現れ、全員の投票結果はスマートボードに表示される。『スマートボードそのものを使うだけでなく、手元で書いたものをUPしたり、逆に掲出されたものを二次元コード一つで持ち帰ったりと、私たちの商品はスマートボードを通じて“会話ができる”』と久保島氏は優位性を強調した。
2023年8月にオープンしたショールーム。広々とした空間には、超高精細LEDビジョンや裸眼3Dディスプレイ、インタラクティブスマートボードなど自社製品を多数展示しており、イノベーターワンの持つ高い技術力を直に感じられる空間となっている。
イノベーターワンの
躍進に秘められた信念
前述の通り、イノベーターワンはこれ以外にも広告配信、3Dメタバース、ソリューション企画の事業を持つ。事業を立ち上げる過程では、4K顔追跡AIカメラやスクリーンキャスティング機能を備えた無指向性スピーカーフォンなど、自社商品も多く開発した。さらに情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001:2013 & JIS Q 27001:2014」の認証を取得。加えてグーグル社から自社ブランドのミラメージュはAndroid TVの認証及び、11インチ裸眼3DタブレットもGoogle GMS(Google Mobile Service)認証を取得した。同社製品ブランドの「ミラメージュ」という言葉は、日本語の「未来」、英語の「miracle」、英語の「image」を組み合わせた造語である。『未来にミラクルなイメージをつくりだす』という久保島氏の言葉通り、同社の製品は少し先の未来を巧みに表現している。
こうして技術的な優位性を持つだけでなく、ミラメージュのブランディングに象徴されるような“見せ方”にも労を惜しまないイノベーターワン。先日の「DSJ 2023」での受賞も、こうした気配りゆえの功績だろう。『よく“どうやったらここまでのことができるの?”と聞かれる』と、久保島氏は笑って話した。そして『どうやってつくるかがわかる人は他にもいる。でも“何をつくる?” “何をやったら面白い?”ということとなると、わからない人が多い。私は何をつくればよいかがわかるし、それを表に出すことで“面白いことを言っている”と人が集まってくる』と続けた。ただ、そこへ語気を強めてこうも加えたのだ。
『頑張っているだけでは上にいけない。どこが他の人や企業と違うかと言えば、点一つ、線一本にとことんこだわっている』。
自慢の「ミラメージュ」製品を片手に話す久保島氏。彼の話はまだまだ尽きない。
【問い合わせ】
(株)イノベーターワン
東京都港区港南1-6-34 品川イースト1階
Tel.03-6712-8805(代表)
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