未来の技術を見通して、これからの8Kのかたちを披露。
ハードの開発・製造からクラウド配信システムの構築、
コンテンツ配信まで一気通貫で行う
超高精細な大画面映像や8K映像のリアルタイム配信など、毎年DSJで驚きの演出を披露しているBOEジャパン(株)。同社が紹介する今回の注目製品は、世界最大110インチで120Hzの8K液晶ディスプレイだ。今年のDSJでは、この超大型8K液晶ディスプレイと75インチの8K液晶ディスプレイをはじめ、75インチおよび65インチの4K液晶ディスプレイ4面によるマルチディスプレイ(8K)や、横長タイプの液晶ディスプレイ(88インチ、28インチ)、スクエアモニター(33インチ、22インチ)といった新製品、さらにIoT映像情報配信システム「Viewtopia(ビュートピア)」などを展示し、ブース全体で高精細映像による演出を展開する予定だった。
同社代表取締役社長の久保島 力氏は『延期になってしまいましたが、今年はオリンピックの開催を控えていたので、オリンピックを想定した製品の展示を考えていました。ひとつは110インチの8K対応超大型ディスプレイです。既存の同タイプの製品は、これまでは非常に高額でなかなか手が出せなかったと思うのですが、今回弊社がご紹介する製品は低コストで導入できます。パブリックビューイングが実施されるカフェやバーなどで気軽に導入できるくらいの価格を実現しています。DSJでは、未来の8Kのかたちをご紹介するとともに、8Kのライブ中継を複数台の大型ディスイプレイを使って実施、同時に会場以外の場所にも映像を転送するといったことも予定していました』と語る。
BOEジャパンは、ハードの開発・製造からクラウド配信システムの構築、コンテンツの配信まで一気通貫で行っている。これにより低コストの実現やユーザーへの迅速な対応が可能となるなど、同社の大きな強みとなっている。現在も日本国内において多くの場所への納入が進んでいるという。
久保島氏は『弊社では先の技術を見通し、今世の中にある製品にプラスαした製品の開発に取り組んでいます。高精細な8K映像はもちろん、コンテンツを転送できるシステムなども搭載された、オールインワンのディスプレイをぜひ見ていただきたいです。また、ただ見るだけのディスプレイではなく、スマートフォン(以下、スマホ)で撮った写真を簡単に映すことができたり、例えばペットボトルのお茶を近づけることで、そのお茶の詳細な情報が映し出されるなど、付加価値のある製品を提供します。さらに一般的な16:9の画面だけではなく、異形状なものを構築し、迫力ある映像演出を提供したいです。今後もこれまで以上に注目してもらえるようなサイネージを披露していきます』と自信を示す。
BOEジャパンが発表した110インチの8K液晶ディスプレイは120Hzに対応しており、スポーツ中継など素早い人の動きもクリアで滑らかに表示できる。また、HDMI2.1規格に対応し、端子1本で8K映像を表示可能な未来を見据えた仕様になっているのもポイントだろう。
▲ 75型8K液晶ディスプレイ
▲ 43型液晶ディスプレイ
▲ Instagramなど正方形のコンテンツを表示したり、複数枚を並べてアイキャッチ効果の高い演出が可能なスクエアモニター。33型と22型をラインアップする。
4面(8K)での使用を想定し開発された
75インチ4K液晶ディスプレイ
110インチ8K液晶ディスプレイ以外にもまだまだ注目すべき新製品はある。BOEジャパン営業部課長の川島正徳氏は以下のように語っている。
『まず75インチの4Kディスプレイ(輝度500cd/㎡)ですが、4面マルチディスプレイ(8K)として使用することを想定し開発した製品で、150インチ相当の8Kディスプレイとなっています。モニターとモニターの間のベゼル幅は3.5mm(ディスプレイ1つあたり1.75mm)で、通常の液晶ディスプレイと違い、パネル同士が繋がる部分のベゼルのみが1.75mmと細くなっていて、マルチディスプレイにしたときの外枠部分は少し幅を広くしています。これは8Kの映像演出として使用してもらうことを想定しているからです』。また、同営業部の林 圭助氏は『75インチで4K解像度の製品は、他にはないと思います。既存の金具もないので、我々が独自で選定し、モニターや金具、配信システムまでトータルで提案しています』と話す。
さらに川島氏は以下のように説明する。
『65インチの4K液晶ディスプレイ(輝度500cd/㎡)は、4面に限らず、複数の面数でご使用いただくものですが、4面で130インチ相当の8Kディスプレイとなります。65インチの4K液晶ディスプレイも他社にはないと思います。このほか55インチの4K液晶ディスプレイもあり、これは500cd/㎡(標準タイプ)と800cd/㎡(高輝度タイプ)の2タイプをラインアップしています。
また、横長のバーディスプレイもあるのですが、これは88インチ(98インチの半分くらいのサイズ)と、28インチ(32インチの半分くらいのサイズ)をラインアップ。店舗の売り場や商品棚の上などに適した製品となっています。
あとは正方形のスクエアモニターも33インチと22インチをラインアップしています。スクエアモニターはInstagramなど正方形のコンテンツを表示したり、複数枚を並べてアイキャッチとしてもご活用いただけます。主に店舗の販促用途での使用を想定しており、ディスプレイ単体のものと、Androidを搭載したものがあります。
さらに商品棚に特化したサイネージとして、細長い液晶ディスプレイがありまして、これが23.1インチで新製品です』。
▲ 65型4K液晶ディスプレイ4面による8Kマルチディスプレイ(130インチ相当)。
常に進化しているシステムで
より快適なサイネージソリューションを提供
“View(見る)”ことを“Utopia(理想郷)”的なかたちでオリジナルの世界を創り出せるというコンセプトのもと開発された「Viewtopia」。昨年のDSJでBOEジャパンは、その先進性と魅力を伝えるべく、50台の「Viewtopia」をツリー状に設置し、ダイナミックで超高精細な映像(8K)展示を行った。今年のDSJでは昨年以上の展開が予定されていたので、見られなかったのが非常に残念だ。
Viewtopiaは、ノングレア液晶ディスプレイ(32型、縦・横両用)を木枠に収めた一体型のものと、その機能のみを取り出した4Kセットトップボックス(STB)があり、このSTBを使用することで、すでに持っている液晶ディスプレイなどでも同じように高精細コンテンツを楽しむことができる。オプションでミラータイプやタッチパネルタイプにすることも可能。また、外部入力が電源ケーブル1本のみなのもViewtopiaの特長だ。
なお、Viewtopiaで流す映像は、すべてクラウドから配信されるものだ。ホームページと携帯アプリから操作でき、トータルソリューションとして顧客へ提案できる。例えば、スマホで撮った写真や動画を世界中のどこからでもアップロードでき、それを友達同士で共有、メッセージをSNSのように楽しむことも可能。さらに様々なアプリケーションと連携できるので、用途は幅広い。
▲ IoT映像情報配信システム「Viewtopia」。昨年のDSJでは、50台の「Viewtopia」をツリー状に設置し、ダイナミックで超高精細な映像展示(下)が行われた。
川島氏は『弊社はViewtopiaを軸に事業展開しています。今年のDSJでは顔認識システムを組み合わせ、年齢・性別に合わせてコンテンツが切り替わるViewtopiaも紹介する予定でした』と話す。また林氏は『Viewtopiaは高級ショップやラウンジ、オフィスから個人のお客様まで幅広い分野で採用いただいています。弊社の事業はクラウドシステムが根幹となっているのですが、そのシステムは常に進化しています。ですので、今のシステムは昨年のシステムと比べ、仕様や操作性が改善されています。お客様には、よりスムーズに、より快適に、より新しい機能を楽しんでいただけると思います』と説明する。
BOEジャパンの製品は、東京・品川の同社ショールームで確認することができる。気になるという方は下記ホームページから予約を。
【問い合わせ】
BOEジャパン(株)
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー4階
Tel.03-6712-3960
https://boe.co.jp