S&Dセレクション

〈2021.10.27〉株式会社ベレイマージのショールームがリニューアル

着想を得るための場所として活用できる
ベレイマージの体験型ショールーム。

 

屋内外の案内サインや横断幕、大型ビルボードの画像出力をはじめ、ダイレクト印刷やデジタルカット加工の技術を用いた立体製作などを行う(株)ベレイマージ。2021年9月、同社のショールームがリニューアルオープンし、観るだけでなく、体験できる場所として公開された。



▲ 「ピアノのあるカウンターバー」をイメージした空間。窓の向こうに見える花火(のグラフィック)が大人な雰囲気を演出する。

 

 

3つのテーマで展開する新たなショールーム

 

 ベレイマージのショールームは昨年9月より運営が開始されているが、一周年を機にリニューアルを実施。これまで商品の陳列にとどまっていたものが今回、紙製什器を活用し、ショールームへの来場者が製作イメージ(店舗装飾、商品陳列棚、ブース装飾など)を膨らませられるような空間へと変更された。

 新たなショールームは、「ピアノのあるカウンターバー」「アパレルショップ」「避難所ブース」という3つのテーマで展開されている。同社の代表取締役社長である町屋 佐知子氏は『一つ目の「ピアノのあるカウンターバー」は、雰囲気の良い大人な空間を演出するイメージで製作しました。壁には花火のグラフィックを施しており、カウンターバーから窓越しに花火を観ているような気持ちにさせてくれます。飲食店はもちろんですが、住宅展示場やマンションのオープンハウスでの空間演出として提案していきたいと思っています』と語る。


▲ ピアノは紙100%のボード素材「Re-board®」で製作。そのクオリティの高さには驚かされた。

 

 

 ベレイマージは、インクジェットによる高精細出力や色の再現性において、業界内でも評価が高い。経験に裏打ちされた技術・ノウハウを有したデータオペレーターが、独自の色に対する高い感度・センスにより、モニターと出力画像の色の違い、出力機による性格の違い、出力機とメディアの相性などを捉え、色の管理・再現を可能にしているという。ショールームでは、そんな同社のグラフィック演出にも注目してほしい。

 また、「ピアノのあるカウンターバー」なので、当然ピアノが置かれているのだが、このピアノは紙100%のボード資材「Re-board®(リボード)」で製作されている。ショールームのエントランスを入ると、すぐにそのピアノが見えるのだが、非常にクオリティが高く、筆者も最初は本物のピアノだと思っていた。

 「ピアノのあるカウンターバー」エリアを抜けると、その奥に「アパレルショップ」のブースが現れる。実際にここに展示されている、ベレイマージ製作によるアパレル用陳列棚は、某アパレルチェーンでも数多く採用されており、実績としては十分だろう。町屋氏も『アパレルショップの陳列棚は、いろいろな形のものがあります。当社は、紙製什器による様々な陳列棚を製作できますので、お客様のご要望にお応えすることができると思います』と自信を示している。


▲ 「アパレルショップ」をイメージしたブース。紙製什器で製作された陳列棚は、組み立て・解体が容易に行え、貼って剥がせるシートを使うことで、装飾のグラフィックも簡単に変更できる。取材時には数分で左下の写真から右上の写真へ模様替え。

 

 


モノをつくる”のではなく、
“空間をつくる”ことに注力した

 

 「アパレルショップ」エリアのさらに奥には、「避難所ブース」がある。ここでは、紙製什器が実用性に優れていることを改めて確認することができるだろう。

 軽量で持ち運びが便利、組立・解体も容易で再利用可能というのが、紙製什器の特長だ。木工の場合、使い終わったら廃棄することも多いので、環境面でも紙製什器の使用をお勧めしたい。町屋氏は『紙製什器を使用することで、避難所の方に“安全と安心”も提供することができます。東日本大震災の頃からこういった即席のブースに注目が集まっていますが、コロナ禍においては、空港での退避場所としてもまた注目されています。他にも、オフィスなどでの備蓄、リモート会議や打ち合わせスペースとして機能します』と話している。

 

▲ 紙製資材の「ハニカムボード」で製作された「避難所ブース」。組み替えも簡単に行えるので、自由な形でブースを構成できる。

 


 ベレイマージは、ショールームをリニューアルするにあたり、“モノをつくる”のではなく、 “空間をつくる”こと、“空間演出の視点でつくり上げる”ことに注力したという。実際にショールームに足を踏み入れてみると、各エリア(空間)に没入することができるので、来場者は自身のやりたいことがきっと明確になるだろう。

 町屋氏は『今後はクリスマスに向けた空間づくりを考えています。また、子供向けのアイテムが作れないかなと思っています。これまでもお子様用として、車の玩具や野菜の絵が描かれた椅子を作っていたのですが、空間として子供が楽しめる場所というものにはまだチャレンジしていませんでした。次はそういった空間づくりを実現させたいです』と語ってくれた。考えに行き詰まったときや新たなプランを検討したいとき、ベレイマージの新生ショールームを、着想を得るための場所として活用してみてはいかがだろうか。

 なお、ショールームは事前予約制なので、まずは下記まで連絡を。

 


【問い合わせ】
(株)ベレイマージ
神奈川県綾瀬市大上1-27-14
Tel.0467-79-7488 Fax.0467-79-9155
http://blimg.co.jp/

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