デジタルサイネージ トレンド

〈2020.10.8〉ビズライト・テクノロジー、電車内サイネージでインプレッションベース広告媒体の販売開始、オンライン説明会開催

ステイホーム時代のアウトオブホームメディアの媒体指標を再定義

 (株)ビズライト・テクノロジー(本社:東京都)は、埼玉高速鉄道(東京メトロ南北線、東急目黒線直通)の電車内デジタルサイネージ媒体「ダイナミックビークルスクリーン」において、インプレッションベース課金型広告の媒体開発を進めている。

 

 9月19日から9日間掲出された音楽エンタテインメント企業(株)スペースシャワーネットワークが手がけるオンライン・ライブハウス「LIVEWIRE」の広告事例では、(株)LIVE BOARDの協力のもとにインプレッションの計測を行い、期間中の総インプレッション数は105万だった。

 

 インプレッションベース広告は、掲出期間保証型とインプレッション数保証型で行う。インプレッションはディスプレイ横に設置された240台のカメラがリアルタイムでセンシングし、エッジAIによるアナライズ結果を集計している。サイネージCMSとの連携により広告素材ごとにインプレッション解析ができるので、ABテストを行い効果的なクリエイティブに反映させることが可能だ。また年代や性別などの属性情報と組み合わせて、詳細な解析ができる(※1)。

 

 

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▲ 掲出の様子。

 

 

LL_img_229685_2▲ 時系列のインプレッション数。

 

 

 デジタルサイネージにおけるインプレッションのあり方は、現在デジタルサイネージの業界団体である(一社)デジタルサイネージコンソーシアムの「OOHオーディエンス・メジャメント標準化検討ワーキンググループ」において、海外の同様例を参考にしながら、来春の公開に向けてガイドラインの策定を進めている。

 

 公共交通機関の乗降客数は大きく減少しており、ステイホームにおけるアウトオブホームメディアとしてのデジタルサイネージは、いま大きな矛盾を抱えている。

 

 インターネット広告では標準的な指標であるインプレッションなどのアクチャルデータが、新型コロナウイルス感染拡大以降、デジタルサイネージでも広告主から強く求められるようになったが、インプレッション単位の課金モデルだけではなく、従来型のロール枠売りでの掲出においても、視聴実績データとしてレポーティングが可能だ。すでに稼働中の電車内デジタルサイネージに、システム的にも物理的にも独立して後付けできる、エッジAIカメラ&インプレッション集計ソフトウエア「OOH メジャメントBOX(仮)」の開発も進めている。

 

 ビズライト・テクノロジーは、今後複数のSSPと接続して、他媒体も含めたメディアプランニングと、プログラマティックに売買できるような仕組みづくりを各社と進めることで、DOOH(※2)の新たなメディア価値の提供と開発を行っていくという。

 

(※1)車両内のローカルセンシングにおいては、録画は一切行っておらず、取得したデータの処理はデバイス内で完結し、匿名化された情報のみをサーバへ送信している。また、乗客や生活者のプライバシーに十分配慮しながら利便性を高めるために、(一社)デジタルサイネージコンソーシアムが策定した、「センシングサイネージガイドライン」、およびIoT推進コンソーシアム、総務省、経済産業省による「カメラ画像利活用ガイドブックVer.2.0」に準拠した運用を行っている。

(※2)DOOHはDigital Out of Home Mediaの略称で、家以外の場所でのデジタルメディア。デジタル化されていない看板やポスターはOOH。

 

オンライン説明会

■ 日時

〈第1回〉2020年10月14日 17時00分から30分間

〈第2回〉2020年10月16日 15時00分から30分間

■ 対象

交通・屋外広告、マーケティング、デジタルサイネージ業界関係者、プレスなど

■ 形式

Zoomウエビナー

https://us02web.zoom.us/j/84129154502

※ 事前申込み不要。各回とも参加キャパシティは100名。

 

 

ダイナミックビークルスクリーンについて

 「ダイナミックビークルスクリーン」は、ビズライト・テクノロジーが提供するモビリティービークル向けのデジタルサイネージソリューション。AIカメラとIoT機器を搭載することで、ディスプレイのインプレッションや、ビークル内の混雑状況、温度・湿度、年代や性別など様々な情報を収集する機能を有している。こうしたセンシングデータをエッジAIでアナライズし、インプレッション型広告やリアルタイムの環境変化に合わせた配信が可能だ。

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