(株)ツェッペリン(東京都渋谷区、以下ZEPPELIN)は、(株)電通デジタル(東京都港区)、KDDI(株)(東京都千代田区)と業務提携。ZEPPELINが開発したARプラットフォーム「ARaddin(アラジン)」の提供を開始した。
日本のマスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の広告費は、2000年をピークに右肩下がりを続けている。一方デジタル広告が伸びを見せているものの、過度な訴求や複数バナー表示によって不快感を抱くユーザーも増加しているのが現状だという。こうした中、ZEPPELINは「ユーザー自身が積極的に見たくなる広告」をコンセプトに、「ARaddin」を独自開発した。
ARプラットフォーム「ARaddin」は、AR技術を用いて事前に登録したビルをスマホのカメラで覗くとAIが認識し、建造物の壁面などにARの動画広告(人物、キャラクターなど)がビルから飛び出すという仕組みだ。これにより、単なる広告ではない「体験型エンターテインメント」として、商品やサービスをユーザーに訴求することが可能となる。また、AR技術によってユーザーにパーソナライズされたコンテンツを提供できるため、エンゲージメントをより高める効果が期待できる。
また、ZEPPELINはKDDIとの業務提携により、KDDIが戦略パートナーシップを結ぶ米国企業SturfeeのVisual Positioning Service(以下VPS)技術を「ARaddin」に搭載する。
VPSとは、スマートフォン・スマートグラス(眼鏡型デバイス)に搭載されたカメラ越しの画像と3Dマップを照合し、位置情報や方位までも特定する技術だ。「ARaddin」ではVPSの搭載によってビルの場所や形を捕捉し、広告を出すことが可能だという。
▲ 「ARaddin」の利用シーン一例1
▲ 「ARaddin」の利用シーン一例 2
さらに、広告費の一部をビル所有者が受け取れる仕組みになっている。この仕組みを機能させるために、広告主とビル所有者をマッチングさせるためのプラットフォームサービスや、ビルの「所有比率」に準じて広告費を分配するサービスなども提供する。
ZEPPELIN代表取締役社長の鳥越康平氏は、『まずは「ARaddin」によって、東京を世界でも類を見ないユニークな街にしたい。その後、地方自治体へ展開していき、訪日外国人が改めて日本の感性に驚くための新しいきっかけを生み出したい』と語っている。