S&Dセレクション

〈2023.10.11〉「UCJV330シリーズ」「UJV100-160Plus」

“UVはMimaki” 
サイングラフィックス市場に向けて
新製品2機種発売。

(株)ミマキエンジニアリング(以下、ミマキ)は、サイングラフィックプリント用途に向けて、生産性と画質を従来機より大幅に向上させた多用途のUV-LED方式Roll to Rollインクジェットプリンター「UCJV330シリーズ(UCJV330-130/160)」と、“低消費電力”“3つの機能をプラス”で更なる進化を遂げたエントリーモデルのUV硬化型インクジェットプリンター「UJV100-160Plus」を発表。いずれも2023年10月下旬より全世界で販売開始する。

 

 

生産性と画質が従来機から大幅に向上

 

 ミマキは2004年に世界初となる白インク搭載UVインクジェットプリンターを発売以来、UVプリント技術を追求し、より高品質・多用性をユーザーに届けるために製品づくりを続けている。
 今回、ミマキのフラッグシップモデル「330シリーズ」の高生産性と高品質に同社のUVプリント技術を融合させ、生産性と画質が従来機から大幅に向上した「UCJV330シリーズ」を完成させた。


付加価値の高いプリント成果物を製作可能

 

 サイングラフィックス市場では屋外広告看板や車両グラフィックに、ポリ塩化ビニル(以下、塩ビ)製のシートにインクジェットプリンターで印字された媒体が多く使用されている。しかし近年、地域の景観条例により屋外広告の掲示が制限されたり、環境問題への対応から塩ビシートの利用が制限され始めている。今後、広告看板は掲示場所の変更(屋内の壁・窓及び床)への対応が必要となったり、塩ビシート以外の媒体への切り替えが必要になると見込まれる。
 新製品の「UCJV330シリーズ」は基本カラーインク(CMYK、Lc、Lm)に加え、白インクとクリアインクを標準搭載しており、一般的な屋外広告に使用される白いシートのみでなく、乳白(半透明)・透明・下地色付きのシートに様々な表現でプリントできる。2.5Dプリント(デザインに凹凸を追加することでリアルな質感を表現する)と透かしプリント(後方から光を当てることで2次画像のシルエットが浮かび上がる)機能も追加されており、付加価値の高いプリント成果物を製作可能だ。
 また、最大5層プリントに対応。白版の前後に「デザイン色が異なる同型カラー版を挟む」(4層プリント)ことで昼夜違った表現の電飾看板を製作したり、「異なるデザインのカラー版と遮光版を挟めば」(5層プリント)、外側と内側で違うデザインのウィンドウサインを1枚で製作することもできる。
 そして、シートの種類も塩ビに加え、PET、PU(ポリウレタン)などの樹脂フィルム、布、紙(非コート紙含む)など、幅広い基材にプリントできるのもポイントだろう。UV硬化インクは乾燥時間が不要で、プリント後に即後加工できるため、即日納品にも対応できる。





クラウド型プリンタステータスモニターツール「PICT」

 

 UCJV330シリーズの発売と同時に、ミマキはクラウド型プリンタステータスモニターツール「PICT」を、同社のプリンター製品を使用するユーザー向けに提供開始した。
 「PICT」はウェブサイトからダウンロードすることで使用でき、離れた場所からでもPCやモバイル端末でプリンターの稼働状況やインク使用量実績を見える化。1台ごと及び指定グループで可視化され、メンテナンス計画、インクの在庫管理、生産計画の立案などに役立つ。







プリント事業者の電力コストとCO2排出量の削減に貢献

 

 昨今、環境保護と気候変動対策により、多くの地域でCO2排出に関する法規制が導入される中、消費者の環境に対する関心も高まり、環境に優しい製品やサービスがより支持される傾向にある。企業がCO2排出削減に取り組むことは、顧客からの支持を獲得し、市場競争力を向上させる手段となっていくだろう。
 サイングラフィックス市場では、溶剤インクを使用するエコソルベントプリンター、水性ベースのラテックスプリンター及びUV硬化型プリンターが広く利用されている。その中でもエコソルベントプリンターとラテックスプリンターは、熱によるインクの乾燥を必要とするため、比較的消費電力が多く、プリント事業者の電力コスト負担に直結する。  

 今回発表された「UJV100-160Plus」は最大消費電力0.5kWと、市場のエコソルベントプリンターやラテックスプリンターと比較し消費電力を約20%以下に抑えられ(※)、プリント事業者の電力コストとCO2排出量の削減に貢献。また、従来機(UJV100-160)の基本機能を持たせたまま、更に3つの機能をプラスし、ユーザーの仕事の幅の拡大、ランニングコスト低減、作業効率向上を実現するという。「UCJV330シリーズ」同様、「PICT」を使用することで、稼働状況やインク使用量実績を見える化し、プリント業務効率の向上と運用管理もサポートしてくれる。

(※)ミマキ調べ


 「UJV100-160Plus」に追加された3つの機能は、以下のとおり。

①ランニングコストを低減するインクセーブ機能
 プリントデザインのカラーバランスを保ったまま、インク消費量を最大50%削減。ミマキのプリント出力ソフトウェア「RasterLink7」の簡単な操作でインク削減レベルを設定できるため、色調整のための専門知識や専用機材が不要。

②仕事の幅を広げる最大3層印刷機能
 一度プリントした基材を引き戻して追い刷りする「引き戻し印刷機能」で最大3層印刷に対応。従来機では最大2層印刷に対応しているが、白→カラーの印刷か、カラー→白の印刷をプリンター導入の際にインクカラー配列により決定する必要があった。「UJV100-160Plus」では、新たに追加した引戻し印刷機能により、インクカラー配列に関わらず、どちらも印刷可能。加えて「カラー→白→カラー」「白→カラー→クリア」のような3層印刷で、プリントの用途と付加価値を提供する。

③ミマキのカッティングプロッターとの連携性アップにより作業効率が向上
 従来、ラベルやステッカーの生産時は基材へプリント後、ミマキのカッティング専用ソフトウェア「Finecut9」を起動し、カットデータを出力する必要があった。「RasterLink7」からは、同社のカッティングプロッター「CG-ARシリーズ」へカットデータを直接出力できるようになり、カット作業におけるオペレーターの作業効率が向上。出力PCにデザインソフトが入っていなくてもプリントとカットの連動が可能となる。



【問い合わせ】
(株)ミマキエンジニアリング
長野県東御市滋野乙2182番地3
Tel.0268-64-2281
https://japan.mimaki.com

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