S&Dセレクション

〈2025.6.10〉ブース設営の課題を解決するファブリックディスプレイ「onefabrica」

高いデザイン性を担保しながら
従来1日半から2日かかる作業がわずか半日で完了する。



▲ トルネード型のデザインが目を引くJAPAN SHOPのユタカブース。内部構造がわかりやすいようにメッシュ仕様の「onefabrica」も展示した。


▲ LED光源を入れることで内照式にもできる。

 

 イベントや展示会のブース設営においては、長時間の施工と大量に出る廃材が課題だ。従来の木工主体の方法では、組み立てと解体に多くの時間と人手がかかり、一度使用した資材の大半が廃棄される。しかし、ユタカ(株)が提供する「onefabrica(ワンファブリカ)」は、この問題を根本から解決する。

 アルミフレームとファブリックを組み合わせた「onefabrica」は、施工時間を大幅に短縮できるだけでなく、環境負荷の軽減にも貢献。そして、デザインの自由度が高いのが魅力だ。なお、今回の同社の特徴的なブースは、わずか3時間で設営が完了したという。従来なら1日半から2日かかるようなブースでも「onefabrica」なら半日で設営でき、簡単に解体できる仕組みから展示会終了後の片付けにかかる手間やコストも抑えられる。

 昨今、日本で見かけるファブリックディスプレイの多くは、直線的なデザインが主流で、フレームが外に露出する方式が一般的。一方、「onefabrica」はフレームを内部に隠し、直線はもちろん曲線や複雑な造形も可能にする。ユタカブースでは、トルネード型のデザインやメッシュ仕様のディスプレイが来場者の目を引き、『布だとは思わなかった』という声も多く寄せられた。


▲ 「onefabrica」で製作したキューブディスプレイ。プロジェクターによる映像演出も加えている〔協力:(株)光和〕。



 アメリカではすでに主流となっているこの技術は、日本市場でも新たな選択肢として広がる可能性が高い。ユタカは「onefabrica」を活用することで、展示会場からゴミを無くすことを目標に掲げる。もしすべての出展ブースがこのシステムで施工されれば、展示会業界全体の環境負荷を大幅に抑えることができるだろう。同社はこれまで、ホテルの宴席やホールイベントでのディスプレイ施工を中心に手がけてきたが、今後は展示会ブースでの活用を積極的に提案していく考えだ。

 展示会は一般的に月曜・火曜に仕込みを行い、水曜から金曜までが本番、そして金曜の終了後に撤去というスケジュールが多い。「onefabrica」を導入すれば、火曜日の数時間で仕込みが完了し、金曜の撤去作業も短時間で済む。展示会において、時間とコストを抑えながら高品質なブースを実現することはなかなか難しい。「onefabrica」は、その課題を解決する新しいスタンダードとなる可能性を秘めている。


【問い合わせ】
ユタカ(株)
東京都品川区東大井1-15-10
Tel.03-5479-8361
https://www.yutaka-inc.jp

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