S&Dセレクション

〈2024.7.25〉話題の企業・人物「シンクイノベーション株式会社」

シンクイノベーションが手がける、
WhiteTailsと7つのタワーのコラボ企画。

6人組のゲーム実況グループ「WhiteTails(ワイテルズ)」と日本全国7つのタワーがコラボ。WhiteTailsの人気企画で、通常はゲーム(MINECRAFT)内で繰り広げられる「リス地ばらばらクラフト」が、謎解きイベント「日本全国タワーばらばら合流大作戦」として開催された。

▲ 「日本全国タワーばらばら合流大作戦」のメインビジュアル。




Webでの輸入商品販売に始まり、
今ではイベント事業も確立

 

 今回、「日本全国タワーばらばら合流大作戦」を企画したのは、キャラクターグッズの企画・製造・販売を手がけるシンクイノベーション(株)(本社:名古屋市中区)だ。同社は2014年に設立。当時はアクセサリーやTシャツ、スマホケースなどを中国から仕入れ、楽天市場で販売することが事業の中心だったという。2015年にはインクジェットプリンターを導入し、楽天市場、Amazon、Yahooでオリジナルのスマホケースの販売を開始。その後、売れ行きも伸びて、プリンターの台数は約20台(全てローランドDG社製「VersaUV LEF-20」)にまで増え、受注生産を行うようになったそうだ。

 同社の代表取締役社長である三輪直之氏は以下のように語る。

 『2018年にはOEMも始めました。当時、当社で「LEF-20」を20台ほど所有していて、大阪に(株)GALLERIAという会社があるのですが、その会社も同じように20台ほど持っていました。当社はECサイトで受注生産、GALLERIAはメーカーへの卸しを行っており、それなら業務提携しましょうと。両社の「LEF-20」を名古屋にまとめて、シンクイノベーションとしてのOEM事業のスタートとなりました。その後、ECと卸しの2つの事業を展開し、順調に事業が拡大するなかで、ミマキ製の「UJF-6042 MkII」を20台、「UJF-7151 plusII」を4台増設しました。
 そして次は T シャツプリントも始めました。最初はマスターマインドのガーメントプリンター(4台)を使用していたのですが、さらにKornitの大型機も入れて、Tシャツ印刷を本格化させました。そうなるとタオルやクッションもやりたくなり、今では昇華転写プリンター5台(ミマキエンジニアリング4台、エプソン1台)とDTFプリンター2台(ミマキエンジニアリング1台、イメージ・マジック1台)が活躍してくれています。
 続いて2021年には、ライセンス事業を始めました。これによりアニメや球団などの版権を取得、グッズを作って販売可能となり、今では約2,500コンテンツ(※)の版権を取得しています。そして、それらのコンテンツをもっと活用し売り上げを伸ばそうと始めたのがイベント事業です』。

※)
2024年3月22日現在




シンクイノベーションAR▲ 横浜マリンタワーではイベントの一環として、ライトアップの色に合わせて、「WhiteTails」のイラストがAR〔専用アプリは(株)STYLYが開発〕で登場。時間ごとに変わるライトアップと連動して、イラストのキャラクターカラーや花火のカラーがそれぞれ変化する。スマートフォンの画面をタップすることで、イラストの表情をランダムに変更することもできた。

sub2_1▲ 横浜マリンタワーの展望フロアでは、窓ガラスに「WhiteTails」の特別映像を投影。横浜の夜景と共に、「日本全国タワーばらばら合流大作戦」のキービジュアルを担当したイラストレーター7名の過去作品をデジタル展示した。




WhiteTailsのメンバーと会話しながら
謎解きしているような感覚が得られる

 

 2014年の設立から着実に事業を拡大しているシンクイノベーション。10周年を迎える今年、大きな反響を得ている企画が「日本全国タワーばらばら合流大作戦」だ。
 同企画は、WhiteTailsが7つのタワー(さっぽろテレビ塔、福岡タワー、中部電力MIRAI TOWER、横浜マリンタワー、通天閣、京都タワー、東京タワー)をジャックする謎解きイベント(制作協力:SCRAP)。WhiteTailsのメンバーであるスマイル、Nakamu、きりやん、Broooock、シャークん、きんときの6人が、これらのどこかのタワーへバラバラに転送されるというところから話は始まる。メンバーは自分がいた場所に痕跡を残しながら、最終地点(3月19日〜5月19日開催)である東京タワー(RED° TOKYO TOWER)(※)を目指す。

 そして、このストーリーにイベント参加者がどのように絡んでいくのかだが、同イベントの企画・製作を中心となって行った同社の鈴木淳三氏に解説してもらった。

 『このイベントは「LINE」を使用します。イベント参加者には、まずは謎解きキットの二次元コードからLINEのグループ登録(友だち追加)を行っていただきます。すると、オープニングの動画が見られるようになって、これを見たら謎解きスタートです。
 その後、最後に集まる場所がどこのタワーなのかを謎を解きながら解明していきます。用意された謎は、それぞれのタワーで全て違います。参加者はLINEでのやり取りを通じて謎解きを進めていくのですが、これがメンバーと会話をしながら、一緒に謎を解いているような感覚が得られると好評です』。

 筆者も実際に体験させてもらったが、同様の感覚が得られ、LINEアプリをうまく活用したイベントだと実感できた。また、各タワーの運営会社からも、これまでになかった客層が来るようになったと好評を得ているようだ。

※)最終地点が東京タワーであることは2024年2月末までは隠されており、同年3月に公開(解禁)された。


▲ JR東海のEX予約またはスマートEXを利用して東海道新幹線に乗り、中部電力 MIRAI TOWERでEX利用票を提示することで、先着500名にオリジナルステッカーがプレゼントされるキャンペーンも。




イベントに関わる多くの事が
幅広い事業展開により対応可能

 

 今回、シンクイノベーションは、イベント関連グッズの監修、パッケージデザイン、製作、販売を行うほか、飲食のメニュー開発にも携わっている。当然、謎解きキットの製作や、クリアファイルやボールペンなどの参加特典も製作しており、これら全てに対応できるのは幅広く事業展開する同社だからこそ。Webサイトでの輸入販売から始まり、その後10年間でここまで事業を拡大していることに驚かされる。

 なお、「日本全国タワーばらばら合流大作戦」のこれまでの参加人数は7タワー合わせて40,000名(※)を数える。また、今回同社が製作したイベントのオフィシャルグッズは、完売が相次ぎ、追加増産を繰り返しているそうだ。『在庫補充の迅速な対応は自社で生産している強み』と三輪氏は語る。さらに三輪氏は、『国内において月6本/年間70本以上のイベントを開催し、その後、海外でのイベント開催も視野に入れています。当社が日本のコンテンツグッズやイベントを海外へ展開することで、誰もが海外展開に挑戦できる環境をつくっていきたいです。日本のモノづくり・コトづくりをコンテンツとともに盛り上げたいです』と今後に向けて豊富を語ってくれた。

※)2024年3月22日現在



【問い合わせ】
シンクイノベーション(株)
名古屋市中区栄1-29-27  東海商事ビル4・5F 
Tel.052-212-8595
E-mail:info@sync-innovation.co.jp
https://sync-innovation.co.jp


▲ シンクイノベーションの三輪直之氏(右)と鈴木淳三氏。

 

 

 

 

 

 

この記事を見た人はこんな記事を読んでいます