S&Dセレクション

〈2024.5.7〉ナカノサンプラザ プロジェクションマッピング −To be continued−

50年間愛され続けた「中野サンプラザ」へ
想いを伝えるプロジェクションマッピング。

昨年7月に50年余りの歴史に幕を閉じた、中野のランドマークであり音楽の殿堂である「中野サンプラザ」(東京都中野区)。今秋に取り壊され、跡地にはホールやオフィスなどで構成された複合施設「NAKANOサンプラザシティ」が2028年度に完成予定となっている。そして今回、中野と中野サンプラザを愛する多くの人が体験を共有する機会を提供すべく、同施設の南側外壁(高さ約92m)をスクリーンに、「ナカノサンプラザ プロジェクションマッピング−To be continued−」(主催:中野区)が3月22日から24日の3日間開催された。






中野サンプラザの存在と功績を
美しい記憶として未来に引き継いでいく

 

 中野区(区長:酒井直人)は2022年度より、基本構想で目指す「人と人とがつながり、新たな活力が生み出されるまち」を実現するために、遊び心あふれる文化芸術により、まち全体に賑わいがあふれる取り組みを進めている。そして、この取り組みの一環で、多くの人が地域への親しみを感じるモチーフを壁画として描く「中野ミューラルプロジェクト」を立ち上げ、区内全域に日常かつ身近に感じる文化芸術を広げている。

 今回のプロジェクションマッピング(以下、マッピング)は、「中野ミューラルプロジェクト」のデジタルセクションとして、中野サンプラザの存在と功績を、美しい記憶として未来に引き継いでいくために実施。中野の魅力と新たな未来に向かっていく期待を込め、中野と中野サンプラザを愛する多くの人に驚きと感動を届けた。企画・演出・制作は(株)シムディレクト、(株)SWAG(スワッグ)、(株)タケナカのシンユニティグループの3社。

 なお、同事業は、東京都・(公財)東京観光財団の「プロジェクションマッピング支援事業助成金」を活用して実施している。


▲ イラストやメッセージで表現された中野区民による“中野や中野サンプラザへの想い”を映像コンテンツに埋め込んで投影した。


▲ マンガ風に描いた、中野っぽいコンテンツも。




中野や中野サンプラザへの想いを
映像コンテンツとして投影

 

 映像制作及び演出を担当した(株)SWAGのクリエイティブディレクターである大内清樹氏が『ただ単に美しい映像をつくるというよりも多くの方に共感してもらい、楽しんでもらえるような内容を心がけました』と語るように、中野と中野サンプラザに思い出のある人にとっては、特に感慨深い内容となっていたのではないだろうか。

 実は今回、マッピングの開催に向けて「中野や中野サンプラザへの想いをエントリーシート内の○△□の中に自由に描いてもらう」ワークショップを開催している。そして描いてもらったイラストやメッセージ(約400枚)は、映像コンテンツの目玉のひとつとして投影された。
 音楽はアニメ「プリキュアシリーズ」をはじめ、数々の楽曲を手がける馬瀬みさき氏が担当。感動を生み出すマッピングにおいて、映像と同じくらい重要なのが音楽なのだが、中野サンプラザに関わりのあるアーティストの曲をアレンジした今回の音楽は、多くの来場者の心を掴むのに十分なものであった。


▲ 専用アプリをスマートフォンにインストールすることでマッピングと連動したAR演出も見ることができた。



 また、ARアプリ「mietARa−みえたら−」(開発:タケナカ)をスマートフォンにインストールすることで、桜のシーンであれば、桜の花びらが舞うといったマッピングと連動したAR演出、さらにワークショップで描いてもらったイラストなども楽しむことができた。
 映像コンテンツは約7分で、22日(19:45〜)は4回、23日と24日(18:45〜)は7回、20分毎に投影。映像投影に使用されたプロジェクターは5万ルーメン機種が6台、3万ルーメン機種が4台(すべてパナソニック社製)。


【問い合わせ】
(株)シムディレクト
東京都千代田区六番町1-9 シンユニティ東京ラボ
Tel.03-5628-2896 Fax.03-6256-8186
https://www.symdirect.co.jp

 

 

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