S&Dセレクション

〈2023.7.19〉swissQprint User Report/株式会社ゼロツー

関東エリアから全国規模へ
生産性と品質向上で業務拡大。

スイスに本社を置くswissQprint社のハイエンドフラットベッドプリンター「Nyala(ニアラ)」は、ヨーロッパにおいて8年連続で販売台数1位に輝くなど、世界的に高い評価を得ている。今回は、2022年2月に「Nyala 3」を導入し、仕事の内容が大きく変化したという(株)ゼロツーの代表取締役である中島次郎氏に話を伺った。


▲ ゼロツーで稼働するフラットベッドUVインクジェットプリンター「Nyala 3」。プリントエリアは3.2mx2mで、生産速度は最大206㎡/時。ロールメディアにもプリント可能(オプション)だ。

▲ 「Nyala 3」による木材へのダイレクト印刷。焼印を押したような表現も簡単に実現できる。



 

検討から導入決定までにかかった期間は1ヶ月

 

 ゼロツーは2015年に設立、従業員数は10名(2023年6月30日現在)で、屋外広告やディスプレイ装飾、出力サービスを中心に業務を行っている。中島氏は『設立当初は3M特約店からのご依頼(3Mのフィルムを使った仕事)が多かったのですが、今では代理店経由での金融機関や建築関係の仕事が多くなっています。展示会や店舗サインの製作・施工、あとは全国展開されている飲食店のパネルなどをつくって納品しています』と話す。

 同社が「Nyala 3」の導入を決めたのが昨年の2月、ショールームでのデモ見学から導入の意思決定までにかかった期間はたったの1ヶ月だったという。中島氏は、面白いと思ったことには積極的に取り組む性格の持ち主。コロナ禍で展示会の仕事が激減したときには、東京都からの依頼で、広告宣伝カー4台を使った注意喚起の仕事もやっていたというから驚きだ。そんな中島氏にとっては、「Nyala 3」の導入を決断するのに1ヶ月もあれば十分だったのだろう。
 中島氏は「Nyala 3」について以下のように語っている。

 『これまでに使用したフラットベッドタイプのインクジェットプリンターの中で、画質が一番良かったです。UVプリンターであそこまでの色が出るのかと、驚いたのを覚えています。
 当社が「Nyala 3」を導入した一番の理由は、飲食チェーン店の店内に飾るパネルを製作するためです。以前は、機械のズレを考慮して、余白をつくって印刷していました。要するに大きめに印刷して、後から不要な部分をカットしていたんです。でも「Nyala 3」にしてからは印刷の精度が向上し、加工もすごく楽になりました。1mm単位でやっていた印刷の仕事が、あと0.2mm大きく印刷すれば問題ないというように、今ではコンマ何ミリのレベルに変わっています。
 全国展開のお店ですと、例えば九州でミスがあれば、九州まで行かなくてはならない。そういった心配も無くなりましたね』。

 実際、「Nyala 3」の導入により、引き合いも増えているようだ。『関東近辺の会社からのご依頼がほとんどだったのが、最近では全国規模でお仕事をさせていただいています』と中島氏は笑顔で語ってくれた。




「Nyala 3」の特殊印刷で仕事の幅が広がった

 

 ゼロツーで稼働する「Nyala 3」は、CMYK、Lc、Lm、プライマー、バーニッシュ、ホワイトのインク構成。これらのインクで多岐に渡る依頼に対応している。中島氏は『木材に焼印を押したサインを作りたいというお客様がいたのですが、実際に焼印を押すとなると、クリア塗装をかけなくてはならないなど、その後の加工にすごく手間がかかります。でも「Nyala 3」であれば、ダイレクト印刷で焼印を押したような表現を簡単に施すことができます。インクはCMYKだけで実現できるんです』と話す。

 さらに『当社では「Nyala 3」の特殊印刷を活用して、点字の印刷もやっています。建築業界にサインを納めることもあるのですが、目の見えない方用の触知板をつくることも増えました。「Nyala 3」は厚盛りができて、インクの定着がすごく良いです。また、プライマーを使うことで、多様な基材にしっかりインクが乗ってくれるので仕事の幅が広がっています』と満足している様子だった。

 同社ではこの他にも、飛び出し感や奥行き感を表現可能な“3D印刷”を活用している。最近では、若手アーティストと一緒に“3D印刷”を使った作品づくりを展開。「Nyala 3」で印刷して「Zünd」(カッティングプロッター)で加工したものを作品として展覧会などで展示しているという。中島氏は『以前は下請けの下請けというような末端の仕事をしていたのですが、今では大手の飲食店などとも直接お付き合いすることが増えました。今後もそういったお客様を増やしていき、当社にやれることを提案していきたいです』と意気込んでいた。

▲ 「Nyala 3」の出力事例〔牛たん さちのや(運営:和幸商事)〕。ファサードの行灯看板をはじめ、壁面クロス部分の牛のデザインやパーテーション上部のガラスと、ガラス面の格子柄の印刷に「Nyala 3」を使用している。ゼロツーの中島氏は『クロスの柄はパターンが決まっているのですが、決まった柄の場所に、正確に印刷可能なフラットベッドプリンターの良さを感じました』と話す。




【問い合わせ】
(株)ゼロツー
東京都江東区亀戸6-3-2 寺島ビル2階
Tel.03-5609-7508 Fax.03-5609-7509
http://zero2.co.jp

swissQprint Japan(株)
横浜市港北区新横浜3-2-6 VORT新横浜1F
Tel.045-624-9991 Fax.045-624-9860
https://www.swissqprint.com

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