合計15面のLEDビジョン採用、
飲食を超えた異空間体験を提供する。
2024年11月28日、東京・新橋のSL広場前に新たなフードエンターテインメントレジャービル「グランハマー」が誕生した。同施設は、恵比寿横丁や渋谷横丁、新宿カブキhallをプロデュースした(株)浜倉的商店製作所が企画・開発・運営。地下1階から8階までの全9フロアで構成され、延床面積は約2,500坪と同社史上大規模の複合施設となっている。
▲ 「グランハマー」のファサード。LEDビジョンに映し出された映像がネオンサインを彷彿させる。
屋上LEDビジョンは
黒の締まりが良い特別仕様
グランハマーの名称には、「Grand(壮大な・豪華な)+Hammer(衝撃)」という施設の規模感や浜倉的商店製作所としての新たなチャレンジに対する想いが込められている。1フロア形式の「横丁」ではなく、地下から屋上まで縦に形成される同社初の「“縦”横丁」では、「横丁」「エンターテインメント」「おもてなし」「レジャー&リラクゼーション」「日本文化」の5つのエリアコンセプトを採用。これまでの横丁文化を踏襲しながらも、食べる・観る・遊ぶ・癒すといった多彩な体験を提供してくれる。
同施設には屋上の大型LEDビジョン(H7,500mm×W14,800mm、10mmピッチ)をはじめ、各階にもLEDビジョンや液晶ディスプレイが多数設置され、イベントに合わせた演出やフロア案内、リアルタイムのライブ映像などを提供する。
今回採用されたLEDビジョンは、(株)昭和ネオンの「SHOWA VISION」。特にグランハマーの顔とも言える屋上LEDビジョンは黒の締まりが良く、より綺麗な映像放映を可能とした特注品だ。施設全体では、このビジョン含め外部に4基、地下1基、1階2基、3階1基、5階5基、6階1基、8階1基の合計15面のLEDビジョンが設置されている。▲ グランハマー外観
ライブパフォーマンスを盛り上げる
大型LED&リボンビジョン
グランハマーの中でも注目は、エンターテインメントエリアが広がる3階と4階。3階の「座・グラン東京」では、アーティストやパフォーマーによる生のエンターテインメントショーを食事とともに楽しめる。昭和歌謡や日本伝統芸能、格闘技、さらにはイリュージョニストによるマジックショーまで、多彩なライブパフォーマンスが繰り広げられる。一方、4階の「グランカフェラウンジ」は、3階のショーの臨場感を感じながら、ホテルラウンジのようにゆったりと寛げる空間だ。
そして、このエンターテインメントショーを一層盛り上げるのが、ステージ(3階・4階の吹き抜け部分)の背面に設置された大型LEDビジョン(H6,250mm×W8,750mm、2.9mmピッチ)。ステージを囲うように配置されたリボン状のLEDビジョン(H10,000mm×W21,500mm、2.9mmピッチ)とともに、迫力のある映像空間をつくり出す。客席からステージまでの距離が近く、LEDビジョンは目の前にそびえ立つ印象で没入感も存分に味わえる。▲ 3階「座・グラン東京」
▲ 5階「HAMACLUB」
▲ 8階「レインボースター」
窓を模したLEDビジョンに
日本の四季を映し出す
5階「HAMACLUB」の演出も負けてはいない。ここはDJブース付きのアイランドBARで、音楽やLEDビジョン(合計5面、すべて2.9mmピッチ)による映像とともに食事やドリンクを楽しめるほか、壁沿いには15台のクレーンゲームを設置。DJによるCITY POPや歌謡曲、JPOPやDISCOサウンドの演出に加え、天井に設置されたフルカラーLEDライン照明が空間を華やかに彩る。このフルカラー演出はクレーンゲームに設置されたLED照明とも同期しており、空間が一体となったダイナミックな演出は圧巻だ。昭和ネオンはこれらの演出装置の設置・調整にも協力している。
もうひとつ、「HAMACLUB」内の一部のLEDビジョンの前には、ドリンクを置けるスペースが設けられているのだが、もしドリンクをこぼしても大丈夫なように、ここは樹脂コーティングされたGOBタイプを採用しているのもポイントだ。▲ 6階「紅艶」
6階にある「紅艶」は豪華絢爛な空間で、本格的な和会席御膳と古き良き日本の花街文化を体験できる和食店。本場の芸者による舞踊などの日本の伝統芸能と「祇園おくむら」の奥村直樹氏監修、京都由来の上質な和食コースを楽しむことができる。ここでは、窓を模したLEDビジョン(H1,350mm×W2,400mm、1.5mmピッチ)が設置されており、季節に合わせた日本の景色が映し出される。あたかも外にその風景が広がっているかのような粋な演出だ。
また、最上階の8階には、年間を通してBBQを楽しめる「レインボースター」があり、開放感あふれる空間での食事が可能。ここにもLEDビジョン(H7,200×W5,200mm、6mmピッチ)が設置されており、イベントに合わせた演出が展開する。なお、8階「レインボースター」のLEDビジョンは、グランハマー正面屋上の大型LEDビジョンの真裏に位置する。
都心のしかもビジネス街に建つ商業ビルで、ここまで惜しみなくLEDビジョンを取り入れた施設は、他にはないだろう。実際に現地を取材しているときもここが新橋だということを忘れてしまうくらいグランハマーは異空間だった。映像演出を体感するだけでも足を運ぶ意味があるだろう。
■ 「グランハマー」所在地
東京都港区新橋2-8-5(SL広場前)
■ 施主
(株)浜倉的商店製作所
■ LED及び液晶ディスプレイの設計・施工
(株)昭和ネオン
【問い合わせ】
(株)昭和ネオン
東京都品川区南品川1-7-17
Tel.03-3471-4141
https://www.showaneon.co.jp