(株)ミマキエンジニアリングは、屋外の装飾、ポスター、店舗やイベントの装飾、車両ラッピング等、幅広い用途で使用でき、ソルベントインク、水性昇華インクが選択可能なインクジェットプリンター「JV300-130/160」(以下「JV300」)の販売を2014年6月より開始する。
ソルベントインク「SS21」と水性昇華インク「Sb53」を選択可能
近年、サイングラフィックス市場において、プリントの品質と速度は共に高いレベルが求められている。今回発売した「JV300」は、これまでミマキエンジニアリングが培った技術による画質の美しさはもちろん、2基をスタガ配列した新開発のプリントヘッドと、乾燥性の良いソルベントインク「SS21」を搭載することで、最速105.9m²/h※1のプリント速度を実現。特許を含む技術を盛り込み、速さと美しさを両立させた「NewGlobalStandard」モデルとなっている。また、「SS21」でオレンジ、ライトブラックの2色を新開発。オレンジでは幅広い色域による色表現、ライトブラックでは美しいグラデーション、それぞれの特長を活かした高付加価値プリントを提供する。さらに水性昇華インク「Sb53」を選択することで、昇華転写プリントによるソフトサイン等の作成にも使用可能だ。
※1バナー専用SuperDraftMode360×360dpi、1Pass、Biでプリントした場合。
「JV300」の主な特長
1.“突き抜ける速さ”を実現する技術とインク性能
ミマキエンジニアリングの技術とインク性能により、クラストップレベルのスピードを可能にした。
(1)新開発ヘッドと吐出技術
新開発のヘッド2基をスタガ配列で配置することで、1往復でプリントできる面積が広くなる。インクは色によって比重と粘度が異なるが、吐出時の波形をコントロールすることでどの色のインクも真円に近い形状で真っ直ぐに吐出することが可能になった。
高い精度でメディアに着弾させることで高画質を実現。また、高精細なプリントに効果的な最小4plから、高速でプリントする際に力を発揮する最大35plサイズのドロップも正確に着弾させる。高精細で美しいプリントから、生産性を求められる高速プリントまで、状況に応じて最適なプリントを可能にする。
オンデマンドピエゾヘッド(2 ヘッドスタガ)により、1 往復でプリントできる面積が拡大。インクは色によって比重と粘度が異なるが、 吐出時の波形をコントロールすることで、どの色のインクも真円に近い形状で真っ直ぐに吐出することが可能になった。
(2)高速プリントを実現する「SS21」インク
ミマキエンジニアリングの技術を集結させたソルベントインク「SS21」は、メディアへの浸透性と溶剤の揮発性のバランスが良く、高い乾燥性を実現している。それにより、高速モードで使用してもにじみが発生しにくく、高濃度でのプリントが可能。乾燥速度が速いので、プリント速度の速いモードでもブロッキング(巻取り時にインクの未乾燥が原因で発生するメディアの張り付き)が起きにくく、高い生産性を可能にする。
■高速プリントと高付加価値を実現するソルベントインク「SS21」
2.高付加価値を実現するソルベントインク「SS21」
(1)新開発インクを加えた多彩なインク種
「SS21」インクでは従来のインクに加え、オレンジ、ライトブラックの2種類を新開発し合計9色を用意。仕事に合わせて最適なインクセットを選ぶことができる。
(2)色域を広げるオレンジインク
「SS21」のオレンジインクを新開発。プロセスカラーとして追加することでPANTONEカラーチャートを近似色で約94%カバー。色域を拡大することで、食品のみずみずしさの表現や、コーポレートカラーの再現が可能になる。
(3)モノクロを美しくするライトブラックインク
新開発の「SS21」のライトブラックインクは、グレースケール出力時に色転びや、トーンジャンプのないグレーバランスを実現。モノクロデータの忠実な色再現や、粒状感のない人肌、スムーズなグラデーション表現が可能になる。
▲ ライトブラックインクを使用することで、色転びのないスムーズな表現が可能になる。
(4)カラーインクを引き立てるホワイトインク
「JV300」では従来よりもドロップサイズを大きくすることでホワイトインクを高濃度でプリントできる。高濃度でプリントすることで隠蔽度が向上、透明/有色メディアにカラーをプリントする前の下地として使用することで美しい発色を実現する。
3.高濃度でのプリントが可能な水性昇華インク「Sb53」
「Sb53」インクは発色が良く高濃度でメリハリの効いた色鮮やかなプリントが可能な水性昇華インクだ。従来の水性昇華インクより顔料が沈殿しにくいので、色ブレが少なく安定したプリントが可能。アパレル、スポーツユニフォーム、水着などのポリエステル素材へのプリントが行える。
4.息をのむ美しさを実現する画質コントロール技術
(1)安定して高画質プリントを可能にする「MAPS3」通常、パスの境界は直線になるため少しのズレにより、横シマが出るバンディングや、色ムラの原因になる。「MAPS3」(MimakiAdvancedPassSystem3)ではパスの端を拡散させ、境界線をグラデーションのようにすることでバンディングや色ムラの発生を軽減する。(2)最適なドットサイズを実現する「3Wayインテリジェントヒーター」メディアの温度が適正でないと、高精度で吐出してもインクが最適なサイズで定着しない。ミマキエンジニアリングが特許を取得している3Wayインテリジェントヒーターを搭載し、メディアをプリントに最適な温度に保つことで高画質を実現する。
5.「仕事を止めない」連続運転ソリューション
インクやメディア切れ、ノズル抜け等、生産性を維持するために懸念される項目は多くある。「JV300」では様々な技術をまとめて連続運転をサポートする。
(1)自動でノズル抜けを検出、クリーニングする「NCU(NozzleCheckUnit)」
ノズルの状態をセンサーが自動で検知。ノズル抜けを発見した場合は自動でクリーニングを実行しノズル抜けの解消を行う。ノズルの状態を確認するタイミングは作図データごと、時間単位で設定が可能。連続出力時のノズル抜け発生以降の出力物を全て無駄にすることを未然に防ぐ。
(2)生産性を維持するための「NRS(NozzleRecoverySystem)」
ノズルを洗浄しても改善されないノズルトラブルは、通常サービスマンによる修理が必要になり、それが終わるまではプリンターを停止していた。NRSは問題のあるノズルを別のノズルで代替することでプリントを再開できるため、サービスマンの修理を待つことなく生産性を維持できる。
(3)プリンターの状態をメールで知らせる「イベントメール」
ワークの開始、終了、インク、メディア切れ等のエラーによるプリント中断などの情報を、「JV300」からインターネット経由※2で指定したメールアドレスに直接送信。プリンターから離れた場所にいても、出力状態を把握する事ができる。
※2インターネット、LANの環境が必要。
写真左:オプションの「MBIS III」(Mimaki Bulk Ink System lll)を搭載すれば、安定した連続プリントが可能に。2L インクパック を使用しているのでインク単価が下がり、ランニングコスト削減に繋がる。/写真右:操作パネル部の画面に 3.45inch(52.56mm× 70.08mm)のカラー液晶を採用。多くの情報表示、グラフィカルな表示による高い視認性により、マシンの操作 / 設定が容易に行える。
