S&Dセレクション

大判インクジェットプリンターSureColor シリーズ 昇華転写プリンター「SC-F7100」

ハイスピード・高画質を実現。 「SC-F7100」導入で作業効率アップ!

2015年春、エプソンのソフトサイン用途向け昇華転写プリンター「SC-F7100」を2台導入した(株)エム ワイ。同社の転写工場(福岡県福岡市)では、展示会や店舗などに掲出する装飾をメインに製作している。

 

昇華転写、UV、レーザー。 幅広く行う「なんでも屋」

———事業内容を教えてください。   
弊社では、昇華転写プリンターを使用して、イベントや展示会、デパートなど、比較的短期で掲出する装飾などをつくっています。これらは昔、捺染で行っていました。昇華転写プリンター以外では、壁紙印刷も行っていて、これはUVプリンターが発売される前から製作していました。 

森山眞樹氏

     森山眞樹氏

UVプリンターを導入してから、国土交通大臣認定の防火認定・F ☆☆☆☆の基準をクリアしたんです。このときはまだ、認定を取得していたのが大手壁紙メーカーさん数社だけだったので、弊社も仕事を受注していたのですが、今は数えきれないほどの企業さんが認定を取得し、その影響からか受注が減ってしまったのでメインの仕事としては扱っていません。 
UVインクは、独特のニオイがするので、それを嫌うお客さんもいますよね。でも、不思議なことに施工するとほとんどニオイはなくなってしまうんです。だから、ニオイでのクレームはきたことがないです。施工業者さんには、嫌っている人がいるかもしれないですけどね。 
そのほかに、アクリルのレーザーカットも10年ほど行っています。始めたころは、レーザー加工機がまだ世の中に出回っていなく、特注で作ったんです。このときは、5mm厚のものをカットするのが限界でしたが、今は15mm厚までカットできますよ。レーザーで作ったサイン文字の場合、 LEDを仕込むとか、いろいろなことがで きると思うのですが、九州ではそういう需要があまりなく、文字だけというのが多いんです。とにかく、いろいろなことを行っています。サイン屋というよりは、「何でも屋」ですね。

 

エムワイの転写工場へ導入した2 台の「SC-F7100」。

エムワイの転写工場へ導入した2 台の「SC-F7100」。

 

捺染からはじまり 昇華転写プリンターを導入

———捺染は何年ぐらい行っていたのですか? 
昇華転写プリンターを導入するまで、13年ぐらい捺染を行っていました。自作した水洗い機もありましたよ。 
捺染インクは印刷した後、表面に熱をかけて、糊や余分な染料を洗い流しますよね。捺染は、プリンターの設備も大切ですが、それより後処理が重要だと思い、倉庫を借りて機材を一式そろえました。でも、昇華転写プリンターが開発されて、水洗いが必要なくなったんです。綿への印刷なら必要かもしれませんが、綿は後処理が大変だし、僕はポリエステルにこだわっていたので、水洗い機は不要になってしまいました。今は、プリンターとインクをもっていれば、仕事ができる時代なんですよね。 
実は、昇華転写プリンターを導入したあとも、少しの間は昇華転写プリンターに捺染インクを積んでいたんですよ。こうやっていろいろ試してみるのが好きなんです。 
 
———他にもプリンターを使ってなにか試してみたことはありますか? 
13年ぐらい前、水性の大判プリンターに捺染インクを積んだり、ヒーターをつけたり、いろいろ試して1ヶ月ぐらい使っ ていたことがあります。ほかのプリンターでも実験してみようと、このプリンターの使用を一時的に止めたら、インクが固まって目詰まりしてしまいました。1回目はメーカーさんにメンテナンスしてもらって、治ったんですけど、時間をおいたら、 また詰まってしまったんです。さすがに、 2回目はインクが違うということで、メンテナンスしてもらえませんでしたね。あたりまえのことです。それにしても、日本のプリンターは壊れないですよね。海外のプリンターはすぐに 壊れるんです。どっちが良い、悪いではなくて、根本的な考え方が違うんです。海外のプリンターメーカーさんは、壊れたら直せば良い、という感じですね。日本は壊れる前にメンテナンスをする、というメーカーさんもありますし。実験好きの僕としては、海外メーカーのほうが使い勝手が良いと感じることもありますよ。 
 
———捺染プリンターにはまだ関心がありますか? 
以前、捺染を行っている印刷屋さんに見学へ行ったんです。そのときに、もう手を出せるレベルじゃないなと思いました。印刷量がすごく多くて、びっくりしたことをよく覚えています。今のプリンターで充分仕事はこなせますし、捺染に戻る必要もないと考えています。

 

信頼できるクオリティとスピード

———エプソンの昇華転写プリンターを選んだ理由を教えてください。
「SC-F7100」を導入する前は、ずっとほかのメーカーの昇華転写プリンターを使っていたのですが、そのメーカーさんから次の機種が発売されなかったんです。やっぱり、同じメーカーがよかったので、障害があったら自分で部品を交換して、ギリギリまで待ったのですが、限界がきたので他のメーカーさんを探すことにしたんです。 
インク屋さんやメディア屋さんなど、いろいろな方にお話を聞きました。ただ、好みの問題もありますし、一概にコレという答えは出なかったんです。あと、当たり前のことですが、メーカーさんは純正のインクしか使わせてくれません。でも、僕は今まで使っていたインクを積みたかったんです。そうすれば、これまでと色合いを大きく変えることなく仕上げられるかな、と考えていました。 
実は、導入の際、他のインクを使わせてもらうことを条件にしていました。エプソンさんの設計担当の方ともそのような話をしたのですが、インクと本体は純正だからこそプリンター本来の性能を発揮すると言われました。そんなとき、エプソンさんのサインディスプレイモデルの「SC-S30650」を本社に導入したんです。 
稼働しているのを見て、4色機でこのクオリティとスピードならエプソンの昇華転写プリンターを導入してもいいんじゃないかな、と思いました。   
今までは、流れでなんとなく6色機の昇華転写プリンターを使っていたのですが、エプソンさんの4色機でも、あまり画質が変わらなかったんですよ。なにより、ヘッドからインクまで自社純正メーカーである安心感もありますし、保守メニューによりメンテナンスを任せられるのでエプソンさんに決めました。でも、以前使っていたプリンターも一応 2台残しています。弊社は30年続く会社ですので、昔からのお客さんもいます。同じものを再度印刷するときに、色が変わってしまわないようにするためです。  
 
———昇華転写プリンターに求めるものはなんですか。 
主に弊社で作っている装飾は、目の高さではなく、遠くに掲出するものが多いので、 僕はそこまでの画質はなくてもいいと思っているんです。でも、仕上りの最終確認をするのは、デザイナーさんなので、その理由では通用しません。そうなると、やっぱりある程度の画質は必要です。布は、表面の凸凹の間にインクが入ってしまうので、いくら解像度が高くても、はっきりきれいには見えません。溶剤に比べると画質よりスピードが重要ですよね。スピードを出すためには、ヒーターがないといけないので、昔は自分で入れていたんです。昇華転写インクは、水分をもたせた方がきれいに仕上がるので、温度が高ければいいというわけではありません。微調整を重ねましたよ。「SC-F7100」はすでに搭載されているので、自分で改造する必要はありませんでした。オペレーターの担当も、印刷時の詰まりが少なく、印刷中にプリンターのそばに常時いなくとも安心して使えるのがいいと言っていました。

エムワイで製作した色見本。

エムワイで製作した色見本。

 

エプソン販売(株)

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