今月のサイン&ディスプレイ

〈2023.2.10〉TrueVISシリーズ新機種登場「AP-640」「LG-640/540/300」「MG-640/300」

TrueVISシリーズが全10モデルに拡充、
多様化するサイン市場に対応する。

業務用インクジェットプリンターを製造・販売するローランド ディー.ジー.(株)(以下、ローランドDG)は2023年1月26日、大判インクジェットプリンター「TrueVIS(トゥルービズ)シリーズ」の新製品として、レジンタイプの「AP-640」と、UVタイプで優れた生産性を持つ「LG-640/540/300」、そして同タイプで低価格と多機能性を両立した「MG-640/300」の計6モデルを世界同時発表。2022年3月発表のECO-SOLタイプ(4モデル)と合わせて、全10モデルにラインアップが拡充された。

 



ユーザーのニーズへの細やかな対応を実現し、
市場の活性化と成長に繋げる

 

 TrueVISシリーズは、ローランドDGが提供する広告・看板製作用の大判インクジェットプリンターのフラグシップ製品だ。2016年に初代モデルを発売以来、その最大の特長である“見る人の心を動かす圧倒的な表現力”がグラフィック制作のプロから高い評価を得てきた。

 ローランドDGの代表取締役 社長執行役員である田部耕平氏は、今回の新製品投入について『“ビジュアルコミュニケーション”は主にサイン業界におけるビジネスを指しますが、当社の売り上げの47%を占めています。この分野では、ソルベントや溶剤に強みがあり、今後もある程度の成長が見込まれます。しかし、新しいインク技術の投入は、お客様のニーズへの細やかな対応を実現し、またそれは市場の活性化と成長に繋がると信じています。今回のTrueVISのラインアップ拡充にはそういった狙いがあります』と話す。

 また、同グローバルセールス&マーケティング本部 本部長のTony Miller(トニー・ミラー)氏は以下のように語っている。
 『目まぐるしい技術革新や社会変動、あるいは環境問題への意識の高まりなどを背景にして、消費者のニーズが大きく変化してきています。そのような中でサイングラフィックスに求められる役割も多様化してきています。その多様化に対し、当社のTrueVISのラインアップを拡充することでお応えします。
 プリンターの性能やインク技術の進化によって、ひとつのインクタイプでできる仕事の幅は大きく広がっていますが、私たちは場所や用途に合わせて、お客様にとってより相性の良いベストなソリューションをご提供できるよう、お客様の選択肢を増やしていくことが重要だと考えています。人を感動させる最高の画質を持ったTrueVISシリーズのラインアップを拡充することで、きめ細やかにお客様のニーズにお応えしていくことがサイングラフィックスの新しい価値をつくっていくことに繋がり、ひいてはお客様のビジネスの拡大にも繋がると確信しています』。

 今回のTrueVISシリーズは、異なる個性を持った3つのインクタイプをラインアップした。
 新開発のレジンタイプは、メディアの風合いを生かしたナチュラルな表現力を持ち、人や環境に優しいインクの採用により、高い安心が求められる用途に最適だ。次に高精細な出力と特殊印刷が可能なUVタイプは、触って感じられる立体的な表現を創り出し、アート作品の忠実な再現や、点字などのユニバーサルデザインにも力を発揮する。
 そして、ECO-SOLタイプは、ビビットな色彩で、一度見たら忘れられない、ポジティブで強い印象を与えるグラフィックを描き出すという。



 

 

ローランドDG初となる
レジンインクプリンター「AP-640」

 

 ローランドDG初となるレジンインクプリンター「AP-640」は、TrueVIS史上最高画質を誇る同社の溶剤インクジェットプリンター「VG3/SG3」シリーズのプラットフォームを踏襲。7インチの液晶タッチパネルも視認性が高く、非常に使いやすい。最新の水性レジンインクテクノロジー(インク構成:CMYK、オプティマイザー)を搭載し、レジンインクならではの速乾性とメディア対応力、安全性により、屋内外を中心としたサインやリテールグラフィック、店舗装飾ビジネスからニッチな出カビジネス分野まで、幅広い製作ニーズに応える水性レジンインク機となっている。

 AP-640の製品プロデューサーである馬場 亮氏は『画質や発色、使い勝手におけるレジンプリンターの悪いイメージを払拭する新しいレジンプリンターとして開発しました。TrueVISらしい鮮やかで自然な発色での高画質を実現できたと思います。また、本体の正面に搭載した乾燥装置は、ハイパワーでありながら昇温時間や冷却時間に対して、ストレスを感じさせない設計になっています。その乾燥装置によって使い勝手が損なわれないように、ユーザビリティは私自ら使い込んで、とことん追求してきました。画質、スピード、ユーザビリティのバランスが良い、ローランドDGらしいレジンプリンターに仕上がったと自負しています』と自信を示す。

 同機の目玉の一つとして、新型のプリントヘッド(ピエゾ方式)を採用したことを挙げたい。ローランドDGとしては久々のスタガ配列で、非常に高い生産性を実現し、最高解像度は1,200dpiとなっている。また、インク乾燥システムも新しく開発。エアカーテンを形成することで温めた空気を逃さずに、安定した出力をサポートするという。
 なお、「VG3/SG3」シリーズでも高い評価を得ているカラー設定「True Rich Color 3」と組み合わせることで、非常に高発色な印刷が実現できる。バリアブルドット技術により、CMYKの4色でも非常に優れた中間色のグラデーションを再現可能だ。インクカートリッジはパウチ交換式(容量700ml)を採用。インクパウチを巻き上げるスプリング機構でインクを無駄なく使用できる。

 

 

 

 

“出カスピード”に強みを置いた
UV-LEDプリント&カットマシン「LG-640/540/300」

 

 TrueVISシリーズの中でも“出力スピード”に強みを置いたUV-LEDプリント&カットマシン「LG-640/540/300」。UV-LEDランプでインクを硬化させるため、熱に弱いメディアやインク受理層が無いメディアなど多様な素材に印刷ができ、さらに速乾であるため、出力後すぐに後加工や施工をすることが可能だ。
 プリントヘッドのレイアウトは、同社のUVプリンターとしては初のスタガ配列を採用しており、生産性も高い。
 また、ニス(光沢)・マット・テクスチャなどの表現ができるグロス(透明)インクと、高濃度な白インクにより特殊表現を可能にし、プライマーインクが素材に対するインクの密着性を向上させる。加えてオレンジ・レッドインクが、目を奪われるような圧倒的な広色域表現を可能にしてくれる。

 元々UVは発色性が高いのが特徴の一つだが、同機はそれに輪をかけて発色性が高いという。インクタイプは7種類から選択可能で、例えば生産性重視であれば、CMYKをダブルで搭載して生産性を上げるなど、ウィンドウディスプレイからラベル、電飾までマルチに活用できるプリンターとなっている。

 

新規導入や買替検討中なら
価格を抑えたエントリーモデル「MG-640/300」

 

 ハイエンド機である「LG」に対して、価格を抑えたエントリーモデルが「MG-640/300」で、「LEC2」の後継機種にあたる。エントリーモデルと言えど、LEC2シリーズの優れた品質や機能はそのまま継承。オプション類も従来のものが引き続き使用でき、非常に扱いやすい製品となっている。小さな文字や精細なテクスチャ、グラデーションなども細部まで高精細に表現可能だ。

 さらに特殊印刷を可能にするグロス(透明)インクや、高濃度の白インク、インクの定着力を向上させるプライマーインク、高発色のオレンジ・レッドに加え、粘着層を形成する「UVデカール用プライマー」と伸縮性に優れた「EUVSインク」を選択することができるようになり、用途対応力と機能性が向上した。UVプリンターの導入や買い替えを検討中のユーザーにおすすめだ。

 なお、ローランドDGでは、ユーザーのプリンターから得られる情報を活用し、プリンター稼働状況の可視化・最適化、オペレーションの自動化を行えるコネクテッドサービス「Roland DG Connect」を提供している。
 同サービスは、WebブラウザおよびiOS/Androidアプリから利用可能で、全世界137ヵ国・7,000名を超えるユーザーが活用、国内の登録台数は600台を突破したという(2023年1月26日現在)。今回の新製品はもちろん、ほぼ全てのサポート期間中のローランドDG製品を繋げることができる。


【問い合わせ】
ローランド ディー.ジー.(株)コールセンター
静岡県浜松市北区新都田1-6-4
Tel.0120-808-232
E-Mail:rdg-info@rolanddg.co.jp
https://www.rolanddg.co.jp

この記事を見た人はこんな記事を読んでいます