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<2020.4.23>ローランドDG初となる ワイドフォーマットUV機

▲ ローランドDG初のワイドフォーマットUV-LEDフラットベッドプリンター「IU-1000F」。最大1,310×2,510mm、厚さ110mmまでの多種多様な素材に対応する。CMYK、ホワイトに加え、クリア、プライマーの7種類のインクを組み合わせて搭載可能なのも同機の特長だ。

 

大型機でありながら高画質・高生産性を実現


 業務用インクジェットプリンターを製造・販売するローランド ディー.ジー.(株)(以下、ローランドDG)は、同社初のワイドフォーマットUV-LEDフラットベッドプリンターとなる「IU-1000F」を2020年3月に発売。JAPAN SHOP 2020では、この「IU-1000F」を国内初披露する予定だった。
 昨今、広告看板やイベント装飾、店舗ディスプレイなどのコミュニケーションツールが短期化・多様化しており、サイン・ディスプレイ業界においても、迅速な対応力で、幅広いサービスを一手に担うことができる体制(ワンストップショップ)への転換が求められている。そうした中、より効率的なプロセスで様々な材料に印刷でき、幅広いアプリケーション対応力に優れたUVフラットベッドプリンターが注目を集め、導入が進んでいる。
 今回、ローランドDGが発売した「IU-1000F」は、最大1,310×2,510mm、厚さ110mmまでの多種多様な素材に対応。最大635×1,800dpiの高解像度と、3つのサイズのインクを最適に打ち分けるバリアブルドット印刷技術に対応しており、プリントヘッドを12個、3列にレイアウトすることで、高画質な印刷を高速で実現可能だ。屋内の広告やディスプレイで標準的に使用される4’×8’(1,220×2,440mm)のボード素材への印刷を、標準モードで1時間あたり約15枚、高品質モードでも約10枚を完成させることができるという。
 同社日本セールス部 国内マーケティングユニットの神谷智之氏は、『これまで海外では、地域パートナーとの協業(Co-Creation)により、UV-LEDインクジェットプリンターの「LEC」および「LEJ」シリーズをカスタマイズしたフラットベッド機を販売していたことはありますが、正式なかたちで発表したのは今回のIU-1000Fが初めてです。IU-1000Fの最大の特長は高画質プリントと生産性の高さです』と語る。
 また、同ユニットの渡邊浩二氏も『5pl(ピコリットル)、7pl、15plの3つのサイズを打ち分ける「バリアブルドット」を採用していますので、高品質な写真画質、滑らかな階調、高濃度なベタ印刷を同時に表現できます。4’×8’サイズだと標準モードで48.5㎡ /h、最大116.3㎡ /hの生産性があります』と画質と生産性の高さに自信を示している。

 


▲ 3つのサイズのインクを最適に打ち分ける「バリアブルドット」を採用。高品質な写真画質、滑らかな階調、高濃度なベタ印刷を同時に表現できる。

 

7種類のインクを組み合わせられる

 「IU-1000F」は搭載可能なインクの組み合わせにも特長があるようだ。これについて神谷氏は以下のように話す。
 『CMYKとホワイトという組み合わせはよくあると思いますが、それらに加え、クリア(グロス)とプライマーも搭載することができます。通常、CMYKとホワイトは標準搭載で、あとはクリアと何かとか、プライマーと何かといった感じで、7種類のインクを一つの本体で組み合わせられるプリンターはなかなか無いと思います』。
 ホワイトインクはデザインの意匠性を高め、さらに色の付いた素材や透明の材料などに印刷を行う場合でも下地として活用できる。また、クリアインクは、リアルな質感を持つテクスチャや厚盛印刷、光沢仕上げや艶消し仕上げなど特殊な印刷表現が可能だ。プライマーインクを使えば、印刷できる素材の可能性も広がるだろう。
 もうひとつ、「IU-1000F」には「イオナイザー」という機能が搭載されている。渡邊氏は『イオナイザーは、イオンを放出することで静電気を抑制して、ホコリの付着を軽減してくれます。そのため、常に高い吐出精度を保ち、より確実な高画質プリントを実現します』と語る。やはり、画質へのこだわりはかなり高いようだ。

 

▲ 様々な厚みのある素材に直接印刷が可能。アクリル、PETG、PVCボード、スチレンボード、ポリカーボネート、木、プラスチック製ダンボール、アルミ複合板、さらにプライマーインクを使用することで、従来難しいとされていた金属やガラスなどにも印刷できる。

 

 

ユーザーフレンドリーなプロダクトデザイン

 ローランドDGでは現在のUVや溶剤プリンターに限らず、水性プリンターの時代から画質に重きを置き、製品開発を行ってきたという。これはもちろん「IU-1000F」にも踏襲されている。加えて今回、操作が難しいイメージの大型機において、操作性も重視。4系統のメディアバキューム機能は、素材をセットしたエリアのみ有効にできるため、効率的な作業をサポートしてくれる。
 また、ワンボタンでアップ/ダウンするピンにより、素材を押し当てるだけの簡単作業で印刷原点合わせができるため、素材の入れ替え作業も短時間で完了。インクタンクや操作パネルなども製品本体前面に集中して配置されているので、オペレーションが効率的に行えるという。『IU-1000Fは使いやすさにもこだわりました。大型機をずらっと並べて使用されている企業様、さらには、現在小型機を持たれていて、新たに大型機の導入を検討されている企業様にもお勧めできる製品です』と神谷氏。なお、同製品は本社(静岡県浜松市北区新都田1-6-4)に展示。実機を見てみたいという方は下記まで連絡を。


【問い合わせ】
ローランド ディー.ジー.(株)
東京都港区浜松町1-18-16 住友浜松町ビル10F
Tel.03-5733-4410 Fax.03-5733-4412
https://www.rolanddg.co.jp

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