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インクジェット出力現場の声/株式会社ギケン

想像を超える色域の広さ、質感も再現できる革命的な画質を実現。

インクジェットプリンター(以下、IJP)やメディアの販売代理店であり、印刷業も行う(株)ギケン。同社は、建築業の看板部門から、平成18年に独立し現在に至る。今回は、ギケンでも取り扱っている2019年3月に発売されたローランド ディー.ジー.(株)(以下、ローランドDG)の溶剤インクジェットプリンター「TrueVIS VG2-540(以下、VG2-540)」の魅力について、同社の代表取締役である松本雅彦氏に訊いた。

▲「 TrueVIS VG2-540」

▲ 出力現場の様子。




ノウハウも提供する販売代理店


———はじめに、ギケンの事業内容を教
えてください。


 大判プリンターやメディアの販売と、印刷業を行っています。昔、まだカッティングマシンが何千万円とする時代に、カッティングマシンで加工したものを売りながら、機械の販売も行っていたんです。そうすることで、ノウハウも提供することができます。そのうちに、ローランドDGからインクジェットプリンターとカッティングマシンが1台に集約された「CJ-70」が発売され、これはすごいと思い、導入しました。そこからずっとローランドDG製品を使っています。

———お客様が競争相手になってしまうことはありませんか?


 それに関しましては、当社としても気をつけているところです。当社の場合は、エンドユーザーさんには営業しませんし、仕事が来ても基本的には引き受けません。競争相手から機械を買うわけがありませんから。エンドユーザーさんには、まずは看板屋さんに依頼してもらって、当社はその看板屋さんから仕事を引き受けるといった流れですね。
 看板屋さんの中にはカッティングマシンを持っているけど、インクジェットプリンターは持っていないという方も多いんです。また、急な案件も多いので、そういった要望に対応できるようにしています。
 さらに、当社から買ってもらったプリンターにトラブルが発生した場合、データを送ってもらって、うちで出力することも稀にあります。販売代理店と印刷の両方を行っているからこそできることだと思います。


性能高く、はっきりと良さを伝えられるプリンター

———「VG2-540」を使った感想をお聞かせください。


 
ものすごく性能が良くなったなと感じました。「VG2-540」の前身である「TrueVIS VG」も使いましたが、その時は、実はあまり評価していなかったんです。
 ですが今回、「VG2-540」を使ってみて、その差に驚きました。画質も速度も桁違いに良くなっていましたし、低価格なのも嬉しいですね。
 速度が上がると、生産性も上がります。今まで時間をかけていた作業がショートカットできるので、これまで億劫だった作業が簡単に行えるようになり、単純に時間が短くなっただけでなく、精神的にも楽になりました。
 色に関しては、色域がかなり広くなっています。夕日のオレンジや芝生の緑、空の青が突き抜けて自然な色になります。これまで空の青には、少し黒インクが混ざっていたんです。しかし「VG2-540」では、黒をオレンジで補うので、透明感のある自然な空の色になるのだと思います。
 また、薄く透き通った絹の質感や重さのある麻布の質感、そういった質感も表現できるようになりましたね。


———新インクは、どうでしたか?

 乾燥が早くて生産性が高いです。これまで使っていたローランドDGの「ECO-SOL MAX 2インク」と比べ、速乾性が2倍になっているように感じます。塩ビメディアだと、どの機械でもそんなに不便に感じないのですが、紙メディアは乾くのが遅いんです。これまでのインクでは、印刷スピードを下げて、夜から朝まで時間をかけてゆっくり印刷しても乾き切らず、くっついていたりするんです。時間もないのにどうしよう、ということが今まではありました。しかし、新しい「TrueVIS INK」を使えば、紙メディアにも、塩ビメディアと同じように印刷することができます。
 「VG2-540」は、売る側としても、はっきりとおすすめしやすい。ここが良いですよとしっかりとお伝えできるプリンターです。


▲ 「 TrueVIS VG2-540」で出力している様子。広い色域でこれまでにないグラフィック表現が実現できる。




革命的な色域の広さ

———「VG2-540」を納入された企業はありますか?(2019年5月20日現在)


 実はまだお客様にはすすめていないんです。機械の良いところは把握していますが、先述の通り、当社はノウハウも提供しています。なにかトラブルがあったときに、すぐにお返事ができるようにしておく必要があります。まだ自分たちが使い始めたばかりなので、もっとしっかり機械を把握するまでは、お客様への提案を控えています。
 また、どのプリンターもそうなのですが、機能性が上がってくると、それを使いこなせる人と、使いこなせない人が出てきます。難しくて使いこなせないというよりは、時間などに追われてなかなか手がつけられず、そのままになってしまうことが多いと思います。このプリンターは革命的な機械なので、はじめは少し戸惑うかもしれません。ですので、しっかりプリンターの良さをわかってもらってから導入していただく必要があると思います。

———具体的に、どのような戸惑いがあるのでしょうか?


 簡単に言いますと、レーザープリンターで出力したカンプは、ディスプレイの画面上で見たときよりも、濃い色に振られてしまい、かなり色が異なっているんです。ただ、使われている方もこれに慣れてしまっているので、レーザープリンターはこういうものだと、色の差を頭の中で補正しているんです。出力しなくても、ディスプレイで表示されたこの色は、このメーカーのプリンターで出力するとこうなるだろうな、といった具合に。これを意識せずにみなさんやっています。
 しかし、「VG2-540」は色域が広いのでディスプレイと同じように出力することができるんです。出力会社さんは無意識に頭の中で色を置き換えているので、はじめのうちは「あれ?」と思うかもしれません。ディスプレイの色とは近いけど、レーザーで出力したカンプとは異なっていますから。
 じゃああまり良くないんじゃないの? というと、そうではありません。もうこれは色の革命なんですよね。
 「VG2-540」をうまく使いこなすことができれば、見る側に今まで以上のインパクトを与えることができます。まずは、デザイナーさんに美しく出力できるということを伝えることが重要です。デザイナーさんは色のプロですから、3%の違いでも気にされます。でも、これまでのプリンターでは再現できなかったので諦めていたと思うんです。これが今の業界の主流なので、まずはデザイナーさんに色が出せるようになったということを伝えるところからだと思っています。
 あと、これは性能が上がったゆえに生じる問題なのですが、色域が広すぎるという悩みがあります。
 先ほどからお伝えしていますが、とにかく色がきれいすぎるんです。ですので、例えば、2枚並べて貼っている看板の、1枚だけ出力し直すと、これまであったものが、汚く見えてしまうんです。新規の看板では問題ありませんが、継続の仕事などでは注意が必要だと思います。
 ただ、やはり、一度きれいな色を知ってしまうと、もう戻れないでしょうね。

———今後の展開を教えてください。


 「VG2-540」の良さは、使ってもらわないと、わからないと思います。使ってもらうには、売るしかないと考えています。
 「VG2-540」はカッティングマシンとしても、完成した機械ですので、古いカッティングマシンとインクジェットプリンターを持っているなら、「VG2-540」1台に買い換えるのも良いと思います。最も性能の良いカッティングマシンを買うつもりで導入すれば、決して高価ではないと思います。


【問い合わせ】
(株)ギケン
静岡県静岡市駿河区豊田3-2-33
Tel.054-283-8286 Fax.054-283-8448
E-mail:giken@solid.ocn.ne.jp

【問い合わせ】
ローランド ディー.ジー.(株)
東京都港区浜松町1-18-16 住友浜松町ビル
Tel.03-5733-4413
https://www.rolanddg.co.jp/

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