(株)Specteeは、ディープラーニング(人工知能技術)を活用して、より人に近い音声で原稿を読み上げたり、会話もできるAIアナウンサー「荒木 ゆい」のβ版をリリース。2017年12月末まで法人企業向けに無償で提供する。また、11月15日から17日まで幕張メッセで開催される「Inter BEE 2017」で展示公開を行う。
AIアナウンサー「荒木 ゆい」は、実際にアナウンサーが読んだニュース音声約10万件を同社が開発した人工知能エンジン「Spectee AI」で機械学習し、様々なニュースのシーンにおける、より人に近い自然な発音、アクセントやイントネーションを習得し、自動で原稿を読み上げるバーチャル・アナウンサーだ。正しく自然に読み上げるだけではなく、日本の様々な難読地名や同形異音語(同じ表記でも読みが異なる語)の読み上げ、また読み分けも可能。例えば、「日本橋」は東京と大阪に存在しますが、東京の場合は「ニホンバシ」、大阪の場合は「ニッポンバシ」となる。「荒木 ゆい」は、文脈からどちらの「日本橋」について言及しているかを判断し、「ニホンバシ」または「ニッポンバシ」と読み分けることができる。
さらに、会話もできる。相手の質問内容を理解し応答する機能を備えており、現在はまだ簡単な会話応答のみではあるが、将来的にはニュースの当事者に対してインタビューを行うことができるように開発を進めているという。
Specteeでは、報道機関向けにニュース速報サービス「Spectee」を通じて、2017年5月に日本で初めて音声による自動読み上げ機能を実装し配信。また、自動読み上げだけでなく、自動でニュース記事を作成するAI技術も併せて開発。これにより、自動でニュース関連情報を収集し、記事を作成、読み上げまで行うことで、ニュース制作を一気通貫で行える技術の開発を進めている。この技術を開発することで、報道現場のコスト削減につながるだけではなく、たとえば災害時の長時間放送をAIアナウンサーが休むことなくニュースを読むことができるなど、報道現場の働き方改革にも貢献できる。