機械を売るだけではなく、新たなビジネスモデルを提案する。
日本製図器工業(株)(以下、NSK)は、設計・印刷から後加工までのトータルソリューションを提案している。今回はNSK取扱い製品「Artios CAD」「Kongsberg」「Durst」のユーザーである(有)栗原化工、またそれらに加え「Re-board」を取り扱うスリーオーサプライ(株)にインタビュー。導入の経緯や現場からの反響などを語ってもらった。
▲ スリーオーサプライに納入されている「Durst Rho P10 160」。
▲ 栗原化工に納入されている「Durst Rho P10 160」。
元々は樹脂屋だった
——栗原化工の、創業から現在に至るまでの経緯を教えてください。
元々は樹脂の卸しと断材のみをやっていたのですが、そこから二代目(現社長)に代変わりしまして、事業拡大にあたり設備投資を一番に考えて動いてきた結果、樹脂の卸しと断材のみにとどまらず、手広く仕事ができるようになりました。
——スリーオーサプライについて教えてください。
スリーオーサプライでは「Re-board」の取り扱いをしております。樹脂加工は栗原化工、紙製品加工はスリーオーサプライで行っております。
——NSK製品を導入したきっかけを教えてください。
初めは、代理店の内覧会で拝見したことがきっかけでした。
「Kongsberg」1号機の導入は10年前ですが、当時はこの業界では考えられないことでした。PET塩ビの断材のみ、ましてや、当時はアクリルも取り扱いのない会社だったのが、「Kongsberg」を導入することにより、サンプル作りに力を入れることができ、それから段々と仕事が増え、量産機としても使えるようになりました。
そのあとに「Durst」を導入し、それに続き「Kongsberg」2号機、最後に「Durst」2号機、「Kongsberg」3号機を導入しました。
——NSK製品を使って造られた製品は、どういうものが多いですか?
大手百貨店やポップアップショップなどに、ディスプレイやアクリルのキーホルダー、等身大パネルなどを納入しています。特にキャラクターグッズなどが多いです。
10年使っていても、機械が止まったのは1回のみ。
◀︎▲ Kongsberg(栗原化工、スリーオーサプライ)
——「Durst」のどういう点を重宝されていますか?
生産性と、壊れない安定性です。そして、印刷面をレーザー加工してもインクが割れないなど、印刷後の加工が簡単にできる点が助かっております。また、小さいものの加工などにも適しており、幅広いサイズに対応できる点も特長です。
——「Kongsberg」のどういう点を重宝されていますか?
一番はやはり壊れないというところです。10年間のうち、機械が止まってしまったのは、たったの1回だけです。社内で使われている機械の中で最も評価が高いものでもあります。また、「Durst」もメンテナンスに来てもらったのが1〜2回くらいで、非常に優秀です。
さらに、樹脂などは硬いので、普通の加工機だと断材する時に軸ずれを起こすことが多いですが、「Kongsberg」は、そういった硬いものを切ってもずっと正動を保っています。稼働スピードも早く、生産性が高いところも重宝しています。
既存クライアントへの新しい提案ができた
▲ スリーオーサプライ社内には、durst、Kongsbergを使って作られたアクリル製品や、
Re-boardを使って作られたディスプレイなどが並んでいた。
——「Re-board」を使うことによって実現できたことを教えてください。
3年前くらいから、エコの流れが非常にこの業界で話題となっておりまして、その時に代表が「Re-board」を拝見し、「次の時代はこれだ」ということで、導入をはじめました。
今まで樹脂などをメインに提案させていただいていたお客様に対して「Re-board」を提案すると、予想より興味を持っていただき、仕事の幅が広がりました。また、「Re-board」でしか知り合えなかったお客様から、新たに樹脂の仕事もいただけるようになりました。
——既存のクライアントには「Re-board」をどのように提案されましたか?
主にディスプレイなどのご提案ですが、既存什器の置き換えとして、木工やアクリルの什器の一部を「Re-board」に置き換えることなどもご提案しています。
——「Re-board」についてお客様からの反響はどうでしたか?
大変ご好評いただいております。ひとつはオリジナルの什器を作れるところですが、“限られたスペースに完全に収まるような什器を作りたい”、“オリジナルのカラーで作りたい”、など、そういった声に対応できる点が非常に喜んでいただけます。
展示会などでも、自分たちのオリジナル什器でブースを作りたいという企業様にお応えできたことも大いに喜ばれました。それまではその都度新しいものを作ってはその場で捨てなければならなかったり、“ずっと作りたかったけど、どこに頼めばよいかわからない”との声があったようですが、「Re-board」でそれらをご提案することができました。
また、「Re-board」は軽く、簡単に持ち運べますので、例えばそのまま海外に送って海外で使われているお客様もいらっしゃいます。さらに修理も、パーツだけ送れば、そこだけ差し替えることが可能です。
実は、軽量という点がお店の店員さんたちに一番喜ばれているようです。模様替えなどで移動する際に、鉄製などのディスプレイは移動が難しいのですが、これだと一旦しまっておくこともできます。「Re-board」什器は組み外せて、平にできることが売りだとお伝えしているのですが、実際に現場だと、軽いからバラさずにそのまま運べますので、女の人でも簡単に持てるというところが好評いただいています。
——NSKとの協力で実現したことを教えてください。
元々は樹脂屋であった弊社が「Re-board」を取り扱っていることは、業界的にも新しいことです。NSK様に、機械だけでなく新しいビジネスモデルを提案いただいたことで、全く違う分野に飛び出せております。
【問い合わせ】
日本製図器工業(株)
Tel.03-3276-3276(東京)
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sales@nsksystem.co.jp
(有)栗原化工
東京都足立区平野1-20-14
Tel.03-3883-3048
Fax.03-3858-0698
http://www.kurihara-kakou.co.jp/
スリーオーサプライ(株)
東京都足立区平野1-26-25
Tel.03-5809-6485
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