2020年10月10日、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」内に新アトラクションエリア「ゴジラ迎撃作戦 ~国立ゴジラ淡路島研究センター~(以下、ゴジラ迎撃作戦)」(約5,000㎡)がオープンした。
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▲ 実物大ゴジラの体内へ突入するジップラインはスリル満点。日が沈むと、フルカラーLEDによる演出で迫力が一層増す。TM & © TOHO CO.,LTD.
ゴジラの口腔から体内に突入するスリル満点の「ジップライン」
「ゴジラ迎撃作戦」は、淡路島に上陸した全長約120mの世界最大・実物大ゴジラをテーマにした世界唯一のエンターテインメントアトラクションだ。同施設を運営する(株)ニジゲンノモリは、『当社では、日本のクールジャパンコンテンツを活用したアトラクションを通じて、淡路島への国内外の観光客誘致に繋げたいと考えています。今回日本を代表するコンテンツであり、国内外で絶大な人気を誇るゴジラをテーマにすることで、より多くのお客様にお越しいただきたいと思っています』と話す。
「ゴジラ迎撃作戦」ではゴジラの世界観を再現、参加者は国立ゴジラ淡路島研究センターの一員として、専用ハーネスを装着し実物大ゴジラの口腔から体内に突入するスリル満点の「ジップライン」〔高濃度の蒸気と閃光の中、ゴジラの体内に突入する「体内監視コース(162m)」と、巨大ゴジラの体表に接近して滑走する「体表監視コース(152m)」の2コース〕や、周囲に飛散したゴジラ細胞を殲滅(せんめつ)する「対ゴジラ細胞シューティング」などを体験できる。
なかでもジップラインの実物大ゴジラは圧巻だ。映画「シン・ゴジラ」(2016年)に登場した全長118.5mのゴジラで、上半身と右手、尻尾の一部を地中から突き出した姿を再現しており、地表から見える上半身のサイズは、全長が約53m、幅が約25m、高さが約23mに達する。
▲ ジップラインは、ゴジラの体内に突入する「体内監視コース(162m)」と、巨大ゴジラの体表に接近して滑走する「体表監視コース(152m)」の2コースが用意されている。TM & © TOHO CO., LTD.
体内の鼓動や唸り音と合わせて光がゆっくりと明滅、
今にも活動を始めそうな演出
今回、「ゴジラ迎撃作戦」の企画ディレクション、デザイン・造形監修を行った(株)乃村工藝社の川原正毅氏(クリエイティブディレクター)は、『二本足で立つと頭まで全長約120mあるゴジラを実物大で、かつ、ゴジラの象徴である顔をどう見せるか? 実現するためのランドスケープデザインやストーリー性にこだわりました。谷に追い込み、落とし穴に落ちたゴジラを活動抑制剤で固めるという作戦の設定はそこから生まれています。半分地中に埋まることで実物大ゴジラの口の中に飛び込むジップラインという唯一のアトラクションが誕生しました』と話す。
また、同社の豊田裕基氏(造形デザイナー)は、『造形物に飛び込むジップラインは世界的に例があまりないため、安全上の検証を徹底して行いました。造形の原型は、ゴジラという虚構の生物に臨場感を演出するために、実在しているもののテクスチャや構造を参考にしています。
そのためジップラインでは、世界最大・実物大ゴジラのリアリティある造形を間近に見ていただける、ここでしか味わえない面白さがあります』と語っている。
ゴジラ造形内から発せられる唸り・心臓の鼓動音は、巨大な生物から出ているものに違和感がないような音響を制作したという。『実際にゴジラの心臓音は、GMK(ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃)のラストシーンを参考に、この巨躯を動かしている力強さを意識しました』と豊田氏。さらに乃村工藝社は、照明についても東宝(株)と何度も検討し、生物感のある光現の色味や光り方を模索。体内で鳴っている鼓動や唸りの音と合わせて、光がゆっくりと明滅し、今にもゴジラが活動を始めそうな演出を施している。ニンゲンノモリは『日本のマンガ・アニメなどのクールジャパンコンテンツを活用したアトラクションやイベントを、順次展開していきます。そして小さなお子様から、大人まで様々な層のお客様に楽しんでいただける施設を目指します』と今後の抱負を語る。
▲ 『国立ゴジラ淡路島研究センターにいるような没入感を演出するため、グラフィックも細部にまでこだわり、リアリティーを出すためにサインもステンシル文字にしました』と乃村工藝社の帖佐泰行氏(チーフデザイナー)。このアトラクションのロゴやキービジュアルも同社で手掛けている。TM & © TOHO CO., LTD.