カラー+ブラック+ホワイト+カラーの4層印刷で看板市場に新たな可能性を創造する。
(株)ミマキエンジニアリングは、「サイン&ディスプレイショウ2017」(会期:2017年8月31日~ 9月2日)の開催にあわせて新製品を発表。UV硬化インクを搭載し、プリントとカットを1台で行えるインクジェットプリンター「UCJV300-160」および「UCJV150-160」(以下「UCJV300/150-160」)を同年11月より販売開始する。
▲ UV硬化インク搭載 プリント&カット対応インクジェットプリンター「UCJV300-160」
4層プリント×内照式LED照明が昼と夜でイメージを変化させる
今回発表された「UCJV300/150-160」は、仕事の効率向上、使いやすさと環境への配慮を追求したRoll to RollタイプのUVインクジェットプリンターだとミマキエンジニアリングは話す。最大の特長は「カラー」+「ブラック」+「ホワイト」+「カラー」といった4層プリントが可能(※1)となったことだ。内照式のLED照明と組み合わせれば、背面から光を当てた際にデザインが変わる「Day & Night Printing」を実現できるという。昼と夜、表と裏でイメージを切り替えるなど、これまでの看板では表現が難しかった新しい広告手法を武器に、付加価値の高い仕事が可能になるだろう。
また、新たにIDカット機能を搭載し、さらに充実させたプリント&カット機能は看板用途のほかステッカー、ラベル、パッケージ用途にも活用できる。
(※1)4層プリントは、ホワイトインクを搭載できる「UCJV300-160」でのみ可能。
環境に配慮した新開発インク
インクは、UV光(紫外線)を照射すると瞬時に硬化するUV硬化インクを採用。一般的なソルベントインク搭載プリンターに比べて、インクの乾燥時間を必要としないことから、プリント後即座にラミネート加工や施工が可能なのが特徴だ。製作時間を最大90%短縮し、短納期の仕事も逃さず柔軟に対応できる。また、塩ビメディアやターポリンなどにとどまらず、布や紙、PETフィルムといった幅広いメディアにプリント可能なので、のぼり旗やPOP製作などの仕事も併せて受注することができるだろう。
そして、濃度の高いプリントが可能なのもUVプリントの強み。色の鮮やかさは、見る人をより惹きつけ、看板の価値を高める大きなアドバンテージとなる。
なお、今回採用しているUVインクは、環境に配慮し新たに開発された「LUS-170」。VOCがほとんど発生せず、オゾン発生の原因となる短波長の紫外線を照射しなくても硬化する環境対応のUVインクだ。イエローインクは、通常のイエローインクに含まれるニッケル化合物が入っていない環境に配慮したニッケルフリーインクとなっている。さらに世界で最も厳しい化学物質拡散の規格に基づき、学校や医療機関などにも適した製品であると保証される「GREENGUARD Gold認証」にも申請中とのことだ。
「IDカット機能」で作業効率UP
「UCJV300/150-160」の充実したカット機能にも注目してほしい。①連続トンボ読み取り機能 ②オーバーカット/コーナーカット機能(切り残しを防ぎ、シャープなカットを実現) ③中間トンボ機能(中間にトンボを付けることで長尺の画像を正確にカット) ④ゼロマージントンボ機能(トンボ間の余白を無くしてメディアの無駄を削減)など、各機能を仕事に合わせて選択できる。
そして今回、新たに搭載されたのが「IDカット機能」だ。トンボとともに、カット情報とメディアの回転情報を記録したIDを同時にプリントし、プリントデータごとのカットデータを自動的に読み込んでカットするというもの。少量多品種のデータの場合も、メディアセット向きの確認の手間を省き、オペレーターがデータごとにRIPソフトウェア上でカット指示を行う必要がなくなる。データの送付ミスなどによるメディアの無駄も削減することができるだろう。
RIPソフトウェアがパワーアップ
今回、ミマキエンジニアリングのRIPソフトウェアがパワーアップ、「UCJV300/150-160」とあわせて「RasterLink6Plus」が提供される。「RasterLink6Plus」を使用することで、同ソフトウェアのAdobe Illustratorプラグインツール「RasterLinkTools」によって、Illustratorの操作画面上で、4層プリントの仕上がりを確認できるようになる。プリント前にPCのモニター上で内照式照明のON/OFF両方の状態を確認することができるため、プリントのやり直しを防ぎ、仕事の効率アップに貢献してくれる。
さらにRIP処理機能も強化し、バージョン1.5以上のPDFデータに対応。透明効果を含むPDFデータも元データ通りに忠実にプリントすることが可能だ。
純正ウォームラミネーターと純正ラミネートフィルムを同時発売
「UCJV300/150-160」の販売開始に伴い、純正ウォームラミネーター「LA-140W」「LA-160W」の販売を「UCJV300/150-160」同様、2017年11月より開始する。
「LA-140W」「LA-160W」は、最大スピード7,500mm/分(※2)の高速作業を実現し、UVプリントへのラミネートにも対応可能なラミネーターだ。UV光によって瞬時にインクを硬化し、乾燥時間を省くことができる「UCJV300/150-160」と併せて使用することで、よりスピードを重視した仕事にも対応できる。
また、同時にUVプリントへのラミネート時のシルバリング(※3)を軽減する純正ラミネートフィルム「Mimaki Vision Laminate 310-137(Gloss)(以下MV Laminate 310)」の販売も開始する。
従来のラミネートフィルムでは、インクの凹凸ができやすいUVプリントへのラミネート時に、シルバリングが発生しやすいという問題があった。「MV Laminate 310」は、従来のラミネートフィルムに比べて柔らかい粘着剤とコシの弱いフィルムを採用することで、UVプリントへのラミネートもシルバリングの発生を軽減することができ、プリント本来の美しさをそのままにラミネート加工が可能だという。
(※2)電源が50Hzの地域では最大スピード6,000mm/分となる。
(※3)ラミネート時に発生する空気の巻き込みによるグラフィックの白化現象のこと。
▲「LA-140W/160W」
1,000万色以上のフルカラー造形を実現!! ミマキの3Dプリンターいよいよ発売。
▲「3DUJ-553」
ミマキエンジニアリングのUV硬化インクジェット方式3Dプリンター「3DUJ-553」の発売時期が2017年11月に決定した。
同社は、2015年に3Dプリンター事業への参入を発表しており、事業の第一弾として自社開発の3Dプリンターを使用した、フルカラー造形物の出力サービスを展開。それと平行して3Dプリンターの製品化に向け開発を進めてきた。そして今回、「3DUJ-553」の製品発売が正式に発表された。
「3DUJ-553」は、同社がこれまでの2Dの高画質業務用インクジェットプリンター開発で培ってきた技術を活かし、世界初となる1,000万色以上のフルカラー造形を実現。造形後の色付けでは難しかった豊かな色彩表現により、立体造形のオブジェクト看板や建築模型といった最終製品用途で活用できる。例えば、3D造形によるリアリティある立体モチーフと2Dを組み合わせたオブジェクト看板は、一目で認識できるわかりやすさと存在感を備え、サインとしての効果を格段に高めるだろう。
▲ 3D造形によるリアリティある立体モチーフと2Dを組み合わせたオブジェクト看板。
こちらの情報は月刊サイン&ディスプレイ2017年9月号で掲載しております。
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