時代の波に乗ってきた45年間、
次は自ら波を起こして世界シェアNo.1へ。
ラミネーターの開発・販売を手がける(株)ラミーコーポレーションは1980年10月に設立され、今年で45周年を迎える。長年にわたり成長を続けている理由の一つに同社は、時代の波に乗ったことを挙げている。今回は2月28日に開催された創立45周年記念パーティーの会場で、その“時代の波”について、また同社の事業展開や強みなどを、代表取締役社長の岸田洋平氏と創業者であり、会長の奥野 明氏に訊いた。▲ 2025年2月28日には、アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉で「創立45周年記念パーテイー」が開催された。各界より総勢100名近い出席があり、会場は大いに盛り上がった(参加者による集合写真)。
45年の歴史を振り返る
ラミーコーポレーションが設立した当時、まだ日本にはラミネートが普及していなかった。ラミネート加工には専用の機械を用意しなければならず、当初取引先から仕入れていたものが高額だったため、さらなる普及を目指して自社でラミネーターを開発。そして、製造、販売を開始した。奥野会長は45年を振り返り、次のように語っている。
『設立からこれまでに大きな時代の波が3つありました。1つ目はVHSの誕生です。VHSが世間に浸透し、レンタルビデオ店が流行ったとき、店で使う会員証にラミネートをするということで、当社のラミネーターが売れました。これがラミーコーポレーションの基盤になったと思います。2つ目はオリジナルテレフォンカードの登場です。テレカに写真を貼るのにラミネーターを使うということで、当社の製品がまた売れました。
そして3つ目は、インクジェットプリンターの誕生です。これは業界がひっくり返るほどの出来事でした。印刷物の表面を保護する目的で、ラミネーターは大きな需要がありました。この時、パチンコ店からも問い合わせがあり、それは「これまで外注で作っていたものを、これからは内製化してオリジナルデザインのものを作りたい」という内容で、パチンコ店とも取り引きが増えました。
これらの3つの波にうまく乗れたことが、当社がここまでやってこれた理由だと思います』。▲ 創業者である、会長の奥野 明氏。
需要激減の中で生まれた
ラミネートの新たな活路
うまく時代の波に乗れたことで、45年間もの間、会社を続けてこられたと奥野氏は語るが、“時代の波”には悪い波もある。最近で言えば、やはり新型コロナウイルスの流行だろう。しかし、同社はこの悪い波も冷静に分析し、迅速な対応を図った。
コロナ禍で、パチンコ業界やホテル業界、飲食店などが大きなダメージを受け、人が集まるところに使われることが多いラミネートは、瞬く間に需要が下がってしまった。しかしそんな時、ラミーコーポレーションは建築業界から相談を受けたという。その内容は「建築現場では毎年、熱中症になる人がいて、マスクをしなければならないとなると、例年以上に熱中症患者が増えることは間違いない、なんとかできないか」というものだ。
これを受け、同社はラミネートの素材で作った透明なマスクをヘルメットに装着した商品を開発した。この商品は1年間で22万個売れたという。信憑性の高い情報を集め、それを活かして時代の波に乗る、同社の知恵と工夫の成果と言えるだろう。▲ 代表取締役社長の岸田洋平氏。
グローバル展開を強化し、
世界中で選ばれるメーカーへ
ラミネート加工は、紫外線や汚れから印刷物を守り、できるかぎり長く使えるようにするものだ。また、水にも強く、除菌することもできるため、コロナ禍にも活躍した。
ラミネート加工には、ホットラミネート加工とコールドラミネート加工の2種類がある。熱を使ってフィルムを圧着するホットラミネートは、主に屋内用途で使われる。例えばメニュー表やPOPなどに使用され、紙を挟み込むように両面ラミネートすることが一般的だ。
一方、粘着フィルムを貼るコールドラミネートは屋外のサインなどに使うことが多く、印刷物を紫外線から守り、色落ちせず数年持たせることができる。
ラミーコーポレーションは現在、ラミネートしたい紙をコピー機のように台の上に置くだけで、加工完了まで全自動で行うフルオートタイプの製品開発に力を入れている。この全自動ラミネーターは、これまで要していた加工時間を大幅に短縮し、生産性の向上にも貢献する。岸田社長は、ラミーコーポレーションの今後について次のように話す。
『これまで3つの大きな波に乗って成長してきた当社ですが、次の波は自分で起こさなければならないと考えています。そして今考えているのが、海外への新たなチャレンジです。特に全自動のラミネーターはアメリカで非常に高い評価を受けているので、この波に乗りたい。アメリカはラミネートを多く使用する国で、教育現場などでも使われています。アメリカをはじめ、世界中で選ばれるメーカーになりたい。そして世界でシェアNo.1になるのが目標です。
日々、変化する時代の中で、お客様の困っていることを少しでも解決できるような仕事をしていきたいと思っています。また、当社は毎年、児童施設にランドセルを寄贈しています。昔は文房具を寄贈していましたが、今ではランドセルを贈れるようになりました。この活動が毎年続けられるように頑張っていきたいです』。
ラミーコーポレーションは、45年間の歴史を通じて、常に時代の変化に対応し続けてきた。新たな技術を取り入れ、危機的状況にも冷静に対処することで、成長を維持。現在は、全自動ラミネーターなどの革新技術を提供し、生産性向上に貢献している。今後は、グローバル展開を強化し、企業として更なる成長を目指す。
【問い合わせ】
(株)ラミーコーポレーション
Tel.0120-30-1544
平日9:00 〜 18:00(年末年始及び同社特別休業日を除く)
https://www.lami-corporation.co.jp