S&Dセレクション

〈2024.6.7〉話題の企業・人物「株式会社イノベーターワン」(第四回)

思い描いたLEDの形を実現、
イノベーターワンの手腕に迫る。

豊かな想像力、革新者の自負と自信を持って、イノベーションの No.1を目指す(株)イノベーターワン。2024年3月には、超軽量・超薄型にして両面タイプのLEDと、球体LEDを相次いで発売した。一気通貫のモノづくりで価格にも自信を持つ代表の久保島 力氏に、開発の経緯や狙いを尋ねた。

IMG_5844
▲ イノベーターワンでは、用途に合わせた球体の映像変換と再生システムを「球体LED」に組み込だ状態で出荷する。特別な球体用映像の制作は不要で、内蔵システムにより、今までの映像コンテンツが自動的に球体用映像に変換され、再生される。

 

 

経験を礎に実現した、超薄型&超軽量の両面LED

 

 国内外から積極的にインプットを重ねるとともに、自らが手を動かし新商品の開発を手掛ける久保島氏。『自分がお客様になりきることで、お客様が好きなもの・求めるものがよりリアルにわかるようになる』と話すように、今回の新商品も自身がLEDの設置に携わってきた経験を根源とする。とりわけ従来のLEDは重量がかさみ、かつ厚みを伴ったことから、それらが設置上の制約になることも多かったと振り返る。

 そこで同氏が開発したLEDは、4.6kgという軽さで厚みも26mmと、一挙に課題をクリアした。それだけではない、両面ともLEDで、異なるピッチと輝度の組み合わせも可能にしたのだ。『両面でピッチが異なる場合、システムは一層複雑になる。だが、その点も当社が専用のシステムを組み込んでいるため、ユーザーサイドでは簡単な操作で済む』と久保島氏は胸を張る。

 その他にも、設置上で苦労を伴うことの多い映像・電源の配線及び連結を『キャビネット同士を繋ぎ合わせて電源に接続するだけ、という簡単な仕組み』を搭載し、万全を期す。500×500mmのキャビネットは、縦横自在に組み合わせることで大きさを変えることもできれば、軽量かつ薄型ゆえに吊り下げて使うことも可能だ。『例えば店舗に取り付ければ、店頭など屋外を向く側と店内を向く側とで輝度を変えたり、各々で流す映像を変えたりといった活用もできる』と、同氏は具体的な活用シーンも描いている。

 

 


▲ 異なるピッチ(1.5mm/1.9mm/2.6mm)と輝度(800nit/3,000nit)の自由な組み合わせが可能な「両面LED」。超薄型(26mm)・超軽量(4.6kg)仕様のディスプレイは簡単に連結でき、吊り下げ設置も可能だ。

 

 

アイデアを具現化した先に提供できる価値

 

 こうして工夫に富んだ新製品に触れるにつけ、“実現するための知識や技術は、いかにして調達しているのか”という疑問に行き着く。これについて久保島氏は『やりたいことを得意とする会社があれば、自ら関係を築きに行く』と話した。

 実際に今回発売した球体LEDの際には、中国のなかでも異形状のLEDにおいてシステム構築が得意な企業と、グローバル事業展開及び共同開発においての協業パートナーシップを締結した。それにより、イノベーターワンとしてはハード・ソフトとも一気通貫で提供することができ、クライアント側では特別な技術を必要としなくなったのだ。『私たちがめざすのは、LEDというハードのみにとどまらない、トータルソリューションを届けること。例えば球体で表現したい物の動画や写真を持って来てもらえれば、イメージ通りに変換する。内蔵システムで、今までの映像コンテンツを自動的に球体用映像に変換・再生ができるためだ』と同氏は付け加えた。

 こうした一社完結での受注は、同社の価格優位性にも繋がっている。そして今後についても『“こんなことをしてみたい”“こんな形のビジョンを作りたい”というように、どんな夢を持っているのかを話してくれれば、私たちが実現する』と自信を覗かせた。なかでも同氏は、今後もLEDに期待を寄せている。

 『液晶はどうしてもサイズが決まっている。それに対してLEDは、自由に大きさを組むことができる。さらに今回、球体LEDのように“自由な形”という領域にも踏み出すことができた。言わば、発想を解放した状態。今後はシンプルな形状にとらわれずチャレンジしていきたい』。

 具体的にはと尋ねると『例えば飲料ボトルの形をしたLEDを作れば、メーカーのプロモーションにもおおいに活用できるのでは』と、新たなアライアンスにも期待を込めた。

 

 

夢が夢ではなくなる未来に向けたイノベーションを

 

 イノベーターワンではこの他にも、様々なプロジェクトを進行させている。自社の設備としてxR、ライブなどの関連機材も揃えている最中だ。『ひとたびやると決めたら本格的にやりたい。そして、とことんこだわって、完璧をめざす』と久保島氏は力を込め、そのための出資はいとわない姿勢を見せた。今回紹介した商品に限らず、『当社があることで、夢が夢ではなくなる』と同氏は自社の技術力に自信を持つ。私たちが理想とするLEDディスプレイは、こうした企業の存在が鍵となるのかもしれない。

 なお、同社製品紹介の動画を下記ホームページとYouTubeで公開している。


【問い合わせ】
(株)イノベーターワン
東京都港区港南1-6-34 品川イースト1階
Tel.03-6712-8805(代表)
E-mail:contact@innovator-one.com
https://www.innovator-one.com
https://www.youtube.com/@miramage
https://www.instagram.com/io_miramage

 

この記事を見た人はこんな記事を読んでいます