イベントや展示会をはじめ、百貨店や商業施設などのシーンで必要となるサイン・ディスプレイの製作・施工を行っている(株)ジー・クラフト。これらの仕事のうちの約3割がウィンドウ系の装飾だという。今回はジー・クラフトのマネージャーである千代秀紀氏に、昨今のクライアントおよびウィンドウ装飾の傾向や、同社が関わった最新のウィンドウ装飾事例について取材した。
クライアントの要望に合わせてUVと溶剤を使い分けている
ジー・クラフトは、サイン・ディスプレイ業に20年以上携わっている現代表により2014年に設立された。
同社では、インクジェットプリンター6台をはじめ、NCルーターやレーザー加工機、カッティングプロッターやラミネーター、3Dプリンターなどを設備しており、ウィンドウ系の仕事ではミマキエンジニアリング社の「JV300-130」(溶剤)と「UCJV300-160」(UV)をクライアントの要望に合わせて使い分けているという。千代氏はこの件について『ウィンドウ装飾の仕事ですとガラス面に施工するので、透過具合にこだわられるお客様が多いです。透過させたくない場合、主に店の中と外で違ったビジュアルを掲出したいときは「UCJV300-160」を使った3レイヤー(カラー/白/カラー)印刷で、向こう側が見えないようにします。逆に透かしたい場合は「JV300-130」を使用することが多いです』と語る。なお、取材時は東京・銀座にある商業施設「GINZA SIX」のウィンドウ装飾用のグラフィックを出力中だった。
▲ 出力時の様子。
宇宙を舞台に描かれたグラフィックインスタレーション
GINZA SIXでは2019年11月5日(火)から12月25日(水)までの期間(施設内中央吹き抜けアートのみ2020年2月下旬まで展示予定)、「Celebration of Life-星の海の祝祭-」をテーマとしたアート演出を展開中だ。「Celebration of Life -星の海の祝祭-」は、フィンランド人アーティストのクラウス・ハーパニエミ氏による、宇宙を舞台に描かれた作品「Astral Sea(アストラル・シー)」の世界をGINZA SIXのためにアレンジして展開したもの。「Astral Sea」は、宇宙に暮らす様々な空想上の生き物たちが、星の公転のように各々のリズムで動き、互いに影響しあってハーモニーを生み出しているという、宇宙と私たち人間の命の繋がりにまで思いを馳せることのできる、 新たな神話のような、厳かで雄大な作品だ。
そして、銀座中央通りに面した2カ所のエントランス空間では、作品の舞台である「Astral Sea」への入り口に見立て、宇宙を描いたグラフィックのインスタレーションを展開。銀座4丁目側のエントランスには、光を用いたAstral Swan(アストラル・スワン)の幻想的なオブジェが登場し、空想の星空へと誘う。
▲ ガラス面のビジュアルは、UVインクジェットプリンターによる3レイヤー印刷によるもの。
▲ ウィンドウ装飾が施されたGINZA SIX(中央通り側から見た風景)。
今回のGINZA SIXのウィンドウ装飾の出力には「UCJV300-160」を使用。高透明フィルムに3レイヤー印刷を施している。
また、真ん中の黒い柱部分は「JV300-130」で出力したものを施工(一部シルバーメディアに印刷しカットしたものを貼っている)した。2020年を目前に控えたクリスマスに、東京に集まる世界中の人々へ、アートを通じてコミュニケーションを醸成したいと考える、GINZA SIXの思いを届ける。
■ クライアント
GINZA SIX リテールマネジメント(株)
■ ライツマネージメント
(株)ブルーフォリオ
■ アートディレクション
プランクス
■ クリエイティブディレクション
(株)椿や
■ ディレクション
(株)一朶や
■ グラフィック製作・施工
(株)ジー・クラフト
©2019 KLAUS HAAPANIEMI All Rights Reserved.
【問い合わせ】
(株)ジー・クラフト
東京都葛飾区西水元5-17-12
Tel.03-5699-5480 Fax.03-5699-9351
http://www.g-craft.tokyo