現場目線のプロダクトデザインと
画質・生産性の向上を実現。
エプソン販売(株)は昨年12月、エコソルベントインク搭載プリンター「SC-S9150(以下、S9150)」を発表。従来機を上回る画質や生産性を誇り、サイン・ディスプレイ市場における更なる飛躍を見据えている。同製品を担当する商業機器MD部の町野玲奈氏とプリンティングソリューションズ事業部の岡崎眞也氏に詳細を聞いた。▲ 2024年12月18日開催の新製品発表会で披露された「SC-S9150」(エプソンクリエイティブスクエア赤坂にて)。
“デザインから作業現場を変えていく”
プロダクトデザインについて町野氏は『従来よりも筐体の高さを約30cm低くし、複数台並べても作業現場の見通しが良く、生産機特有の圧迫感が軽減された』点に触れた。また『プリンターの天板が全面フラット、かつ透明カバーを採用していることから、前からだけではなく後ろからでも印刷状況をスムーズに確認できます。ミスプリントがあっても気が付きやすい構造』と、利便性にも言及。天面には操作パネルを4.3インチと大きく見やすく配置しつつ、パネルを倒すことで全面フラットにもできるよう工夫した。これにより、プリンター側近でのパソコン作業やサンプルの確認など、作業のしやすさを担保した格好だ。
実用シーンに向けた配慮は、この他にも見られる。岡崎氏は『女性がプリンターを取り扱うことも多くなってきた中、メディアのセット作業時の負担軽減は、以前に増して留意しました』と話す。『デザインから作業の現場を変えていきたい』と同氏が意気込む通り、新筐体では作業者がほとんど姿勢を変えることなく、重たいメディアをセットできるよう改良されている。
消費量に応じたインクパックが色ごとに選択可能
前述の特長に加え、町野氏が『利便性の観点から、既に高い評価をいただいています』と話すのが、仕事量にあわせて選択可能なインク容量だ。「S9150」の一世代前にあたる「S80650」では700mlのインクカートリッジを、そこから大容量へのニーズを受けて発売した「S80650L」では1,500mlのインクパックを搭載した。『ただ、この場合はインク容量とプリンターの組み合わせが決まってしまっていて、フレキシブルさに欠けた』と同氏は振り返る。そこで「S9150」では、800mlと1,500mlのインクのいずれかを選んでセットできるように改良。『インクの供給部分は各色独立していることから、消費量の多いインクについては1,500ml、あまり使わないインクに関しては800mlといった形で、お客様の仕事内容や印刷ボリュームに応じて自由に選択いただけます』と説明した。▲ エプソンクリエイティブスクエア赤坂では、「SC-S9150」の出力サンプルを多数展示。新たに追加されたグリーンインクによる表現もここで確認できる。
高画質・生産性・信頼性の担保を追究して
こうして現場目線での使いやすさが工夫されたうえで、今回の新製品が目指すのは“高画質・生産性・信頼性の担保”である。まず画質の向上においては、グリーンインクを新たに追加し、従来機種に比べて色域が最大19%拡大した。またホワイトを含む11色のセットが可能となり、ウィンドウディスプレイ用途にも強さを見せる。町野氏は次のように補足する。
『S80650では苦手としていたグリーンの色味ですが、コーポレートカラーやロゴの印刷で、ご要望を多くいただいていました。今回、グリーンインクを追加したことで、そういった需要にも自信を持って対応できます。白インクの印刷については、お客様自身で本体パネルの操作から簡単に切り替えていただけるので、サービススタッフを呼ぶこともなく、ダウンタイムを最小限に抑えた運用が可能です』。
なお、これまで「S80650」を使ってきたユーザーがスムーズに後継機へ移行できるよう、従来のプロファイルである「Epson Wide CMYK_Ver2/M/S」も引き続き設定できるよう配慮している。
生産性については、最新のPrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッドを搭載することで、ノズル総数が従来機から増加。プリントスピードが最大11%向上している。また、従来機の高い搬送精度や布ワイパーによるヘッド周辺の自動清掃機能はそのままに、新たにノズル抜けを自動検知し補完する機能や、印刷前にメディア表面に付着したごみや埃を取り除くメディアクリーナーを搭載し、安定稼働に繋げた。▲ エプソンクリエイティブスクエア赤坂
商業印刷におけるプリンターシェア拡大を目指して
「S9150」を含む昨年12月リリースのの新製品は、エプソンクリエイティブスクエア赤坂(東京都港区)で発表の場を迎えた。会場内は「S9150」などエプソンのプリンターによる鮮やかな色彩表現で、足元のフロアサインや壁紙、バナー、ウインドウガラスを彩った。こうして活用シーンの想起を促しつつ、町野氏は次のように語る。
『今後も様々な商業印刷において、当社のプリンターを活用してほしいと考えています。今回のようなエコソルベントインクに限らず、UVインクを搭載したプリンターや今後出てくるラインアップにも期待いただき、あらゆる用途、あらゆる商業施設においてプリンターシェアを獲得したいです』。
そしてシェアの拡大については『産業分野でハイボリュームを扱っている方はもちろんですが、これからインクジェットビジネスを始められるお客様も含め、多くの方が効果的にプリンターを活用できる世界を作っていきたいです』と付け加えた。商品企画を担う岡崎氏も『使っていいただいているお客様よりいただく当社製品の弱みや課題は、これからも後継機で確実に改善できる流れをつくっていきます。他社にできて自社にできていないことにも積極的に取り組んでいきたいです』と話し、新製品のリリースが続いた2024年を締めくくった。
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エプソン販売(株)
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