S&Dセレクション

デジタルサイネージジャパン2019のBOEジャパン ブース

一般的なインターネット回線で8K映像を複数台に配信できる。

 

イノベーションには破壊的な変化が必要

 『イノベーションには変化が必要です。それもただの変化ではなく、破壊的な変化として自ら変える必要があるんです。新規事業の立ち上げや事業の方向性の見直しなど、これまでと違ったことを始めようとするとき、抵抗のある方も多いと思います。しかし過去を捨て、チャレンジすることが重要です。現状、弊社のことを液晶パネルをつくっている会社だと思っている方も多いと思います。しかし我々は、つくるだけでなく、サービスも提供できる会社へと今変化しています。つまり、ハードの販売だけではなく、中身(コンテンツ)でどうお客様に感動を与えられるか、また、どれだけ早く提供できるかが重要なんです』と話すのは、BOEジャパン(株)の代表取締役社長である久保島 力氏だ。
 今回、BOEジャパンは、“View(見る)”ことを“Utopia(理想郷)”的なかたちでオリジナルの世界を創り出せるというコンセプトのもと開発されたIoT映像情報配信システム「Viewtopia(ビュートピア)」を中心にブースを展開。その先進性と魅力を驚くほどダイナミックで超高精細な映像(8K)展示にて披露した。

1▲ 超高精細8K映像を大画面で披露したBOEジャパンのブース。

S&D_tree▲ ブース内では、ツリー状に設置された50台の「Viewtopia」による映像演出が展開。多くの来場者の注目を集めていた。




撮った写真や動画のアップ・鑑賞、
メッセージをSNSのように楽しめる

 Viewtopiaは、同社独自の映像情報クラウドから、共通プラットフォームにてコンテンツの配信を行い、WEBや専用アプリを使って簡単に操作できる配信型サイネージソリューションだ。久保島氏は今回の展示について、以下のように語っている。
 『展示ブースの天井に近未来の空、そこにある雲(クラウド)は弊社のクラウドを表し、Viewtopiaやその他の機器に配信しているイメージです。
 Viewtopiaで流していた映像は、すべてクラウドから配信したものです。ホームページと携帯アプリから操作でき、トータルソリューションとして顧客へ提案できます。これまでのDSJでも毎回綺麗なものを表示してきましたが、今回はお客様が自分で撮られた画像も表示でき、しかもこんなに簡単にできるんだということを訴求しました。例えば、スマートフォンで撮った写真や動画を世界中のどこからでもアップロードでき、それを友達同士で共有、メッセージをSNSのように楽しむことだってできます。
 BOEジャパンは、8K、4K、FHDの映像や情報を配信できる自社専用のクラウドを構築しており、業務用の8Kカメラとレンズも所有しています。8K映像の撮影・編集、エンコード、伝送、配信、変換、デコード、表示まですべて一貫しているため、ハイクオリティ・ハイコストパフォーマンスなサービスを提供できるんです』。
 Viewtopiaは、ノングレア液晶ディスプレイ(32型、縦・横両用)を木枠に収めた一体型のものと、その機能のみを取り出した4Kセットトップボックス(STB)があり、このSTBを使用することで、すでに持っている液晶ディスプレイなどでも同じように高精細コンテンツを楽しむことができる。例えば、ランダムに配置した複数面のディスプレイに異なる映像を流したり、全てのディスプレイに一枚画(え)として1コンテンツを表示させることも可能だ。
 また、外部入力が電源ケーブル1本のみなのもViewtopiaの特徴だ。今回のBOEジャパンブースのツリー状に設置された50台のViewtopiaによる演出も、配線は電源にコンセント50本を挿しただけだという。簡単に設置でき、異なる映像配信や一斉画像表示の演出も、誰でも簡単に設定できる非常に優れたシステムだ。すぐに使うことができるのは、ユーザーにとっては嬉しいところだろう。


▲ “View(見る)”ことを“Utopia(理想郷)”的なかたちでオリジナルの世界を創り出せるというコンセプトのもと開発されたIoT映像情報配信システム「Viewtopia」。表示コンテンツはすべてBOE独自の映像情報クラウドから配信されている。

3▲ 98型をはじめ、展示された液晶ディスプレイのコンテンツもすべてクラウドから配信されている。

 


DSJ会場内から8Kライブ中継、
同時に海外にも映像配信

 BOEジャパンは2018年4月に、一般公衆回線による「1対多」「多対多」の8Kライブ中継およびビデオオンデマンド配信に成功している。これは8Kを様々なビジネスに活用可能とする画期的なシステムとして注目を浴びた。久保島氏は『DSJ会場内にスタジオをつくって8Kのライブ中継を実施、同時に海外にも映像配信を行いました。会場で借りた一般的な公衆インターネット回線を使って、クラウドサーバ上にアップした8Kライブ映像をリアルタイムで変換、複数台のディスプレイで再生しました。これは革命的なことですし、一日も早くグローバルで8Kを普及させていくうえで、大きな意味があります』と話す。DSJの会期2日目である6月13日には、元ソニー会長でクオンタムリープ(株)代表取締役の出井伸之氏と、久保島氏の対談が行われ、その内容も同様に8K映像でライブ配信された。出井氏からは『これから5Gの時代で産業は大きく変わるので、Viewtopiaのような斬新な発想は時代に合致する』と絶賛された。

▲ 会期2日目には、BOEの代表取締役社長である久保島 力氏(右)と元ソニー会長でクオンタムリープ(株)代表取締役の出井伸之氏の対談が実現。

▲ 会場内にスタジオをつくって8Kのライブ中継を実施、同時に海外にも映像配信を行った。

 

 久保島氏に今後の展開について訊くと、以下のように語ってくれた。
 『これからは8Kのコンテンツを、弊社が所有している業務用8Kカメラで撮って編集、エンコード、クラウドへ転送してサーバーに置く。そして受信用の8K機器もたくさんつくって、低コストで8Kサイネージが実現できるようにします。8Kをもっと気軽に扱えるようにし、街なかで当たり前のように8K映像が見られるようにしていきたいですね』。


【問い合わせ先】
BOEジャパン(株)
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー4F
Tel.03-6712-3960
https://boe.co.jp


◆ Viewtopia 購入サイト

Viewtopiaは専用ホームページでも購入可能だ。本体のほか、好みのコンテンツを選ぶことができる。
Viewtopia専用問い合わせ先 Tel.03-6712-3963
Viewtopia専用ホームページ https://view-topia.com



 

 

 

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