ニュースリリース

〈2022.7.12〉ブラウザ上でデジタルサイネージのシミュレーション

都市のオープンデータを活用した街をバーチャル上に構築、
映像コンテンツの調整やシミュレーションを自由に行う事が可能に。

 

sub1 のコピー▲ 3D都市モデルを整備。誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できる。

 

 

バーチャル上の3D都市でデジタルサイネージのシミュレーションを

 

 「Media Façade simulator」は、デジタルサイネージのシミュレーションをする為のウエブブラウザで動作するシステム。このシミュレーターは、リアルとバーチャルの体験をつなぐ SHIFT LINK※のシステムを用いた新サービスで、バーチャル上の渋谷の建物に自由に映像コンテンツを放映、ユーザーは任意の視点で映像コンテンツを閲覧した上で映像コンテンツの変更や修正を行うことができる。また、現地で録音した環境音を導入し、見る位置によって音の聞こえ方が変わるサウンドシステムにより、シミュレーターの体験をより実空間と近づけるような演出も可能。

 

※ (株)aircordとThe Shift(株)との共同事業により、リアルとバーチャルの両環境でテクノロジーとデザインによって”体験”をする人々をつなぐためのハブシステム。

 

 

特別なアプリやプラグインは不要、いつものブラウザで仕事効率アップ

 

 ユーザーは「Media Façade simulator」をChromeやFirefox、Safariなどの一般的なWebブラウザで使用可能となっており、アプリケーションやプラグイン等のインストールの必要がない。
 リアルな空間での開発中の映像コンテンツの事前検証において制約となる、“時間”“場所”“人”など様々な制約から解放され、手元の端末やPC等の機器から簡単にシミュレーションを行うことができる。そのため、クリエイティブな仕事の効率を格段に上げることに繋げていけるだろう。またデジタルサイネージ映像の制作において課題となる、実際の場所において投影されたイメージの事前共有や相互理解を、このシミュレーターを活用する事によって格段に向上させる。
 更に屋外広告のみならず、美術館など展示施設やイベント会場等の様々な環境において、リアル空間の映像展示/放映をバーチャル空間上で展開し、実際に現地に訪れる事が難しいユーザーに対しての体験の場を提供する事も可能となる。

 

sub4 のコピー▲ 手持ちの端末でバーチャル空間にアクセス、シミュレーションが可能。

 

 

3D都市モデルデータ「PLATEAU」を活用

 

「Media Façade simulator」は、多くの3D都市データフォーマットに対応している。現在、都市モデルのオープンデータ「PLATEAU※」を活用し開発を行っている。


※ 国土交通省が進める 3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化のリーディングプロジェクト。都市活動のプラットフォームデータとして3D都市モデルを整備し、そのユースケースを創出。さらにこれをオープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようになる。

 

 

今後はシミュレーション内容とリアルな放映環境を相互に反映、同期するシステムへ

 

将来的には、SHIFT LINKの「リアルとバーチャルどちらの環境でも、テクノロジーとデザインによってそれを体験する人々をつなげていく」というコンセプトをさらに押し進める予定だ。サイネージに上映する映像コンテンツ以外にも、街灯やLED、ムービングライト等の演出照明を「Media Façade simulator」に反映るといった都市景観の総合的な表現や、サイネージで実際に上映中のコンテンツをリアルタイムで「Media Façade simulator」に反映させるデジタルツインとして活用できる可能性もある。WebXRへの対応で、HMDやARグラスデバイスで立体的な景観再現への応用、街中に配置されたIoT機器やセンサー情報の可視化や、リモートコントロールツールとしての応用も考えられるだろう。今後の更なる開発に期待だ。

 

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