施工現場の状況を見える化、
撮った写真・会話はリアルタイムで共有。
▲ (株)アンドパッドの西山翔悟氏。
(株)アンドパッドが2016年にリリースし、今やシェアNo.1の建設・建築現場向け施工管理アプリとなった「ANDPAD(アンドパッド)」。今回は、サイン関連企業での導入も増えているという同アプリについて、同社第一事業本部の西山翔悟氏に取材した。
使いやすさを追求し、きめ細かくアップデート実施
ANDPADは、施工現場の効率化から経営改善まで一元管理できるアプリだ。建築業者をはじめ、リフォーム業者や塗装業者、内装業者やゼネコン、そして看板屋など、施工に関わる幅広い分野で活用されている。現在の導入企業数は13万社(ユーザー数33万人)を数えるという。『ANDPADは2016年にリリースしたプロダクトです。もともとは“電話が鳴り止まない” “言った言わないの問題発生”といった建設現場における課題に対して、どうにか解決したいという思いで開発したものです。基本機能の中に、チャット機能や写真作成機能、資料の格納・共有、さらに写真台帳の作成機能もあります。そして、それらの機能が全て連動しているのが、ANDPADの大きな特長です』と西山氏は語る。
施工現場では、スマートフォンやデジカメで写真を撮って、それをパソコンに取り込み、その写真を使って報告書を作成するという工程が一般的。しかしANDPADを使用すれば、撮った写真はそのままクラウド上の該当案件フォルダに保存され、報告書も簡単に作成できる。もちろん、事務所など施工現場以外にいる人もリアルタイムで撮影した写真を見ることが可能だ。
また、西山氏は、ANDPADの特長としてもうひとつ、『何よりご評価いただいているのは使いやすさです。実際に(ANDPADを)導入いただいた企業様のところに足を運び、使った感想をフィードバックいただき、改良が必要な点があればすぐにアップデートしています。常に製品のアップデートに取り組み、多くのユーザー様に馴染みやすいかたちを追求しています』と話している。その言葉からは、アンドパッドの強いこだわりを感じる。
続けて、西山氏は『サポート体制も大事にしている部分です。アプリでは珍しいと思いますが、お問い合わせの専用窓口をご用意しています。お電話いただきましたら、直接ご説明させていただきます。ANDPADチャットからサポートへも直接ご連絡いただけるようになっています。会社としてもサポートに力を入れており、プロフェッショナルなメンバーがきめ細かく丁寧なサポートを行っています』と自信を示す。
アンドパッドでは、ANDPADを契約した企業に対して、まず行うことがある。“なぜ導入するのか” “どのように使いたいのか” “どのような効果を期待しているのか”など、目的を明らかにすることだ。重要な点は、導入を希望する企業が持つ課題解決や便益を享受することで、ただのツールの導入に終わってしまわないようゴール設定・マイルストーン設定をしっかりとお互いすり合わせ、その目標の達成に向けて、伴走しサポートしているという。運用がうまくいくように社内ルール作成や説明会なども実施する。アプリを販売して終わりではなく、その企業が使いこなせるまでサービスを提供しているのだ。
ANDPADチャットでの会話は
案件毎に分けられているので見直しもスムーズ
サイン業界では、自社の顧客とやり取りをする営業担当者が、そのまま現場の施工管理まで一貫して担当する企業も多い。また、社内のデザイナーや製作担当、外部の協力会社など、一人の人間がやり取りをする関係者が多いのも特徴だろう。さらに一人で複数現場を同時に担当することが多いとあっては、一筋縄ではいかない。古い図面のままチャンネル文字をつくってしまい、手戻り(粗利圧迫)が発生しているという話も聞く。このような状況に少しでも思い当たることがあるのならANDPADが有効だ。コミュニケーションが整理され、業務の効率化だけでなく、粗利率の改善にも貢献してくれるだろう。
西山氏はサイン業界が抱える課題を踏まえ、以下のように語る。
『電話、メール、チャットなど、これまで相手によってバラバラだったコミュニケーションツールをANDPADに集約していただくことで、全ての情報が履歴として残りますので、言った言わない問題の削減、情報の円滑な共有というのが実現できます。
また、同時に複数の案件を担当されている方は、関係者への連絡・指示でいっぱいいっぱいで、案件ごとに資料をまとめる時間がないといった話をよく聞きます。ANDPADは全ての機能が連動しています。お客様の依頼をデザイナーの方や製作部の方などに伝える、というコミュニケーションをANDPAD上でしていただくと、それがクラウド上に案件毎に保存される構造になっています。ANDPADを通じてコミュニケーションをとっていただければ、後から検索する時もスムーズです。
もちろん過去の案件履歴や資料の確認をすることもできます。案件ごとに資料をまとめたい、過去の履歴を確認したい、あふれている紙をどうにかしたい、そういったお悩みは一気に解決できると思います』。
電子帳簿保存法に準拠した形でANDPAD上で受発注管理
ANDPADでは施工管理の機能の他に、社内の様々なタスクを一覧にして管理するタスク管理機能、さらに受発注機能などもオプションで用意している。西山氏は『特にお伝えしたいのが受発注機能でして、これは電子帳簿保存法に準拠した形で、ANDPAD上で受発注管理が実現できるというものです。店舗内装の企業様など、協力会社が多岐に渡る企業様にお勧めしています。受発注機能までご使用いただくことで、事業もしくは経営といったところまでカバーするツールになります』と説明する。
アンドパッドはこれらのオプション機能について、ANDPAD契約時の打ち合わせにおいて、導入企業の要望に応じて提案を行っているという。もし施工管理だけでは物足りないということであれば、検討してみるとよいだろう。
また、同社は昨年11月、建設業界全体のデジタル化を推進する建設DXプラットフォーム「ANDPADアプリマーケット」を公開、ANDPAD APIの提供を開始している。これにより、外部サービスをANDPADと連携することが容易となった。
これについて西山氏は『建設業界のDXに関わるツールを提供されている企業様に対して、ANDPADのAPIを提供することで、それぞれの得意な分野で建設会社様にDXを進めていただくことを目的にアプリマーケットをやっています。例をあげますと、現場向けカメラのツールを持つ企業様と当社が組んだことで、ANDPAD内でカメラの動画が案件毎に見られて、そのままストレージに保管できるようになりました』と話す。
アンドパッド社内では、ANDPADを“永遠のβ版”と話すこともあるそうだが、その意味がよく理解できる。ユーザーの声を反映させるための迅速なシステムアップデートに加え、ここまで拡張性のあるアプリはなかなかないだろう。もっと効率的でミスなく、無駄なく仕事をしたいと思うならANDPADを試してみてはいかがだろうか。IT化・DX化に抵抗のある企業にもおすすめしたい。
【問い合わせ】
(株)アンドパッド
東京都千代田区神田練塀町300 住友不動産秋葉原駅前ビル8階
Tel.03-6831-4551
https://andpad.jp/