▲(株)スタジオアルタ 代表取締役社長 嶋田正男 氏
◆基本に立ち戻り顧客ニーズを再確認
新宿を象徴するものとして、新宿東口前で圧倒的な存在感を放つ「アルタビジョン」。「アルタ前」は新宿の待ち合わせスポットのひとつとされ、常に多くの人で賑わっている。
その「アルタビジョン」だけでなく、有楽町に劇場「オルタナティブシアター」を有し、三越本店三越劇場の運営も手掛け、メディア&エンターテインメント企業として変貌を遂げつつある(株)スタジオアルタ。
代表取締役社長の嶋田正男氏はデパート業界の三越伊勢丹出身で、昨年10月に就任した。当初はビジョン事業が苦戦しており、再生のために試行錯誤を繰り返していた。嶋田氏は、『私は、メディアエンターテインメント事業に関しては全く知見も人脈もありませんでしたが、事業の基本に立ち返り、顧客(広告主)のニーズは何か、アルタビジョンの強みは何かを深堀して、ジャパン・レップ・ネットワーク(以下、レップ)からいただくものをやるだけの受け身の体質から、提案力のあるビジョン(媒体社)を目指しました』と語る。
◆「アルタビジョン」の強み
スタジオアルタは、異業種の人財の知見を求めたり、レップとの対話を重ねた結果、これまでとは違う点に着眼し、同業の競合(渋谷や交通広告)に負けない強みを見出し、新たな戦略を提案した。それが“集めて広げる”新戦略である。
まず、「集める」こと。嶋田氏は『アルタ前には広場があり、一定数人を呼び集めることができます。さらに、「アルタビジョン」では企画を事前に告知することができます。これらは競合ビジョンで行うことが難しいため、アルタビジョンならではの広告効果(レスポンス)を生むことができるのです』と語っている。
次に、「広げる」こと。『SNSを使って、アルタビジョンでの企画を告知して人を集め、そこで何らかの情報提示をすると、自然に来訪者がSNS上で拡散してくれる、というところを売り出しました。例えば、某アニメの宣伝を行った時には、SNSで事前に“何月何日、新宿アルタ前で何かが起きる”という告知をしました。すると、想像を超える多くの人たちが集まったわけです。そこで話題性の高い宣伝演出を行うと、集まった人たちが一斉に写真を撮ってSNSにアップしたんです。その拡散のおかげで、この企画は見事“バズり”、それまでになかった広告効果を生み出して、「アルタビジョン」最大のアピールポイントである“集めて広げられる”ことを証明することができました』と鳩田氏。当初はメディア業界での競合と思われたSNSとの連携を強化し拡散力を上げていくという。この成功事例をフックに新規顧客の受注は急増し、同社の業績は急伸しているという。
更に同社は、来街視聴者とのインタラクティブな情報発信やダイナミックDOOHへのトライアルなど、ビジョン自体の価値向上を推し進めている。
◆次世代ビジョンへ向け、パートナーを募集
スタジオアルタは、アルタビジョンを次世代型のパブリックビューイングにすべく、パートナー企業を募集している。嶋田氏は『例えば、IOT企業や、AIを扱う企業など、時代の潮流に乗っている方々とも組んでみたいです。もし、一緒にやっていただける企業様があれば、「アルタビジョン」をラボ(実験場)として使っていただいても構わないと思っています』と語る。アルタビジョンを様々な企画で活用することで、新たなケミストリーが生まれ、屋外広告ビジョンの活性化に繋がるだろう。ひいては、「アルタビジョン」の新たな展開により、街の活性化や安心安全な街づくりへの貢献というところまで期待したい。
▲アルタビジョンを使ったプロモーション事例。多くの人がビジョンの画面を撮影し、SNSで拡散していた。
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