S&Dセレクション

〈2020.5.15〉街の繁栄と都市の夜景に彩を添える役割を担ってきた。

 


 『以前は、企業広告にネオンを使用することが一流企業の証とも称されていました。しかし昨今では、屋外広告でネオン管を使う、という需要は時代の風潮と共に減っていると実感しており、当社における売り上げにおいても100分1に過ぎません』と話すのは、(株)昭和ネオン代表取締役社長の高村 徹氏だ。同社が手掛け、現在も掲出されている大型ネオン広告塔には、エスビー食品や山野楽器(いずれも銀座)、エスパス(新宿)などがある。また、ネオン塔の一等地でもある銀座の三愛ドリームセンターでは、三菱電機や三愛の広告塔を数多く手掛け、その形状も相俟って屋外広告業界に大きな印象を残している。

 

 

「ポンジュース」の広告塔がネオンからネオンにリニューアル


 羽田空港(東京都大田区)を訴求対象とした「ポンジュース」の大型ネオン広告塔(自立タイプ)が一昨年、全面的にリニューアルされた。広告主である(株)えひめ飲料はそれまでに引き続き、光源にネオン管を採用している(納入:昭和ネオン)。高村氏は『ネオン管を全面配置した、フルボーダーでつくられた大型ネオン広告塔が放つ存在価値とインパクトは、非常に大きなものがあります。また、全面発光による光の“柔らかさ”や“温かみ”も特徴であり、付加価値のある広告掲出が可能です』と語る。

 ネオン管を使用した屋外広告が減少しているのは事実だが、ネオンにしかない良さがあり、そこに需要が存在するのも確かな事実だ。昨今では、物販や飲食店などにおける装飾的なサインに、ネオンが使われるケースもある。ネオン全体を相対的にみれば需要は減っているが、このようにまた新しい用途も出てきているので、現在がネオンにとって大きな転機だと言ってよいのではないだろうか。



……… 続きは月刊サイン&ディスプレイ2020年5月号

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