S&Dセレクション

〈2022.9.12〉クラウド型デジタルサイネージサービス「Chat! サイネージ」

コンテンツの配信から作成・再生まで
対話形式で直感的にサイネージ運用。

米シリコンバレー発、体験型ストア「b8ta(ベータ)」が日本に上陸して2年。同店舗を通じ、次世代のリテールの可能性を追求するベータ・ジャパン(株)が、MXモバイリング(株)のクラウド型デジタルサイネージサービス「Chat!サイネージ」を導入したのは2020年のこと。今回は、同社の新店舗開発/オペレーション シニアマネージャーである堀切陽介氏に、導入の経緯や運用メリット、効果について伺った。

 

 

 

コンテンツの更新・入替がスムーズなChat!サイネージへと運用をスイッチ

 

———貴社が「b8ta」の日本第1号店をオープンされた際、サイネージを利用されていたとお聞きしました。当時の使い勝手についてお聞かせいただけますか?

 b8taの第1号店がオープンしたのは2015年、場所は米国シリコンバレーです。ベータ・ジャパンの店舗が立ち上がったのは2020年で、UAEのドバイ店に続き、世界で3カ国目の拠点となりました。
 弊社のビジネスの特徴は、出品企業様と生活者の双方のニーズを満たす新たなリテールのあり方を追求していること。リアル店舗として最新のガジェットを発見・体験していただけるとともに、来店客の行動に関する定量・定性データを取得し、それを出品企業様に対して、フィードバックをするビジネスモデルとなっています。


 開店当初に導入したサイネージは、どちらかというとスタンドアローン型のシンプルなもので、運用にあたってはデータの再生や配信のソリューションが米国仕様だったので現場的には扱いにくかったです。コンテンツの入れ替えは米国の本社に依頼し、機器に不具合があれば、同じように米国に問い合わせをするのですが、どうしても復帰・データ再生までにはタイムラグが生じていました。抜本的に問題を解決したいと思い、日本の現場ニーズに適したシステムを探していたときに、首尾良く出会ったのが「Chat!サイネージ」だったわけです。


———
Chat!サイネージの導入にあたって重視された点は何でしょう?


 b8taは、販売に目的を置く従来型のセレクトショップではなく、発見・体験の機会を提供する店舗です。弊社では展示する製品のスペースを出品区画と呼んでいますが、区画を利用される出品企業様は大企業からスタートアップまでさまざまです。出品アイテムも生まれたばかりのβ(ベータ)テスト中の製品から、他の店ではなかなか体験できないような最先端のプロダクトまで実に多様です。出品アイテムの多彩さに加え、パートナー企業様の入れ替わり頻度が高いこともあり、サイネージ運用面において重要視されるのはコンテンツの更新、入れ替えがスムーズかつスピーディに、そして的確に行えること。「Chat!サイネージ」は、その点、私たちが求めるオペレーションのニーズに合致したことで導入に繋がったと思っています。


 導入後のリスクマネージメントとして、暫くは米国本社版のサイネージと併用していましたが、「Chat!サイネージ」のソリューションと使い勝手をいろんな角度から検証・評価し、本格導入となりました。インターネット環境があれば、どこからでも、自在にコンテンツを配信できる利便性も大きなメリットで、現在は日本国内のすべての店舗で「Chat!サイネージ」への切り替えが完了しています。

 


 

 

店舗発のさまざまなインフォメーションも自在に行える

 

———貴店ならではのChat!サイネージの使い方について教えてください。


 当社の場合、「Chat!サイネージ」は店舗発のインフォメーション・ツールとしての活用と、各出品企業様にとっては、製品の紹介やプロモーション、ブランディングに使うという、2つの運用スタイルがあります。
 インフォメーション・ツールとしては、店頭あるいは店内で最も目に入るスポットにサイネージをレイアウトして、お客様の来店を誘引するアイキャッチとして機能させているほか、各出品アイテムのコンテンツも大型ディスプレイでシームレスに再生しています。
 また、コロナ禍のなかでオープンした店舗でもあり、感染拡大の初期の頃から、当社の感染症対策への入念な取り組み、ご来店される方々へのさまざまな注意喚起も「Chat!サイネージ」を通しアピールしました。しばしば発令された緊急事態宣言下では、営業時間のアナウンスも本部発で各店舗に同時配信するなどオフィシャルなタスクをこなしていました。

 このほか、当社のビジネスモデルとしてβテスト中の製品を体験していただいていること、店内のカメラ撮影、個人情報などプライバシーの保護などを記した「当店における注意事項」をサイネージで定期的にスクロールして再生するなど、ガバナンス面のアナウンスにも利用しています。
 出品を希望される企業様には、出品区画で製品ロゴやブランド名などを極力露出させず、来店された方が製品に向き合い使用体験に集中していただく区画と、エクスペリエンスルームといって、出品された製品に高い関心をもたれた方に、開発背景やコンセプトなどブランドストーリーをアピールし、最先端のプロダクトをより深く体験していただく区画をご用意しています。


 エクスペリエンスルームでは、「Chat!サイネージ」用に作成した映像データの他に、出品企業様が独自に用意された映像データを商品脇のタブレットでも再生できるので、没入できる空間構成と相まって製品への理解を深めることが可能です。お客様と出品企業様の双方にメリットをもたらす当社ならではの空間です。出品期間中は、コンテンツの切り替えなど出品企業様の配信リクエストにも迅速かつ細やかに応じられますし、運用を続けるほどに「Chat!サイネージ」の使い勝手の良さ、頼もしさを実感しますね。

 


対話形式のコンテンツ配信は
現場の確かな助けになる

 

———日々の運用において、Chat!サイネージの操作性や機能性に対して改めて気づかされることはありますか?


 「Chat!サイネージ」を導入して2年経ちますが、b8taオープン当時のスタンドアローン型のサイネージを思い起こすと、使い勝手の良さはまさに雲泥の差です。オペレーションの現場として特筆といえるのが、配信作業が簡単に行えることですね。チャットポットとの対話に従って、クリックやタップするだけの直感的な操作で、スムーズにコンテンツを配信できます。しかもマルチデバイスでの配信対応なので、店舗内や移動中などパソコンの無い環境でもスマートフォンやタブレットなどモバイル端末でも配信できます。いつでも、どこからでも配信できるというのは、オペレーションを担う者にとってはアドバンテージになります。


 私は長いことコンテンツ配信を統括してきましたが、店舗数も増えたこともあって、サイネージに関する店舗のフロントライン業務は、現在、各店長に引き継いでやってもらっています。それができるのも、「Chat!サイネージ」の簡便なオペレーション、簡単な操作性があってこそだと思います。
 現在4店舗を展開していますが、出品企業様は各店で異なりますし、出品製品も定期的に変わりますし、その都度イベント開催もありますので、コンテンツのデータ変更やスケジュール管理は各店長の裁量を生かす仕組みとしました。実際、データ変更のリクエストも多くありますので、運用現場の意向を汲み、出品企業様のニーズに速やかに対応できることは、弊社のサービスバリューのアップに繋がるわけで、それができるのも「Chat!サイネージ」の製品力あってのことです。


 運用側だけでなく、サイネージをご覧になる方の目線に立つと、映像データを流すディスプレイは、セットトップボックス(STB)と接続して使えば、大型ディスプレイに加えてタブレットをサイネージ端末として併用できることもユーザーフレンドリーです。特に、エクスペリエンスルームのように製品体験に没入していただく空間では、タブレットはサイネージとして絶妙なサイズですし、大小柔軟にサイネージを組み合わせられることは、そのまま出品企業様へのプレゼン時の説得材料になっていますね。


 現場で感じる「Chat!サイネージ」の魅力はまだあって、実はこれが大事。一斉配信と個別配信があり、それを組み合わせて運用ができる「タイマー機能」には助けられていますね。
 例えば、b8ta全店舗で同時に実施する施策であれば、サイネージで流す画像データを一斉配信すれば済みますし、個店対応で配信のタイミングを変えるような施策であれば、店舗でも本部でも個別に設定できるんです。その上、削除の日時もあらかじめ指定できることも「Chat!サイネージ」の見逃せない利点です。コンテンツの配信や削除などの設定時間をコントロールできることは非常に大事ですし、多彩な配信機能は、当社が提供するサービスの質に直結していますね。

 

 


Chat!サイネージの
ポテンシャルを活かして出品企業のさらなる満足向上へ

 

———b8taさんの今後のビジネスの展望と照らし合わせ、Chat!サイネージに期待することは何でしょう?


 「Chat!サイネージ」の通常利用では大いに満足していますが、進化形として期待するなら、例えばカメラ機能も追加して、サイネージの閲覧率なども算出したり、来店者の関心動線も追跡できるソリューションを構築できたら面白いですね。当社も既存店だけでなく、ポップアップストアを使ったイベントの施策など、体験型ストアの可能性を拓く模索は、今後も大胆に続けていきます。出品製品が変わっていくように、b8taもまたサイネージの最新のソリューションをどんどん取り入れることで情報発信力のポテンシャルを更新していきたい。「Chat!サイネージ」が、b8ta既存店のオリジナルのメディアというポジショニングまで築いていければよいですね。

 


【問い合わせ】
MXモバイリング(株)法人事業本部
法人ソリューション事業部 ソリューション推進部
Tel.03-5144-5460
https://biz.mxmobiling.co.jp/service/chat/

〈導入事例:ベータ・ジャパン(株)〉
https://b8ta.jp
4店舗8台稼動

 

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