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「National Day Parade 2017」

クライアントが期待する演出を理解し、あわせて観客により大きな感動を与える。

毎年、シンガポールで盛大に開催される「National Day Parade(シンガポール建国記念イベント)」。今回は、国民が一体となってつくりあげるこの一大イベントのほか、シンガポールのみならず、世界中にファンの多いナイトレース「シンガポールGP」で行われている驚きの映像演出に迫る。


 

▲毎年8月9日に開催され、大きな盛り上がりを見せるシンガポールの建国記念イベント「National Day Parade」。

2017年より本格的に日本でのビジネス開始

 『私たちが大事にしているのは、常にクライアントが期待する演出を理解した上で、観客にどれだけ大きな感動を与えられるのかを、試行錯誤しながらコンテンツや技術力の向上に取り組むことです』。そう話すのは、シンガポールに本社を置くヘキサゴン・ソリューション(Hexogon Solution Pte.Ltd)の代表であるエイドリアン G.S.ゴー氏だ。
 同社は、プロジェクションマッピングを中心とした映像コンテンツの制作からプロジェクターや照明の設置・調整・オペレーション、センサーなどと組み合わせたシステム構築、さらに機材のメンテナンスまでを一貫して行う。2015年には日本支社として、ヘキサゴン ジャパン(株)を立ち上げ、2017年からは本格的に日本でのビジネスを開始。すでに大型テーマパークでのプロジェクションマッピング演出やイベント会場の映像演出など、日本でも着実に実績を積み重ねている。


 

  

IMG_9395▲メインステージ上で繰り広げられるライブパフォーマンスにあわせて、プロジェクションマッピングを中心とした映像演出が展開。動き回るパフォーマーに映像が追従する演出は見事だった。なお、マッピング映像はステージ上に設置されたLEDビジョンの映像とも連動している。

 

 

パフォーマーの動きにあわせて映像が追従する演出

 2017年8月9日、この日はシンガポールの建国記念日であり、現地では毎年、大きな盛り上がりを見せる。その中心となるのが、ザ・フロート@マリーナ・ベイで開催される「National Day Parade」だ。今年も大々的に開催された同イベントには、抽選で選ばれた3万2千人の来場者のほか、シンガポールの大統領や首相なども出席している。
 今回はナショナルサービス(徴兵制度)の50周年ということもあり、パラシュート部隊が上空1,000mから降りてきて、メインステージ(88m×44m)に着地するといったパフォーマンスでイベント開始。その後、ステージ上では、シンガポールの4つの公用語〔英語、中国語(北京語)、マレー語、タミール語〕によるライブパフォーマンスなど、様々な民族(宗教)、子どもから大人まで、皆が揃ってシンガポールであるということを象徴するような多民族国家であるシンガポールらしい催しが展開した。
 そして、日が沈む19時頃からは、メインステージ上で繰り広げられるパフォーマンスにあわせ、ヘキサゴン・ソリューションによるプロジェクションマッピングを中心とした映像演出が展開。さらにセンサーを使った演出を得意とするカナダ・VYV社と組み、パフォーマーの動きと映像をリンクさせたリアルタイムセンシングによる驚きの演出を披露した。
 映像投影には「Christie Boxer 4K30」(30,000 lm)を36台使用。また、24台のトラッキングカメラを使用し、最大180mの距離から一度に12のオブジェクト(自転車に乗るパフォーマー等)の位置を検知、その位置情報をコンピューターに戻してリアルタイムで映像をレンダリングする技術が活用された。これにより、パフォーマーに映像が追従する演出が実現している。


シンガポール市街地をマッピングとライティングで装飾

 シンガポールの市街地を使って毎年行われる「シンガポールGP」。シンガポールの中心部、マリーナ・ベイエリアをレースカーが疾走するとあって、その人気、注目度も高く、世界中からF1 ファンが観戦に訪れる。ヘキサゴン・ソリューションは、シンガポール政府と契約を結び、この迫力のモータースポーツに、プロジェクションマッピングなど映像演出で2013 年より毎年協力している。エイドリアン氏は、「シンガポールGP」での演出について以下のように語っている。
 『ヘリコプターで上空からもレースを撮影するのですが、道がライトアップされて綺麗に映っても、ビルに何もなかったら美しいシンガポールのイメージを世界に発信できません。それで、私たちがシンガポール政府から依頼を受け、車が走る道やマーライオン、シンボリックな建物などに対してプロジェクションマッピングを行ったり、照明でデコレーションしています。もちろんドライバーの運転に支障を来してはいけないので、そこには細心の注意を払いながら、空撮のカメラでとらえた時に、どれだけシンガポールの街が美しく見えるかを意識してやっています。マッピング映像はすべて同期させています』。
 日本でもエリアマネジメント事業などへの関心が高まっており、地域活性化ということで言えば、映像演出は間違いなく大きな効果を発揮するだろう。今後のヘキサゴンの展開に注目していきたい。

 

 

 

 

こちらの情報は月刊サイン&ディスプレイ2017年11月号に掲載しております。

 

 

【問い合わせ】

ヘキサゴン ジャパン(株)
東京都港区南青山6-2-10 バックボーンハウス6F
Tel.03-6419-7653
http://www.hexogonsol.com/hexogonsg/

 

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