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Marina Bay countdown Light Show 2017-2018

マッピングで観光客誘致に成功、2018年は更なる盛り上がりが予想される。

 

シンガポールで年末恒例のイベント「Marina Bay countdown Light Show」が、2017年12月26日から6日間開催された。今回は、同イベントの集客に大きく貢献しているヘキサゴン・ソリューションによるプロジェクションマッピングを、同社のマネージングディレクターであるエイドリアン・ゴー氏のコメントとあわせて紹介する。

 

 

 

▲フラートンホテルの壁面などを投影対象としたプロジェクションマッピングが人気の「Marina Bay countdown Light Show」。

  3か所で展開するマッピングで映像コンテンツがシンクロ

 

 シンガポールの人気観光地「MarinaBay」。上にボートが乗っているかのような形で有名な「Marina Bay Sands(ホテル)」やシンガポールのシンボル「マーライオン像」があるほか、昨今では世界有数の金融街となったシェントンウェイに囲まれたエリアである。
 このエリアのベイサイドに建つ「The Fullerton Hotel Singapore(フラートンホテル)」(イギリス統治時代に中央郵便局として建造された建築遺産)の壁面にプロジェクションマッピングによる大型映像を投影し、多くの観客を魅了してきたのが「Marina Bay countdown Light Show」だ。
 2014年にスタートした年末恒例の同イベント、今回は投影範囲を拡大し、マーライオン像そのものや同エリアにあり異彩を放っているアート&サイエンスミュージアムの蓮の形をした巨大オブジェにまでマッピング、これまでを遥かにしのぐ規模での開催となった。しかも3か所に分かれたマッピングは全てコンテンツがシンクロしており、観客は場所を変えても楽しめる仕掛けとなっていた。

 
▲プロジェクションマッピングにより映像演出が施された、アート&サイエンスミュージアムの蓮の形をした巨大オブジェ。

 

明るさ3万ルーメンで4K解像度のプロジェクター計60台使用

 

 「Marina Bay countdown Light Show(2017-2018)」では、2017年12月26日から31日の毎晩3回プロジェクションマッピングを実施、カウントダウンのときには他の回よりもダイナミックな映像に切り替わり、さらに新年を迎えたときには大掛かりな花火の打ち上げまで行われた。6日間で延べ7万人(主催者発表)が訪れ、イベントを楽しんだ。
 今回のテーマは「Bay Of Hopes And Dreams」。フラートンホテルのマスコットである「Fullerton Postmaster Bears」(郵便配達員の恰好をしたクマ)が主人公となり、発展著しいシンガポールの過去と未来を行き来しながら、幸せに満ちた2018年に思いを馳せる5分間のアニメーションとなっている。
 主催者はシンガポール政府の法定機関の一つであるUrban Redevelopment Authority(都市再開発庁)。プロジェクションマッピングの製作・オペレーションはヘキサゴン・ソリューション(Hexogon Solution Pte.Ltd)が担当している。
 使用したプロジェクターは「Christie Boxer 4K30」(30,000ルーメン、4K解像度)60台、メディアサーバーはPandoras Box。
 ヘキサゴン・ソリューションのマネージングディレクターのエイドリアン・ゴー氏は以下のように話す。
 『このカウントダウンイベントを楽しみに海外からシンガポールを訪れる観光客も多く、毎年パワーアップした映像演出をクライアントから求められています。
 今回はフラートンホテルだけでなく、周辺の有名な像やオブジェも投影対象にして、シンクロした映像を上映することを試みました。この手法は以前、別のイベントでも使ったことがあり、観客は別の場所のプロジェクションマッピングを、TV中継画面を見ながら同時に楽しめる趣向となっています。
 また、新年のカウントダウンは1回限りですが、26日から上映したことで違う場所でのマッピングを、時間を変えて全て鑑賞できるようにもなりました。おかげでマリーナベイエリアに足を向ける観客が増えて大きな話題となりました』。
 ヘキサゴン・ソリューションは、このシンガポールでのカウントダウンイベントだけでなく、タイ・バンコク市、台湾・新台北市でもクリスマスから新年にかけての街全体を光で彩るイベントを手掛けている。デスティネーションキャンペーンとして観光客誘致に成功し、その力に注目が集まったこともあり、2018年の年末はアジア圏内での開催がまた増えそうだ。

 

 

こちらの情報は月刊サイン&ディスプレイ2018年2月号に掲載しております。

 

 

【問い合わせ】
ヘキサゴン ジャパン(株)
東京都港区南青山6-2-10 バックボーンハウス6F
Tel.03-6419-7653
http://www.hexogonsol.com/hexogonsg

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